364 / 409
■ ねぇ、お兄ちゃん、教えて?オマケ的SS 13
教えて欲しいことがあるの1
しおりを挟む
『お兄ちゃん、教えて欲しいことがあるの。時間ができたら電話ください』
午前中の診察を終えてかなり遅い昼休み。
ふとロッカーに仕舞い込んでいた携帯を取り出してみると、2つ下の妹から、そんなメッセージが入っていた。
別に夜でも構うまいに、わざわざこんな連絡を真っ昼間に寄越すってことは、温和に聞かれたくない内容ってことか?
そう思いながら、もう一度文面に視線を落とした俺は、何となく口の端がやんわりとほころびそうになる。
幼なじみの温和と結婚してからこっち、妹の音芽は俺のことを「カナ兄」ではなく「お兄ちゃん」と呼ぶことが増えた。
それは俺がずっと妹から呼ばれたいと思っていた呼び名に他ならなかったから。
そう呼んでくれることを、俺は結構嬉しく感じていたりする。
が、それは同時にアイツにとって、もうひとりの兄貴的存在だった温和が、兄ではなくなったことも意味しているんだと思うと、少し複雑な気持ちもするんだ。
俺にとっちゃ、たった1人の可愛い妹だからな。
まぁ「お兄ちゃん」としては色々複雑なわけよ。
***
「メール見たぞ。――どした?」
音芽は今、第一子を妊娠中だ。
前に会った時、だいぶ腹が目立つようになっていたけれど、もともと小柄な方だからか、他所の同じくらいの月齢数の母親たちよりかなりしんどそうに見えて。
内心そわそわしたのを思い出す。
その、腹の子のことで何か心配事でもあるんだろうか。
俺は小児科医希望で、実際今も小児科で後期研修中の身だから、妊婦のことはどうこうしてやれねぇ。
けど、まぁ初期研修時代は産婦人科の方も経験しているから全く分からないわけでもなし。
特に産科と小児科とは切っても切り離せない科だから、俺に答えられることで音芽が安心できるならと、とりあえず話を聞いてやることにした。
ハルのいない時間帯を狙ったようにわざわざ連絡してきたことも気になるしな。
午前中の診察を終えてかなり遅い昼休み。
ふとロッカーに仕舞い込んでいた携帯を取り出してみると、2つ下の妹から、そんなメッセージが入っていた。
別に夜でも構うまいに、わざわざこんな連絡を真っ昼間に寄越すってことは、温和に聞かれたくない内容ってことか?
そう思いながら、もう一度文面に視線を落とした俺は、何となく口の端がやんわりとほころびそうになる。
幼なじみの温和と結婚してからこっち、妹の音芽は俺のことを「カナ兄」ではなく「お兄ちゃん」と呼ぶことが増えた。
それは俺がずっと妹から呼ばれたいと思っていた呼び名に他ならなかったから。
そう呼んでくれることを、俺は結構嬉しく感じていたりする。
が、それは同時にアイツにとって、もうひとりの兄貴的存在だった温和が、兄ではなくなったことも意味しているんだと思うと、少し複雑な気持ちもするんだ。
俺にとっちゃ、たった1人の可愛い妹だからな。
まぁ「お兄ちゃん」としては色々複雑なわけよ。
***
「メール見たぞ。――どした?」
音芽は今、第一子を妊娠中だ。
前に会った時、だいぶ腹が目立つようになっていたけれど、もともと小柄な方だからか、他所の同じくらいの月齢数の母親たちよりかなりしんどそうに見えて。
内心そわそわしたのを思い出す。
その、腹の子のことで何か心配事でもあるんだろうか。
俺は小児科医希望で、実際今も小児科で後期研修中の身だから、妊婦のことはどうこうしてやれねぇ。
けど、まぁ初期研修時代は産婦人科の方も経験しているから全く分からないわけでもなし。
特に産科と小児科とは切っても切り離せない科だから、俺に答えられることで音芽が安心できるならと、とりあえず話を聞いてやることにした。
ハルのいない時間帯を狙ったようにわざわざ連絡してきたことも気になるしな。
0
お気に入りに追加
117
あなたにおすすめの小説
