【完結】【R18】オトメは温和に愛されたい

鷹槻れん(鷹槻うなの)

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■ ねぇ、お兄ちゃん、教えて?オマケ的SS 13

教えて欲しいことがあるの2

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「実は私、今ちょっと風邪気味なんだけど……温和はるまさが過保護なくらい心配しちゃって……病院に行けってうるさいの」

 まぁ、そりゃあ温和はるまさの言うことも分からなくはねぇな。

 俺だって身重の音芽おとめが風邪だと聞いたら、「とりあえず診てもらって来い」と言いたくなる。



「行けばいいだろ。ん? それとも何? 音芽ちゃんはもしかしてに診てもらいたいの?」

 わざと「俺」と言わずに「お兄ちゃん」と意地悪く言ってククッと笑ったら、電話口で音芽が「そんなわけないでしょ!」とムキになる。

 ホントこういうところ、うちの妹は進歩しねぇな。

 そこが可愛くもあるんだけど。



「じゃあさ、何?」

 改めて仕切り直したら、モゴモゴと歯切れ悪く口ごもるんだ。


「早く用件言わねぇと、俺、昼飯食いそびれちまうんだけど?」

 まだ午後の診察開始まで数十分ゆとりがあるのを分かっていて、わざとそう言って急かしたら、音芽が恐る恐ると言った調子で口を開いた。


「診察って……患者さんが女性の場合、服とかまくり上げて聴診器当てたりしない、よね?」

 言ってから、すぐさま俺が分からなかったらと思ったのか、

「ふ、服の中に聴診器を差し込むようにして胸の音とか聞く……ものって認識で……合ってる?」

 と言い直してくる。


 ん?
 何だそれ。

 今までだってお前、内科受診したことないわけじゃねえだろ。
 妊婦だから受診するなら世話になってる産婦人科だろうが、どこでもあんまり大差ないはずだぞ?


 そう思ってから、俺は「ああ」と思いいたる。


心配せずに行って来い」

 太鼓判を押すように言ったら、音芽おとめがホッとしたように吐息を落としたのが分かった。

「……有難う。お兄ちゃん」

 ややして、素直に礼を言って電話を切った妹の態度がやたら可愛くて……。


 俺はそんな妹を不安にさせる幼なじみを取っ捕まえて、釘を刺してやんねぇとな、って思った。
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