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結局しばらく休んでもなかなか動けるように――というか歩けるようになれなくて……。
脚の間にいつまでも奏芽さんを受け入れたままのような感覚が残っています、だなんて……恥ずかしくて言えないっ。
そうこうしているうちに、
「そろそろ、頃合いかな。行こうか」
って奏芽さんが言って。
こ、頃合いって何がだろう? それに。
「……い、行くって……どこへです、か?」
げ、現状で歩くのはすっごく難しいです、と思ってオロオロしたら、「風呂」とか。
え!?
「あ、あのっ。いつの間にそんな話になってしまったのでしょう?」
どうしよう!?って布団を引き上げるようにして潜り込んだら、そのまま布団で包まれて抱き上げられてしまう。
「さっき。――落ち着いたら一緒に風呂入ろうな?って誘ったら、凜子、うなずいたぞ? そろそろ湯も溜まった頃だと思うし……入ろうぜ?」
ミノムシ状態の私をお姫様抱っこしたまま奏芽さんがニヤリと笑って、私は布団をギュッと握り締めて真っ赤になる。
「そっ、そんなことっ」
「ありましたよ、凜子さん」
記憶にないですと言おうとしたら、まるでそれは許さないと言う風に即座に言葉を半ばでさらわれた。
「うーーー」
うなってみたけれど、ククッと喉の奥で楽しそうに笑われただけで、流されてしまう。
あーん、奏芽さん、手強い!
脱衣所に入るなり、そっと床に降ろされた私は思いのほか足に力が入らなくてふらついてしまう。
「ひゃっ」
小さく悲鳴をあげてよろめいた私を、奏芽さんがギュッと支えてくださって。
その弾みに包まっていた布団がはらりと身体からほどけてしまった。
「あ……っ」
小さくつぶやいて布団に手を伸ばそうとしたら、役立たずの足が私を支えきれずにその場に崩折れそうになる。
「危ねっ」
奏芽さんがギュッと力を込めて私の身体を抱きしめてくださって転倒はしなかったものの、肌が密着しまくって照れてしまう。
「どうせ風呂には持って入れねぇんだし、もうこのままでいいだろ?」
奏芽さんが私のおさげをくるくると指先に絡めながら喉の奥で楽しそうに笑っていらして。
行儀悪くも布団を巻きつけたまま浴槽まで入りたいぐらいの勢いだった私としては「はい、そうですね」とはいかないのです、奏芽さんっ。
「せ、せめてタオルをっ」
脱衣所の棚に畳まれたまっさらなバスタオルに視線を投げ掛けて言えば、「ダァ~メ!」と笑いながら却下されてしまった。
脚の間にいつまでも奏芽さんを受け入れたままのような感覚が残っています、だなんて……恥ずかしくて言えないっ。
そうこうしているうちに、
「そろそろ、頃合いかな。行こうか」
って奏芽さんが言って。
こ、頃合いって何がだろう? それに。
「……い、行くって……どこへです、か?」
げ、現状で歩くのはすっごく難しいです、と思ってオロオロしたら、「風呂」とか。
え!?
「あ、あのっ。いつの間にそんな話になってしまったのでしょう?」
どうしよう!?って布団を引き上げるようにして潜り込んだら、そのまま布団で包まれて抱き上げられてしまう。
「さっき。――落ち着いたら一緒に風呂入ろうな?って誘ったら、凜子、うなずいたぞ? そろそろ湯も溜まった頃だと思うし……入ろうぜ?」
ミノムシ状態の私をお姫様抱っこしたまま奏芽さんがニヤリと笑って、私は布団をギュッと握り締めて真っ赤になる。
「そっ、そんなことっ」
「ありましたよ、凜子さん」
記憶にないですと言おうとしたら、まるでそれは許さないと言う風に即座に言葉を半ばでさらわれた。
「うーーー」
うなってみたけれど、ククッと喉の奥で楽しそうに笑われただけで、流されてしまう。
あーん、奏芽さん、手強い!
脱衣所に入るなり、そっと床に降ろされた私は思いのほか足に力が入らなくてふらついてしまう。
「ひゃっ」
小さく悲鳴をあげてよろめいた私を、奏芽さんがギュッと支えてくださって。
その弾みに包まっていた布団がはらりと身体からほどけてしまった。
「あ……っ」
小さくつぶやいて布団に手を伸ばそうとしたら、役立たずの足が私を支えきれずにその場に崩折れそうになる。
「危ねっ」
奏芽さんがギュッと力を込めて私の身体を抱きしめてくださって転倒はしなかったものの、肌が密着しまくって照れてしまう。
「どうせ風呂には持って入れねぇんだし、もうこのままでいいだろ?」
奏芽さんが私のおさげをくるくると指先に絡めながら喉の奥で楽しそうに笑っていらして。
行儀悪くも布団を巻きつけたまま浴槽まで入りたいぐらいの勢いだった私としては「はい、そうですね」とはいかないのです、奏芽さんっ。
「せ、せめてタオルをっ」
脱衣所の棚に畳まれたまっさらなバスタオルに視線を投げ掛けて言えば、「ダァ~メ!」と笑いながら却下されてしまった。
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