71 / 169
(14)その女性は誰ですか?
日和美にだっていじれる
しおりを挟む
それに日和美が「ん?」と小首を傾げたら、「Webpediaは誰でもいじれるのよ?」と苦笑された。
日和美は多賀谷のセリフに心底驚いて、「嘘……」と声を漏らす。
「あ、あのっ、ウェブペの情報って……そんな簡単に誰でも彼でもいじれちゃうものなんですか!?」
興奮のあまり多賀谷の方へ身を乗り出したら、「……いや、だってあれ。誰でも自由に閲覧・執筆・編集できるっていうのが売りの、ネット上のフリー百科事典だもん。あそこに載ってる情報の編集って、世界中のボランティアたちが好きでしてるんだよ?」とさらりと返された。
「好きで……」
「山中さんだって自分に造詣が深い記事、自由にいじったり新しい項目を追加したり出来るのよ?」
そのままニコッと微笑み掛けられて、普段からウェブペをよく閲覧利用している日和美は大いに驚いた。
今までは見る専門で、自分で何かを発信してみたいだなんて思ったことは一度もなかったから。
「例えば……だけど。好きな作家さんの情報を自分が作っていけるのって、何だか優越感じゃない?」
言われて、確かに!と思った日和美だ。
萌風もふ先生の新刊情報とか、誰よりも早く日和美がウェブペに挙げられたら、最高ではないか。
日和美はちょっと前に「作者の体調不良」を理由にほんの少し発売が延期になってしまった萌風もふ先生初の現代ものになる予定の新刊に想いを馳せた。
(あれの情報、本を読んだら私が一番乗りでウェブペに載せちゃいたい!)
そこまで考えて、そういえば、と思う。
今月は不破(というか信武?)のことでバタバタしていて、まだ萌風もふ先生にファンレターを書けていなかった。
彼女のデビュー当時から、毎月ずっと欠かさず送り続けてきたファンレターだ。
どこかで時間を取って書かなきゃ、と思う。
萌風もふ先生が体調不良とあれば尚更。何か元気になれそうなプレゼントを添えて、ファンの務めを果たさなければ――。
幸い今夜は信武の帰りが遅くなるみたいだし、好都合ではないか。
日和美は、今朝出がけにあった、信武とのやりとりにふわりと思考を飛ばした。
日和美は多賀谷のセリフに心底驚いて、「嘘……」と声を漏らす。
「あ、あのっ、ウェブペの情報って……そんな簡単に誰でも彼でもいじれちゃうものなんですか!?」
興奮のあまり多賀谷の方へ身を乗り出したら、「……いや、だってあれ。誰でも自由に閲覧・執筆・編集できるっていうのが売りの、ネット上のフリー百科事典だもん。あそこに載ってる情報の編集って、世界中のボランティアたちが好きでしてるんだよ?」とさらりと返された。
「好きで……」
「山中さんだって自分に造詣が深い記事、自由にいじったり新しい項目を追加したり出来るのよ?」
そのままニコッと微笑み掛けられて、普段からウェブペをよく閲覧利用している日和美は大いに驚いた。
今までは見る専門で、自分で何かを発信してみたいだなんて思ったことは一度もなかったから。
「例えば……だけど。好きな作家さんの情報を自分が作っていけるのって、何だか優越感じゃない?」
言われて、確かに!と思った日和美だ。
萌風もふ先生の新刊情報とか、誰よりも早く日和美がウェブペに挙げられたら、最高ではないか。
日和美はちょっと前に「作者の体調不良」を理由にほんの少し発売が延期になってしまった萌風もふ先生初の現代ものになる予定の新刊に想いを馳せた。
(あれの情報、本を読んだら私が一番乗りでウェブペに載せちゃいたい!)
そこまで考えて、そういえば、と思う。
今月は不破(というか信武?)のことでバタバタしていて、まだ萌風もふ先生にファンレターを書けていなかった。
彼女のデビュー当時から、毎月ずっと欠かさず送り続けてきたファンレターだ。
どこかで時間を取って書かなきゃ、と思う。
萌風もふ先生が体調不良とあれば尚更。何か元気になれそうなプレゼントを添えて、ファンの務めを果たさなければ――。
幸い今夜は信武の帰りが遅くなるみたいだし、好都合ではないか。
日和美は、今朝出がけにあった、信武とのやりとりにふわりと思考を飛ばした。
0
お気に入りに追加
37
あなたにおすすめの小説
隠れドS上司をうっかり襲ったら、独占愛で縛られました
加地アヤメ
恋愛
商品企画部で働く三十歳の春陽は、周囲の怒涛の結婚ラッシュに財布と心を痛める日々。結婚相手どころか何年も恋人すらいない自分は、このまま一生独り身かも――と盛大に凹んでいたある日、酔った勢いでクールな上司・千木良を押し倒してしまった!? 幸か不幸か何も覚えていない春陽に、全てなかったことにしてくれた千木良。だけど、不意打ちのように甘やかしてくる彼の思わせぶりな言動に、どうしようもなく心と体が疼いてしまい……。「どうやら私は、かなり独占欲が強い、嫉妬深い男のようだよ」クールな隠れドS上司をうっかりその気にさせてしまったアラサー女子の、甘すぎる受難!

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
お見合いから始まる冷徹社長からの甘い執愛 〜政略結婚なのに毎日熱烈に追いかけられてます〜
Adria
恋愛
仕事ばかりをしている娘の将来を案じた両親に泣かれて、うっかり頷いてしまった瑞希はお見合いに行かなければならなくなった。
渋々お見合いの席に行くと、そこにいたのは瑞希の勤め先の社長だった!?
合理的で無駄が嫌いという噂がある冷徹社長を前にして、瑞希は「冗談じゃない!」と、その場から逃亡――
だが、ひょんなことから彼に瑞希が自社の社員であることがバレてしまうと、彼は結婚前提の同棲を迫ってくる。
「君の未来をくれないか?」と求愛してくる彼の強引さに翻弄されながらも、瑞希は次第に溺れていき……
《エブリスタ、ムーン、ベリカフェにも投稿しています》
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる