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*初めてをあなたに
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見知らぬ男性全てが怖くて堪らないとか……。
世の中の半分は男性なんだから、彼らを避けて生活することなんて土台無理な話なのに、私、無意識にそんな環境を求めてしまっている。
もしかしたら私がひとりで出歩けなくなってしまった理由はそれだけじゃないかもしれないけれど……。
でも、そこが1番のネックなんじゃないかと、過去の奏芽さんに触れられる夢を見て気付かされたの。
例えそれが手前勝手な強引さだとしても……奏芽さんが相手なら構わないって思えた所以。
それは、私を押さえつけたのが〝奏芽さんだから〟に他ならない。
他の人には許せないことも、奏芽さんになら私、呆気なく許せてしまう。
私にとって奏芽さんは〝特別な人〟なんだ。
***
「お願い。奏芽さん。私の不安を――。なくして……?」
全てを話したわけではなかったけれど、奏芽さんにはちゃんと伝わったみたい。
彼は「分かった」って短くひとこと言うと、すぐさま私にキスをしてきた。
1度目のキスで濡れた私の唇に光る唾液を舌で舐め上げるようにしてから、奏芽さんがもう1度音を立てて私の下唇を強く吸い上げる。
その扇情的なキスにうっとり身を委ねていたら、私の中に沈められたままの指がグッ、と奥まで挿入りこんできて。
そのことに意識を集中させたくないみたいに、乳房ごと揉みしだくように膨らみをもてあそんでいた手のひらが、胸の尖りをギュッとつまんだ。
「あ、ぁっ……」
それだけでも堪らないのに、下腹部でいやらしく充血した敏感な突起まで内部の抽挿に合わせて指の腹で押しつぶすようにこねられた私は、キスで唇を塞がれているにも関わらず思わず声を漏らした。
瞬間、奏芽さんの指を飲み込んだままの入り口からお尻に向かって熱い蜜が伝い落ちたのが分かった。
「やっ……」
それが恥ずかしくてそちらに意識をさらわれかけたら、まるでそれを許さないみたいに奏芽さんの舌が私の口中深くに伸ばされてきて。
口の中を余すところなく舐り上げてくるの。
「ん、……んっ――」
余りに貪欲に蠢く奏芽さんの舌に、私の舌は本能的に危険を察知したみたいに怖気付いて逃げ惑ってしまう。
それを逃がさないとばかりに追い上げられるうち、口の端を嚥下しきれない唾液が伝って。
酸欠に朦朧とし始めた意識の中、
「凜子、指、増やすぞ」
唇を開放してくださった奏芽さんの、ゾクリとするような低音ボイスが甘く耳朶に響いた。
世の中の半分は男性なんだから、彼らを避けて生活することなんて土台無理な話なのに、私、無意識にそんな環境を求めてしまっている。
もしかしたら私がひとりで出歩けなくなってしまった理由はそれだけじゃないかもしれないけれど……。
でも、そこが1番のネックなんじゃないかと、過去の奏芽さんに触れられる夢を見て気付かされたの。
例えそれが手前勝手な強引さだとしても……奏芽さんが相手なら構わないって思えた所以。
それは、私を押さえつけたのが〝奏芽さんだから〟に他ならない。
他の人には許せないことも、奏芽さんになら私、呆気なく許せてしまう。
私にとって奏芽さんは〝特別な人〟なんだ。
***
「お願い。奏芽さん。私の不安を――。なくして……?」
全てを話したわけではなかったけれど、奏芽さんにはちゃんと伝わったみたい。
彼は「分かった」って短くひとこと言うと、すぐさま私にキスをしてきた。
1度目のキスで濡れた私の唇に光る唾液を舌で舐め上げるようにしてから、奏芽さんがもう1度音を立てて私の下唇を強く吸い上げる。
その扇情的なキスにうっとり身を委ねていたら、私の中に沈められたままの指がグッ、と奥まで挿入りこんできて。
そのことに意識を集中させたくないみたいに、乳房ごと揉みしだくように膨らみをもてあそんでいた手のひらが、胸の尖りをギュッとつまんだ。
「あ、ぁっ……」
それだけでも堪らないのに、下腹部でいやらしく充血した敏感な突起まで内部の抽挿に合わせて指の腹で押しつぶすようにこねられた私は、キスで唇を塞がれているにも関わらず思わず声を漏らした。
瞬間、奏芽さんの指を飲み込んだままの入り口からお尻に向かって熱い蜜が伝い落ちたのが分かった。
「やっ……」
それが恥ずかしくてそちらに意識をさらわれかけたら、まるでそれを許さないみたいに奏芽さんの舌が私の口中深くに伸ばされてきて。
口の中を余すところなく舐り上げてくるの。
「ん、……んっ――」
余りに貪欲に蠢く奏芽さんの舌に、私の舌は本能的に危険を察知したみたいに怖気付いて逃げ惑ってしまう。
それを逃がさないとばかりに追い上げられるうち、口の端を嚥下しきれない唾液が伝って。
酸欠に朦朧とし始めた意識の中、
「凜子、指、増やすぞ」
唇を開放してくださった奏芽さんの、ゾクリとするような低音ボイスが甘く耳朶に響いた。
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