【完結】【R18】溺愛もふもふ甘恋同居〜記憶喪失な彼のナイショゴト〜

鷹槻れん(鷹槻うなの)

文字の大きさ
上 下
58 / 169
(12)意識しないなんて無理!*

これ、絶対マズイやつ!

しおりを挟む
 ほんのちょっと身体を動かしただけなのに、乳首からビリッと電気が走るみたいな快感に全身を侵されて、日和美ひなみは懸命に口を押さえながらその感覚に耐える。

(……もぉ、ヤ、ぁッ……、んっ。……いっそのこ、とガバッと飛び起きて、現、状……を打破っ、した方がい、ぃんじゃない、のっ?)

 頭の中で考えている思考ですら、敏感になり過ぎた身体のせいで途切れ途切れ。

 息も絶え絶えな日和美は、トロリと下着を濡らす状況に涙目になった。

 全くの一人ならば濡れた下着を取り換えるのだって問題ないはずだ。
 でも、今ここには信武しのぶがいるわけで――。

 朝っぱらからパンツを履き替えたことに気付かれたりしたら、何を言われるか分かったもんじゃない。

 不破ふわ同衾どうきんしてしまった時ですらこんなことにはならなかったのに。

(全部全部胸に手なんて置いている信武さんのせいだ!)

 そう思って意識すれば、お尻の辺りにが当たっている気もするし。

 それが、男性にはどうしようもない朝の生理現象だと頭では理解できていても、身体が勝手に良からぬことを考えてしまう。

 背後の男とを致す気がない身としては、本当に最悪な状況だ。

(うー。絶対絶対、三、二、一で飛、び起き、……る!)

 日和美がそう決心をして心の中で三、二……とカウントダウンを開始したと同時。

 信武しのぶが「んっ」と小さく吐息を漏らして日和美の胸に添えた手をムニムニと動かした。

 きっとそれは無意識の行動なのだろうけれど、やられた日和美ひなみとしては故意かそうでないかなんて関係なくて。

「ひ、あぁっ……!」

 ビクッと身体を跳ねさせてあろうことか信武の腕の中。
 朝っぱらからかされてしまった。

 びくびくと小刻みに震える身体を、自分ではどうすることも出来なくて、ただただ快感の波が通り過ぎるのを待つしかない。

(お願い、気付かないでっ)

 もうこうなったらそれをひたすら願うしかない日和美だったのだけれど――。

「……日和美?」

 神様はどうあったって日和美に意地悪みたいだ。

 声と同時、スリリ……ッと今度こそ明確な意思を持って胸のたかぶりを指の腹で転がされた日和美は、痛いくらい敏感になり過ぎたそこへの刺激に、恥ずかしいくらい身体を跳ねさせた。

(ダメ、ダメ! これ、絶対マズイやつ!)

 涙目になりながら身体を縮こまらせて、日和美は懸命に胸に伸びたままの信武の手を引き剥がして。

「ごめ、なさっ」

 勝手に信武の手で気持ちよくなってしまったことに罪悪感を覚えまくりの日和美だ。

 恥ずかしくて信武の方を見られない。

「――な、んで」

「――え?」

「何で日和美が謝んだよ。わりいのは勝手にお前の身体に触れてた俺だろーが」

 言うなり後ろからギュウッと抱きすくめられた日和美は、お尻に当たる固い感触にドキドキしながら緊張でカチンコチンになる。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。

すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。 そこで私は一人の男の人と出会う。 「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」 そんな言葉をかけてきた彼。 でも私には秘密があった。 「キミ・・・目が・・?」 「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」 ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。 「お願いだから俺を好きになって・・・。」 その言葉を聞いてお付き合いが始まる。 「やぁぁっ・・!」 「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」 激しくなっていく夜の生活。 私の身はもつの!? ※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 では、お楽しみください。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

エリート警察官の溺愛は甘く切ない

日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。 両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

社長室の蜜月

ゆる
恋愛
内容紹介: 若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。 一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。 仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。

身体の繋がりしかない関係

詩織
恋愛
会社の飲み会の帰り、たまたま同じ帰りが方向だった3つ年下の後輩。 その後勢いで身体の関係になった。

処理中です...