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*俺に診察させて?

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 お風呂は私が酔っていても入りたいと切望した、あの底面が色んな色に光るジャグジー付き浴槽。

 奏芽かなめさんがちゃんとスイッチを入れてくださっていて、お湯の中がほんのりカラフルに色めいていて。

 ついでに私の恥ずかしさを緩和するためか、備え付けの薔薇の香りの泡入浴剤も投入してくださっていたから、お湯に浸かってしまえばお互いの身体はほぼ見えなくなるのも有り難かった。

 なのに。


「あ、あのっ、奏芽さんっ、やんっ――」

 シャワーで身体を洗い流してから、いそいそと湯船に逃げ込んだ私を、まるで逃さないとでも言うみたいに奏芽さんが後ろからギュッと抱きかかえてきて。

 泡で見えないのが逆にあだになって、奏芽さんが水中で私のどこにれようとしているのか、実際にさわられるまで分からない。

 それが余計に感度を高めるみたいで、さっきから私、お湯の中でゾクゾクさせられっぱなしで。

 ゆるゆると腰のラインを撫でていた奏芽さんの手が、不意に胸に伸びてきて、背後から大きな手のひらで包み込むように膨らみ全体が覆われる。

 なのに巧みに1番敏感な先端はわざと避けるように指の間から逃されて、もどかしくさに身体が震えてしまう。

凜子りんこ、気付いてる? さっきからずっと腰動いてる」

 笑みを含んだ声音でそう背後からささやかれて、胸を離れた指先が、お湯に濡れた私の髪の毛を耳に掛けて首筋をあらわにする。
 そのまま耳朶じだむように「ね、凜子。どこに触れられたいか、素直に言ってみ?」と、言葉とは裏腹にどこか強請ねだるような甘えた声を落とすの。

「っ、――ぜっ、たい、無、理ですっ」

 そんな恥ずかしいこと、自分から言えるわけない。

 それが分かっているくせに、意地悪をしてくる奏芽かなめさんが、憎らしくて堪らない。


 さっき、奏芽さんにベッドで高みへ昇らされた身体は、ほんの少しの刺激でも簡単に反応してしまって。
 しかも、その先のさらに大きな波を知っているから、貪欲にそれを求めてしまう。


「凜子から言えないなら、俺がしたいようにしていい?」

 低い声音でそう問いかけられた私は、その言葉にすがり付くみたいに小さく何度もうなずいた。

「はい、それでいいですからっ」

 ……お願い、もう、意地悪しないでっ?


「了解。――けどさ、自分で言えないんだから……俺の要求にイヤとか言いっこなしな?」

 でも、その直後、どこか含みを感じさせる低音ボイスで「守れるよな?」と念押しされた私は「え?」と彼を振り返って――。
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