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*俺に診察させて?
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「凜子が今、何考えてるのか当ててやろうか?」
ソワソワと奏芽さんの顔から視線を外した私の頬にそっと手をかけると、奏芽さんが瞳を覗き込んでくる。
「――あ、あのっ」
それになんてお答えしたらいいのか分からなくて戸惑っていたら、頬に触れていた指先で唇を割り開かされて。
「キスしたい、だろ?」
つぶやくようにそう落とされて、そのまま唇を塞がれた。
クチュクチュと、艶かしい濡れた音とともに熱い舌を擦り合わせるようなキスをされて――。
「――俺も凜子の唇見てたらキスしたくなったから……お相子、な?」
口付けを解くと同時、口の端を濡らした唾液を親指の腹で軽く拭ってくださってから、奏芽さんがそう言ってニヤリと笑うの。
ずるいよ、奏芽さん。
そんな風に言われたら、否定できない。
***
「なぁ凜子。凜子の身体中にさ、俺のだって印、残しても構わねぇ?」
ややして奏芽さんが、乳房を隠すように置いていた私の手を壁に押し付けて、むき出しになってしまった胸にもう一方の手でやんわりと触れながらそう問いかけてきて。
私は彼の言葉の意味が良く分からなくて
「印……?」
と復唱して。
「あの、それって……」
胸を隠したい気持ちを指先に力を込めながらグッと堪えて奏芽さんを見つめる。
「キスマーク。凜子の綺麗な肌にたくさん残したい」
***
奏芽さんの唇が私の肌に寄せられるたび、ちくりと微かな痛みが走る。
奏芽さんは私の肌に小さな赤い鬱血の痕を散りばめながら、私の身体に傷などがついていないかも見ていらっしゃるみたいで――。
「ココ、結構無理させたし……怪我してないか診察してもいい?」
以前、次にお医者様にかかるようなことがあったら、自分に診察させて欲しいと言われたことがある。
けれど、それは風邪とかひいた時の話だと思っていて。
だって奏芽さんは小児科医だし、よもや診察するにしても内科のほうだと思うじゃない。
でも、いま奏芽さんが「診たい」と言っているのはそっちの方面ではなくて……どう考えても婦人科の領域だと思うの。
「かな、め、さんはっ、産婦人科医じゃ……ないです、よねっ?」
必死に膝を閉じながらそう言ったら、「何? じゃあ産婦人科医だったらOKなわけ?」とどこか不服そうで。
「俺の先輩に産婦人科医がひとりいるけど……凜子をあの人に診せるのは俺、絶対イヤなんだけど?」
具体的に誰かを想像なさっているのか、奏芽さんがすごく不機嫌なお顔をなさる。
「わ、私だって……奏芽さんのお知り合いの方はちょっと」
診て頂くなら見知らぬ女医さんか、年配のおじいちゃん先生がいい。出来れば若い男性は知らない先生でも避けたいと思ってしまう。
思わず真面目にそう返してみたものの、よく考えてみたら、いま話してるのはそういうお話じゃないですよねっ!?
ソワソワと奏芽さんの顔から視線を外した私の頬にそっと手をかけると、奏芽さんが瞳を覗き込んでくる。
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それになんてお答えしたらいいのか分からなくて戸惑っていたら、頬に触れていた指先で唇を割り開かされて。
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口付けを解くと同時、口の端を濡らした唾液を親指の腹で軽く拭ってくださってから、奏芽さんがそう言ってニヤリと笑うの。
ずるいよ、奏芽さん。
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と復唱して。
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「キスマーク。凜子の綺麗な肌にたくさん残したい」
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奏芽さんは私の肌に小さな赤い鬱血の痕を散りばめながら、私の身体に傷などがついていないかも見ていらっしゃるみたいで――。
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けれど、それは風邪とかひいた時の話だと思っていて。
だって奏芽さんは小児科医だし、よもや診察するにしても内科のほうだと思うじゃない。
でも、いま奏芽さんが「診たい」と言っているのはそっちの方面ではなくて……どう考えても婦人科の領域だと思うの。
「かな、め、さんはっ、産婦人科医じゃ……ないです、よねっ?」
必死に膝を閉じながらそう言ったら、「何? じゃあ産婦人科医だったらOKなわけ?」とどこか不服そうで。
「俺の先輩に産婦人科医がひとりいるけど……凜子をあの人に診せるのは俺、絶対イヤなんだけど?」
具体的に誰かを想像なさっているのか、奏芽さんがすごく不機嫌なお顔をなさる。
「わ、私だって……奏芽さんのお知り合いの方はちょっと」
診て頂くなら見知らぬ女医さんか、年配のおじいちゃん先生がいい。出来れば若い男性は知らない先生でも避けたいと思ってしまう。
思わず真面目にそう返してみたものの、よく考えてみたら、いま話してるのはそういうお話じゃないですよねっ!?
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