117 / 169
(19)もう待てねぇよ*
意地悪
しおりを挟む
「なぁ日和美。感じてんの、俺にバレるの、イヤ?」
今自分からはぎ取ったばかりの下着を手にしたままの信武から、挑むような視線を伴ってそう問い掛けられた日和美は、わざわざそんなことを聞いてくる信武のことが憎らしくなってキッと彼を睨みつける。
「か、感じてなんかっ」
「下着がこんなに濡れてんのに?」
別にクロッチ部を見せつけられたわけではないし、どの辺りがどう濡れていると言われたわけでもない。
だけど、恐らく秘部に触れていた箇所がぐっしょりと濡れているであろうショーツを手放さないままに告げられた言葉は、日和美を追い詰めた。
服やストッキングやブラジャーなんかは日和美から脱がせるなり即座にベッド下へ落としたくせに。
信武がショーツに関してのみそうしなかったのが、日和美にはとても意地悪に思えた。
「信武さんはすっごくすっごく意地悪です!」
もう脱ぐものなんて何もない。
一糸まとわぬ姿だと言うのも手伝って、日和美はこれ以上酷いことはされないはずだと油断し切っていた。
なのに――。
「日和美、すっぽんぽんになっちまったからって気ぃ抜き過ぎじゃね?」
その通りだったのでグッと言葉に詰まった日和美だ。
「だ、だって……その通りじゃないですかっ。し、信武さんはもう十分満足でしょう? 私だけ丸裸にして自分だけ服着てるし。あ、貴方だけ恥ずかしい思いをしてないとか……物凄く不公平ですっ!」
その言葉に深い意味なんてなかった。
言うなれば売り言葉に買い言葉。
自分だけ裸で、信武はしっかりと服を着込んでいる現状が、たまらなく恥ずかしいと思ったからそう言ってしまっただけ。
なのに。
「あー、そっか。日和美ちゃんはそんなに俺の裸が見たかったのか。気付かなくて悪かったな」
目を細めてククッと笑う信武はとても嬉しそうで、日和美はその笑顔に何故だかゾクリとさせられる。
きっと信武は服を脱ぐことなんて何とも思っていない。
今自分からはぎ取ったばかりの下着を手にしたままの信武から、挑むような視線を伴ってそう問い掛けられた日和美は、わざわざそんなことを聞いてくる信武のことが憎らしくなってキッと彼を睨みつける。
「か、感じてなんかっ」
「下着がこんなに濡れてんのに?」
別にクロッチ部を見せつけられたわけではないし、どの辺りがどう濡れていると言われたわけでもない。
だけど、恐らく秘部に触れていた箇所がぐっしょりと濡れているであろうショーツを手放さないままに告げられた言葉は、日和美を追い詰めた。
服やストッキングやブラジャーなんかは日和美から脱がせるなり即座にベッド下へ落としたくせに。
信武がショーツに関してのみそうしなかったのが、日和美にはとても意地悪に思えた。
「信武さんはすっごくすっごく意地悪です!」
もう脱ぐものなんて何もない。
一糸まとわぬ姿だと言うのも手伝って、日和美はこれ以上酷いことはされないはずだと油断し切っていた。
なのに――。
「日和美、すっぽんぽんになっちまったからって気ぃ抜き過ぎじゃね?」
その通りだったのでグッと言葉に詰まった日和美だ。
「だ、だって……その通りじゃないですかっ。し、信武さんはもう十分満足でしょう? 私だけ丸裸にして自分だけ服着てるし。あ、貴方だけ恥ずかしい思いをしてないとか……物凄く不公平ですっ!」
その言葉に深い意味なんてなかった。
言うなれば売り言葉に買い言葉。
自分だけ裸で、信武はしっかりと服を着込んでいる現状が、たまらなく恥ずかしいと思ったからそう言ってしまっただけ。
なのに。
「あー、そっか。日和美ちゃんはそんなに俺の裸が見たかったのか。気付かなくて悪かったな」
目を細めてククッと笑う信武はとても嬉しそうで、日和美はその笑顔に何故だかゾクリとさせられる。
きっと信武は服を脱ぐことなんて何とも思っていない。
0
お気に入りに追加
37
あなたにおすすめの小説
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~
吉沢 月見
恋愛
ひたすら妻を溺愛する夫は50歳の仕事人間の服飾デザイナー、新妻は23歳元モデル。
結婚をして、毎日一緒にいるから、君を愛して君に愛されることが本当に嬉しい。
何もできない妻に料理を教え、君からは愛を教わる。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ウブな政略妻は、ケダモノ御曹司の執愛に堕とされる
Adria
恋愛
旧題:紳士だと思っていた初恋の人は私への恋心を拗らせた執着系ドSなケダモノでした
ある日、父から持ちかけられた政略結婚の相手は、学生時代からずっと好きだった初恋の人だった。
でも彼は来る縁談の全てを断っている。初恋を実らせたい私は副社長である彼の秘書として働くことを決めた。けれど、何の進展もない日々が過ぎていく。だが、ある日会社に忘れ物をして、それを取りに会社に戻ったことから私たちの関係は急速に変わっていった。
彼を知れば知るほどに、彼が私への恋心を拗らせていることを知って戸惑う反面嬉しさもあり、私への執着を隠さない彼のペースに翻弄されていく……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる