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■僕惚れ②『温泉へ行こう!』
チェックイン1
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洗濯が終わった後、ほんの少し予定通りの観光をして……18時に旅館にチェックインした。
たった1日なのに、物凄く濃厚な時間を過ごした気がする。
夕飯は18時半にお願いして、とりあえず部屋に荷物を下ろしてしばしのんびりしようということになった。
フロントで渡されたカードキーでドアを開錠して部屋に入る。板張りの廊下を抜けた先は全面琉球畳の敷かれた和モダンな空間だった。
ベッドはセミダブルサイズがふたつ。
和室にあっても、背の高くないベッドは違和感なく空間に溶け込んでいた。
窓際には丸い座卓が置いてあって、その傍に藤で出来た座椅子が2脚。
座卓の上に丸い茶櫃があって、その中に茶器などが入っていた。お湯は傍に置かれた電気ポットに沸いていて、そこから使ってくださいと仲居さんから説明を受けた。
せっかくなので、それらを使ってお茶を注ぐと、理人と自分の前に置く。
「あまり上手に淹れられてないかもしれないけど」
何となくこういうことをしていたら、夫婦みたいだなとか思って、やたらと照れくさくなる。
急須は割と小さめで、2人分のお茶を注ぎ分けると空っぽになってしまった。
理人のほうを向いて座っているのが何だか気恥ずかしくて落ち着かなかったので、照れ隠しで茶殻を茶こぼしに捨てたりして誤魔化す。
「食事が済んだら一緒にお風呂、入ろうね」
そんな私に、お茶を飲みながら、理人がまるで「いい天気だね」って話すみたいにさり気なく言った。
でも、実際は彼も緊張しているのが伝わってきて、私もますます照れてしまう。
それで何となく視線をさまよわせると、座っているところから、ガラス張りのお風呂場が見えた。
浴槽は直径1.4mくらいの信楽焼きの丸いつぼ湯。濃緑色がとても綺麗なお風呂だった。
お風呂場は外に面したところ以外は全面ガラス張りになっていて、必然的に部屋からも中の様子が丸見えになってしまう。
湯気がたてば少しは曇るかも知れないけれど、シルエットくらいは確実に確認できてしまいそうだった。
お風呂の外は高い垣根で囲まれた箱庭になっていて、箱庭に向いた面は腰の高さくらいまでガラスが張られた柵がついている。けれど、柵の上から天井までは何もない。
露天風呂つきの客室、と謳われている意味が何となく理解できた。
こんな丸見えの造りのお風呂、さすがに一人ずつ入るほうが恥ずかしいかも知れない。
でも、一緒に、と思うとそれはそれで照れ臭くて。
「……はい」
思わず緊張して返事が敬語になってしまった。
意識しすぎているみたいで、赤面してうつむいたら、理人の手がゆっくり伸びてきて、私の髪に優しく触れる。
夏なので下ろしておくのは暑くて、サイドテールにして、更にそれをゆるく編みこんでいた。
今日はさすがに色々ありすぎて、大分ほつれてきている。
その後れ毛を私の耳にかけながら、理人が「こっち向いて?」と言った。
ゆっくり顔を上げると、私の顔をじっと見つめる理人の顔が間近にあって。何だか凄くかっこいいな、って思った。
「葵咲、大好きだよ」
もう何回聞かされたか分からない台詞だけど、いつもと違うシチュエーションだからかな。
初めて言われたみたいに胸の奥がじん、と温かくなった。
「私も……理人が大好き……です」
しどろもどろになりながらそう返したら、理人が嬉しそうに微笑んだ。
たった1日なのに、物凄く濃厚な時間を過ごした気がする。
夕飯は18時半にお願いして、とりあえず部屋に荷物を下ろしてしばしのんびりしようということになった。
フロントで渡されたカードキーでドアを開錠して部屋に入る。板張りの廊下を抜けた先は全面琉球畳の敷かれた和モダンな空間だった。
ベッドはセミダブルサイズがふたつ。
和室にあっても、背の高くないベッドは違和感なく空間に溶け込んでいた。
窓際には丸い座卓が置いてあって、その傍に藤で出来た座椅子が2脚。
座卓の上に丸い茶櫃があって、その中に茶器などが入っていた。お湯は傍に置かれた電気ポットに沸いていて、そこから使ってくださいと仲居さんから説明を受けた。
せっかくなので、それらを使ってお茶を注ぐと、理人と自分の前に置く。
「あまり上手に淹れられてないかもしれないけど」
何となくこういうことをしていたら、夫婦みたいだなとか思って、やたらと照れくさくなる。
急須は割と小さめで、2人分のお茶を注ぎ分けると空っぽになってしまった。
理人のほうを向いて座っているのが何だか気恥ずかしくて落ち着かなかったので、照れ隠しで茶殻を茶こぼしに捨てたりして誤魔化す。
「食事が済んだら一緒にお風呂、入ろうね」
そんな私に、お茶を飲みながら、理人がまるで「いい天気だね」って話すみたいにさり気なく言った。
でも、実際は彼も緊張しているのが伝わってきて、私もますます照れてしまう。
それで何となく視線をさまよわせると、座っているところから、ガラス張りのお風呂場が見えた。
浴槽は直径1.4mくらいの信楽焼きの丸いつぼ湯。濃緑色がとても綺麗なお風呂だった。
お風呂場は外に面したところ以外は全面ガラス張りになっていて、必然的に部屋からも中の様子が丸見えになってしまう。
湯気がたてば少しは曇るかも知れないけれど、シルエットくらいは確実に確認できてしまいそうだった。
お風呂の外は高い垣根で囲まれた箱庭になっていて、箱庭に向いた面は腰の高さくらいまでガラスが張られた柵がついている。けれど、柵の上から天井までは何もない。
露天風呂つきの客室、と謳われている意味が何となく理解できた。
こんな丸見えの造りのお風呂、さすがに一人ずつ入るほうが恥ずかしいかも知れない。
でも、一緒に、と思うとそれはそれで照れ臭くて。
「……はい」
思わず緊張して返事が敬語になってしまった。
意識しすぎているみたいで、赤面してうつむいたら、理人の手がゆっくり伸びてきて、私の髪に優しく触れる。
夏なので下ろしておくのは暑くて、サイドテールにして、更にそれをゆるく編みこんでいた。
今日はさすがに色々ありすぎて、大分ほつれてきている。
その後れ毛を私の耳にかけながら、理人が「こっち向いて?」と言った。
ゆっくり顔を上げると、私の顔をじっと見つめる理人の顔が間近にあって。何だか凄くかっこいいな、って思った。
「葵咲、大好きだよ」
もう何回聞かされたか分からない台詞だけど、いつもと違うシチュエーションだからかな。
初めて言われたみたいに胸の奥がじん、と温かくなった。
「私も……理人が大好き……です」
しどろもどろになりながらそう返したら、理人が嬉しそうに微笑んだ。
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