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■僕惚れ③『家族が増えました』
理人の一番3
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トイレはそこから対角線上の隅っこに置いた。あらかじめ一緒に買っておいたコンテナボックスを横倒しにして、その中へトイレを入れて、ほんの少し死角になるようにした。
食事用、給水用の皿が一緒にセッティングできるようになった食器台は、アイランドキッチンのすぐ近くに置いた。そのほうがご飯の管理や水替えがしやすいからだ。
「葵咲、ベッドはどこに置こう?」
ドーム型になったベットを手に、理人が葵咲を見つめる。言いながら、何となくソファ横とかどうだろう?と漠然と思っていたのだけれど、葵咲も同じ考えだったみたいで。「ソファの近く……あのあたりがいいかな?」と、理人が思っていたのと同じ場所を指す。
「気が合うね、葵咲。僕もそこがいいかな?って思ってた」
にっこり笑ってそこへベッドを設置すると、当面の片付けは済んだ。
「セレが起きたらご飯あげようね」
子猫用のドライフードやウェットフードは、数種類ずつ買ってきてみた。恐らく雰囲気的にもう離乳は済んでいるころだと判断して、授乳に関するグッズは買っていない。
「さて、これでひとまずは安心だね」
言って、理人は葵咲を引き寄せると、腕の中にギュッと抱きしめる。
息を吸い込むたびに、葵咲の甘い香りが鼻腔をくすぐって、思わずそのまま押し倒してしまいたくなった。――でも、今は我慢だ。
「今日は色々あって疲れたし、僕たちも早めに休むようにしよっか。葵咲、お風呂、先に入ってくる?」
出掛けにセットしておいたから、すぐに入れるはずだ。
葵咲が入浴している間にパパッとパスタでも作ってしまおう、と理人はぼんやり考える。
「でも、夕飯……」
葵咲がまだそれを作っていないことを気にして腕の中で身じろぐので、「冷蔵庫にあるもので僕が適当に作っておくから」と言うと、イヤイヤされた。
「お風呂も理人、出掛けに洗ってくれたよね? 夕飯くらいは私が作る。だから――」
お風呂は理人が先に入ってきて?と続けられて、理人は思わず苦笑する。
(変なところで律儀なの、変わらないなぁ葵咲ちゃん)
言い出したら聞かないところがあるので、「じゃあそうさせてもらうね」と言って、腕の中の葵咲の向きをくるりと変えると柔らかい唇に口付けを落とした。
(今はここまで。この先はまだ……)
心の中で自分にグッと言い聞かせると、理人は葵咲から離れた。
食事用、給水用の皿が一緒にセッティングできるようになった食器台は、アイランドキッチンのすぐ近くに置いた。そのほうがご飯の管理や水替えがしやすいからだ。
「葵咲、ベッドはどこに置こう?」
ドーム型になったベットを手に、理人が葵咲を見つめる。言いながら、何となくソファ横とかどうだろう?と漠然と思っていたのだけれど、葵咲も同じ考えだったみたいで。「ソファの近く……あのあたりがいいかな?」と、理人が思っていたのと同じ場所を指す。
「気が合うね、葵咲。僕もそこがいいかな?って思ってた」
にっこり笑ってそこへベッドを設置すると、当面の片付けは済んだ。
「セレが起きたらご飯あげようね」
子猫用のドライフードやウェットフードは、数種類ずつ買ってきてみた。恐らく雰囲気的にもう離乳は済んでいるころだと判断して、授乳に関するグッズは買っていない。
「さて、これでひとまずは安心だね」
言って、理人は葵咲を引き寄せると、腕の中にギュッと抱きしめる。
息を吸い込むたびに、葵咲の甘い香りが鼻腔をくすぐって、思わずそのまま押し倒してしまいたくなった。――でも、今は我慢だ。
「今日は色々あって疲れたし、僕たちも早めに休むようにしよっか。葵咲、お風呂、先に入ってくる?」
出掛けにセットしておいたから、すぐに入れるはずだ。
葵咲が入浴している間にパパッとパスタでも作ってしまおう、と理人はぼんやり考える。
「でも、夕飯……」
葵咲がまだそれを作っていないことを気にして腕の中で身じろぐので、「冷蔵庫にあるもので僕が適当に作っておくから」と言うと、イヤイヤされた。
「お風呂も理人、出掛けに洗ってくれたよね? 夕飯くらいは私が作る。だから――」
お風呂は理人が先に入ってきて?と続けられて、理人は思わず苦笑する。
(変なところで律儀なの、変わらないなぁ葵咲ちゃん)
言い出したら聞かないところがあるので、「じゃあそうさせてもらうね」と言って、腕の中の葵咲の向きをくるりと変えると柔らかい唇に口付けを落とした。
(今はここまで。この先はまだ……)
心の中で自分にグッと言い聞かせると、理人は葵咲から離れた。
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