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一目惚れ
はじめまして
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「おはようございます。あのっ、今日からお世話になります、丸山葵咲です」
ああ、なんてイメージ通りの可愛らしい声をしてるんだろう!!
それに……今時珍しいくらい礼儀正しい女の子じゃないかっ!
あまりに好みのど真ん中過ぎて、僕は柄にもなく顔がにやけてしまいそうになる。
いかん、いかん。落ち着けっ、僕!!
僕は一瞬だけ下を向くと、昂る気持ちと一緒にフッと息を吐き出した。
そうして顔を上げた時には、にやけ顔なんてどこへやら。至極さわやかな笑顔を彼女に向けることができた。
「おはよう、葵咲ちゃん。待たせてしまったみたいでごめんね。僕が今日から葵咲ちゃんと一緒に学校へ行く池本理人です。池本さんじゃ何か落ち着かないし、下の名前か……そうだな。もし嫌じゃなければお兄ちゃん、と呼んでくれたら嬉しいな?」
実は母からの事前の情報で、一人っ子の彼女が、きょうだいに憧れているということはリサーチ済みだった。母から「理人がお兄ちゃんになってあげたら喜ぶんじゃない?」と言われた時は何をバカなことを、と思っていたのだが。
今はあの時の母さんに、グッジョブ!と心からの称賛を贈りたい。
突然の僕からの申し出に、葵咲ちゃんの目がみるみるうちにキラキラと輝く。
「お兄ちゃんって呼んでもいいんですか?」
上目遣いで問いかけられて、誰がダメと言えようか。
あの日、僕は心の中でガッツポーズをしながらも、顔は平常心を装って、
「もちろんだよ」
優しく微笑んで彼女の警戒心を解きほぐした。
こうして、僕に可愛い妹が出来た。
光源氏計画――幼な子を手懐けて、自分に惚れるように育て上げる――が始動した瞬間だった。
ああ、なんてイメージ通りの可愛らしい声をしてるんだろう!!
それに……今時珍しいくらい礼儀正しい女の子じゃないかっ!
あまりに好みのど真ん中過ぎて、僕は柄にもなく顔がにやけてしまいそうになる。
いかん、いかん。落ち着けっ、僕!!
僕は一瞬だけ下を向くと、昂る気持ちと一緒にフッと息を吐き出した。
そうして顔を上げた時には、にやけ顔なんてどこへやら。至極さわやかな笑顔を彼女に向けることができた。
「おはよう、葵咲ちゃん。待たせてしまったみたいでごめんね。僕が今日から葵咲ちゃんと一緒に学校へ行く池本理人です。池本さんじゃ何か落ち着かないし、下の名前か……そうだな。もし嫌じゃなければお兄ちゃん、と呼んでくれたら嬉しいな?」
実は母からの事前の情報で、一人っ子の彼女が、きょうだいに憧れているということはリサーチ済みだった。母から「理人がお兄ちゃんになってあげたら喜ぶんじゃない?」と言われた時は何をバカなことを、と思っていたのだが。
今はあの時の母さんに、グッジョブ!と心からの称賛を贈りたい。
突然の僕からの申し出に、葵咲ちゃんの目がみるみるうちにキラキラと輝く。
「お兄ちゃんって呼んでもいいんですか?」
上目遣いで問いかけられて、誰がダメと言えようか。
あの日、僕は心の中でガッツポーズをしながらも、顔は平常心を装って、
「もちろんだよ」
優しく微笑んで彼女の警戒心を解きほぐした。
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