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■僕惚れ④『でもね、嫌なの。わかってよ。』
会食3
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チェックインを済ませて、2人分の荷物を部屋に運ぶ。葵咲ちゃんが、自分のは持つよ?と言ってくれたけれど、好きな子に荷物を持たせるのは僕のプライドが許さないので却下した。
エレベーターで8階まで上がると、幸いと言うべきか、僕たちの部屋は角部屋だった。
でも、いくら端っことはいえラブホじゃない。葵咲ちゃんを思い切り鳴かせるとか、やっぱり無理だよね。
ビジネスホテルなんて取らずにラブホテルを探せばよかったかなぁ。
とか、わけもなくそんなことを思ってしまう程度には、僕はいま葵咲ちゃんロスだ。
***
「葵咲」
部屋に入ると同時にふたり分の荷物を足元に置いて、僕は葵咲ちゃんをギュッと抱きしめた。
「えっ、ちょっ、理人っ!?」
密室に入ればこうなることは分かっていただろうに、本気で驚いた顔をする葵咲ちゃんが愛しくて堪らない。
僕がこんな性格なのは百も承知だろうに……反応がいちいち初々しくてそそられる。
「ねぇ、どうしよう? 僕、我慢できないんだけど……」
抱きしめた葵咲ちゃんの耳元で、耳朶に直接息を吹き込むようにそう問いかけると、彼女がゾクリと身体を震わせたのが分かった。
腕の中で小さく身じろぐ葵咲ちゃんの足に上手く力が入らなくなって、僕の腕に体重がかかってきたのが分かる。
ほんの少し煽っただけでこの反応。
感度が良すぎて本当に危険だ。
僕以外の男に触られてもこんな風になってしまうんじゃないかと思うと、僕は常に気が気じゃないんだ。
抱きしめたままの葵咲ちゃんの細い首筋に唇を寄せると、
「ぁんっ、……りひ、とっ、やめっ。――ひおちゃんたち、待ってる……!」
案外やらねばならないことがある場合、葵咲ちゃんは僕よりしっかりしているんだ。
居酒屋で先に塚田夫妻が待っていることを必死になって僕に示唆すると、「今は、ダメっ」って言う。
残念。
けど、「今は」ってことは、後でならいいってことだよね?
そう思って、僕は何とか自分を律することが出来た。
「葵咲、食事後部屋に戻ってきたら……その時は、いい?」
彼女の話を聞かないといけないの、忘れたわけじゃないけれど一度この熱を鎮めないと、色んな意味で落ち着いて話すとか無理な気がする。
そう付け加えたら、葵咲ちゃんが一瞬身体を固くしたのが分かった。
「……葵咲?」
今の感じはなんだろう。
ほんの寸の間だったけれど、葵咲ちゃんに拒まれたような、そんな気がしたんだ。
「理人。――帰ったら、話が先。それが済むまでは……。ううん。私が納得できるまでは……。お願いだから、私に触らないで」
守ってくれないなら、私、理人から離れる……。
深刻な顔をして葵咲ちゃんにそう言われて、僕は息を飲んだ。
――ちょっと待って。今の、どういう……意味?
チェックインを済ませて、2人分の荷物を部屋に運ぶ。葵咲ちゃんが、自分のは持つよ?と言ってくれたけれど、好きな子に荷物を持たせるのは僕のプライドが許さないので却下した。
エレベーターで8階まで上がると、幸いと言うべきか、僕たちの部屋は角部屋だった。
でも、いくら端っことはいえラブホじゃない。葵咲ちゃんを思い切り鳴かせるとか、やっぱり無理だよね。
ビジネスホテルなんて取らずにラブホテルを探せばよかったかなぁ。
とか、わけもなくそんなことを思ってしまう程度には、僕はいま葵咲ちゃんロスだ。
***
「葵咲」
部屋に入ると同時にふたり分の荷物を足元に置いて、僕は葵咲ちゃんをギュッと抱きしめた。
「えっ、ちょっ、理人っ!?」
密室に入ればこうなることは分かっていただろうに、本気で驚いた顔をする葵咲ちゃんが愛しくて堪らない。
僕がこんな性格なのは百も承知だろうに……反応がいちいち初々しくてそそられる。
「ねぇ、どうしよう? 僕、我慢できないんだけど……」
抱きしめた葵咲ちゃんの耳元で、耳朶に直接息を吹き込むようにそう問いかけると、彼女がゾクリと身体を震わせたのが分かった。
腕の中で小さく身じろぐ葵咲ちゃんの足に上手く力が入らなくなって、僕の腕に体重がかかってきたのが分かる。
ほんの少し煽っただけでこの反応。
感度が良すぎて本当に危険だ。
僕以外の男に触られてもこんな風になってしまうんじゃないかと思うと、僕は常に気が気じゃないんだ。
抱きしめたままの葵咲ちゃんの細い首筋に唇を寄せると、
「ぁんっ、……りひ、とっ、やめっ。――ひおちゃんたち、待ってる……!」
案外やらねばならないことがある場合、葵咲ちゃんは僕よりしっかりしているんだ。
居酒屋で先に塚田夫妻が待っていることを必死になって僕に示唆すると、「今は、ダメっ」って言う。
残念。
けど、「今は」ってことは、後でならいいってことだよね?
そう思って、僕は何とか自分を律することが出来た。
「葵咲、食事後部屋に戻ってきたら……その時は、いい?」
彼女の話を聞かないといけないの、忘れたわけじゃないけれど一度この熱を鎮めないと、色んな意味で落ち着いて話すとか無理な気がする。
そう付け加えたら、葵咲ちゃんが一瞬身体を固くしたのが分かった。
「……葵咲?」
今の感じはなんだろう。
ほんの寸の間だったけれど、葵咲ちゃんに拒まれたような、そんな気がしたんだ。
「理人。――帰ったら、話が先。それが済むまでは……。ううん。私が納得できるまでは……。お願いだから、私に触らないで」
守ってくれないなら、私、理人から離れる……。
深刻な顔をして葵咲ちゃんにそう言われて、僕は息を飲んだ。
――ちょっと待って。今の、どういう……意味?
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