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
【R18】ドS上司とヤンデレイケメンに毎晩種付けされた結果、泥沼三角関係に堕ちました。
雪村 里帆
恋愛
お陰様でHOT女性向けランキング31位、人気ランキング132位の記録達成※雪村里帆、性欲旺盛なアラサーOL。ブラック企業から転職した先の会社でドS歳下上司の宮野孝司と出会い、彼の事を考えながら毎晩自慰に耽る。ある日、中学時代に里帆に告白してきた同級生のイケメン・桜庭亮が里帆の部署に異動してきて…⁉︎ドキドキハラハラ淫猥不埒な雪村里帆のめまぐるしい二重恋愛生活が始まる…!優柔不断でドMな里帆は、ドS上司とヤンデレイケメンのどちらを選ぶのか…⁉︎
——もしも恋愛ドラマの濡れ場シーンがカット無しで放映されたら?という妄想も込めて執筆しました。長編です。
※連載当時のものです。
お見合い相手はお医者さん!ゆっくり触れる指先は私を狂わせる。
すずなり。
恋愛
母に仕組まれた『お見合い』。非の打ち所がない相手には言えない秘密が私にはあった。「俺なら・・・守れる。」終わらせてくれる気のない相手に・・私は折れるしかない!?
「こんな溢れさせて・・・期待した・・?」
(こんなの・・・初めてっ・・!)
ぐずぐずに溶かされる夜。
焦らされ・・焦らされ・・・早く欲しくてたまらない気持ちにさせられる。
「うぁ・・・気持ちイイっ・・!」
「いぁぁっ!・・あぁっ・・!」
何度登りつめても終わらない。
終わるのは・・・私が気を失う時だった。
ーーーーーーーーーー
「・・・赤ちゃん・・?」
「堕ろすよな?」
「私は産みたい。」
「医者として許可はできない・・!」
食い違う想い。
「でも・・・」
※お話はすべて想像の世界です。出てくる病名、治療法、薬など、現実世界とはなんら関係ありません。
※ただただ楽しんでいただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
それでは、お楽しみください。
【初回完結日2020.05.25】
【修正開始2023.05.08】
ただいま冷徹上司を調・教・中!
伊吹美香
恋愛
同期から男を寝取られ棄てられた崖っぷちOL
久瀬千尋(くぜちひろ)28歳
×
容姿端麗で仕事もでき一目置かれる恋愛下手課長
平嶋凱莉(ひらしまかいり)35歳
二人はひょんなことから(仮)恋人になることに。
今まで知らなかった素顔を知るたびに、二人の関係は近くなる。
意地と恥から始まった(仮)恋人は(本)恋人になれるのか?
【R18】豹変年下オオカミ君の恋愛包囲網〜策士な後輩から逃げられません!〜
湊未来
恋愛
「ねぇ、本当に陰キャの童貞だって信じてたの?経験豊富なお姉さん………」
30歳の誕生日当日、彼氏に呼び出された先は高級ホテルのレストラン。胸を高鳴らせ向かった先で見たものは、可愛らしいワンピースを着た女と腕を組み、こちらを見据える彼の姿だった。
一方的に別れを告げられ、ヤケ酒目的で向かったBAR。
「ねぇ。酔っちゃったの………
………ふふふ…貴方に酔っちゃったみたい」
一夜のアバンチュールの筈だった。
運命とは時に残酷で甘い………
羊の皮を被った年下オオカミ君×三十路崖っぷち女の恋愛攻防戦。
覗いて行きませんか?
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
・R18の話には※をつけます。
・女性が男性を襲うシーンが初回にあります。苦手な方はご注意を。
・裏テーマは『クズ男愛に目覚める』です。年上の女性に振り回されながら、愛を自覚し、更生するクズ男をゆるっく書けたらいいなぁ〜と。
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる