【完結】【R18】オトメは温和に愛されたい

鷹槻れん(鷹槻うなの)

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■ *Play with dolls/オマケ的SS 12

温和のおねだり(2)

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 誕生日当日は温和はるまさの部屋に来るように言われた音芽おとめだったけれど、身ひとつで来てくれたんで構わないという温和はるまさの言葉に、正直かなり戸惑った。
 アパートで隣同士に住んでいる音芽おとめ温和はるまさなので、何かいるものがあれば取りに帰ればいいだろ?ということなのかもしれない。

 でもプレゼントは?
 全くなしというわけにはいかないよね?
 要らないと言われても音芽自身の気がすまないのだ。

 温和はるまさと同日生まれの兄に相談しようかとも思ったけれど、下手な聞き方をしたらヤブヘビになりそうでつつけなくて。

 とりあえず兄にはメールで「カナにい、お誕生日おめでとう!」というメッセージだけ送っておいた。プレゼントは後日でいいかな、と思いつつ。


 散々悩んだ末、音芽は前日から仕込みをしてディナーロールを焼いたりシチューを煮込んだり、予め焼いておいた小さなバースデーケーキのスポンジにデコレーションをしてみたり、とフルタイムで仕事をこなした後にしてはそこそこに頑張った。

 プレゼントは要らないと言われたけれど、何もあげないとか無理だから。
 温和はるまさが職場や家で使えるような、自分とお揃いのマグカップを用意した。
 〝何となく〟というのは、あからさまにペアだとバレたらひねくれ者の温和はるまさが、恥ずかしがって使うのを躊躇ためらうかな?と思ったから。
 ちょっとした色違い。ちょっとしたデザイン違い。そんなマグカップを、ネットで探して取り寄せて、ラッピングは自分で頑張った。

 その年の温和はるまさの誕生日は金曜日で、翌日は仕事が休み。そのままお泊まりコースは確定だろうなと思った音芽おとめは、そのつもりで外泊セットも準備する。

 隣だし、いざとなれば取りに戻ればいいのだけれど、せっかくの温和はるまさの誕生日だ。

 出来るだけ彼のそばにいたいと思ったのは、過日温和はるまさから「音芽は俺のそばにいてくれりゃいい」と言われたことも多分に影響していた。

 音芽は自分ではそんなに自覚していないけれど、温和はるまさの言いつけには絶対服従みたいなところがある。


 20時までには来て欲しいと温和はるまさから強請ねだられて、帰宅後すぐ昨日のうちから準備しておいた料理をせっせと仕上げにかかる。
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