【完結】【R18】私のおさげをほどかないで!

鷹槻れん(鷹槻うなの)

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私、どうしようもなく奏芽さんが

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「……奏芽かなめさんは……やっぱりエスパーか何かみたいです。――私、いま、のぶちゃんと……。えっと、幼なじみの彼と……ちゃんと話してからでないと、奏芽かなめさんとのことにも向き合えないなって……そんなことを思ってました」

 今までは、ただ漠然と「また連絡するね」と言ってくれたのぶちゃんからのコンタクトを待てばいいと思っていたのだけれど、自分のことなのにそんな受け身でいいのかな?って……。自分から動かないとダメなんじゃないかな?と思ってしまって。

 ただ単に、自分の中で結論が出てしまったから、のぶちゃんに少しでも早くそれを伝えたくて堪らないだけなのかも知れない。
 のぶちゃん側の気持ちの整理なんてお構いなしに、自分本位に動こうとしているに過ぎないんだと言うのも分かってるつもり。

 でも、私がノブちゃんに伝えたい言葉は、それが遅くても早くても、きっと彼を傷つけるから。

 だったら、いっそ早く終わらせたいとも思ってしまって。

***

凜子りんこがさ、何を考えてるのか……俺、なんとなく分かるんだけど。頼むから無茶だけはしてくれるなよ?」

 黙り込んで考え事に没頭してしまった私の手をそっと握ると、奏芽さんが心配そうに眉根を寄せる。

「まだ凜子りんこの彼氏でも何でもねぇ俺が……こんなこと言える立場じゃないのは分かってっけど……。――とりあえず何かする時は連絡くれるか?」

 いつも自信満々に命令口調で話す奏芽かなめさんが、どこか弱気な調子で歯切れ悪く私にそうお願いをしてくるのが新鮮で逆に落ち着かない。

 常のように、まるで指図するみたいに「連絡して来い」って言われたんだったら、「そうですね、気が向いたら」とか突き放した返しが出来るのに。

 今回は違ったから……。

 私は小さくうなずくので精一杯だったの。

***

「で、着替えどうする?」

 再度問いかけられて、私は結局一旦家に帰宅してから着替えさせてもらいたい、とお願いした。

 その段になって、「分かった。――で、家どこ?」と聞かれてハッとする。

 奏芽かなめさんとはいつもバイト先のコンビニで会ったり、道端で会ったり……生活圏内のどこかでたまたま居合わせる形で出会うことばかりだった。

 大学こそ、どこに通っているのかバレてしまったけれど、アパートはまだ知られていないんだった。

 家に連れて帰ってもらうってことは、どこに住んでいるのか奏芽さんに明かすということで。
 そんな単純なことを、私、すっかり失念していたの。

「あ……」

 今更、やっぱりこのままでいいです、と言うのもおかしいし……かといってお付き合いもまだなのに家まで送っていただくのも何か違う気がして――。
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