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■寝てください/オマケ的SS⑥
くすぐったいと気持ちいいは紙一重
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不意打ち過ぎる大好きな人の気配に、固まってしまった私の唇にチュッと軽く口付けると、そのままコロンと私の太腿の上に寝そべるの。
「ひゃっ」
薄手のシフォンスカート越し。
温和のふわふわの髪の毛の感触までつぶさに伝わってくるようで、私の身体は緊張でギュッと固くなった。
「バーカ。なに緊張してんだよ」
力の入った身体は、温和が頭を載せた太腿も強張らせたみたい。
ククッと楽しそうに笑いながら、温和が私の腿をやんわりと撫でさすってきて。
「あ……っ、ダメ! それ、くすぐったいっ」
くすぐったいと気持ちいいは紙一重。
それが分かっているから、必死で彼の手を捕まえたら、「じゃあ固くならずに力抜けよ」って命令された。
私にとって、温和の命令は何故か従いたいって思わされる力を持っていて。
ふぅ、っと長めに吐息を落とすと、私、頑張って力を抜いたの。
「ん、心地よくなった」
温和が私の腿にぽんぽん、と優しく触れながら言って……。付け加えるように
「なぁ音芽。このまま少し、脚、貸しててくれよ」
――ちょっと眠りたい。
温和が、またひとつ、小さく欠伸を漏らしながら言うから、「ん、分かった」って答えたの。
なのに。
「はっ、温和さんっ、何で目、閉じないんですか?」
さっきからずっと。
膝枕をされた格好のまま、温和が私をじっと見上げていて……。
その視線だけでも居心地悪いのに、「下から見上げるとお前、本当睫毛長いのな」とか言ってくるの。
見つめられる恥ずかしさに顔を覆い隠したら、今度はその手を手首から肘に沿ってツツーッと撫でながら、私からは見えにくい肘の尖ったところをチョンチョンとつつきながら言うの。
「知ってるか、音芽。お前のここ、ほくろがあるんだぜ?」
とか。
もぉもぉもぉ!
「わ、私のことなんて見なくていいから早く寝てくださいっ!」
あまりに恥ずかしくて真っ赤になりながらそう抗議したら、「なぁ音芽。ベッドに移動して一緒に寝ない?」って。
絶対それ……眠る気ないやつだよね?
「ゆ、夕飯食べるの、遅くなっちゃうよ?」
せめてもの抵抗で言ってみたら、「明日も休みだし……問題ねぇだろ?」って。
そして私も、それに頷いてしまうとかっ。
今夜もふたり、寝不足の予感です。
END(2020/09/15)
「ひゃっ」
薄手のシフォンスカート越し。
温和のふわふわの髪の毛の感触までつぶさに伝わってくるようで、私の身体は緊張でギュッと固くなった。
「バーカ。なに緊張してんだよ」
力の入った身体は、温和が頭を載せた太腿も強張らせたみたい。
ククッと楽しそうに笑いながら、温和が私の腿をやんわりと撫でさすってきて。
「あ……っ、ダメ! それ、くすぐったいっ」
くすぐったいと気持ちいいは紙一重。
それが分かっているから、必死で彼の手を捕まえたら、「じゃあ固くならずに力抜けよ」って命令された。
私にとって、温和の命令は何故か従いたいって思わされる力を持っていて。
ふぅ、っと長めに吐息を落とすと、私、頑張って力を抜いたの。
「ん、心地よくなった」
温和が私の腿にぽんぽん、と優しく触れながら言って……。付け加えるように
「なぁ音芽。このまま少し、脚、貸しててくれよ」
――ちょっと眠りたい。
温和が、またひとつ、小さく欠伸を漏らしながら言うから、「ん、分かった」って答えたの。
なのに。
「はっ、温和さんっ、何で目、閉じないんですか?」
さっきからずっと。
膝枕をされた格好のまま、温和が私をじっと見上げていて……。
その視線だけでも居心地悪いのに、「下から見上げるとお前、本当睫毛長いのな」とか言ってくるの。
見つめられる恥ずかしさに顔を覆い隠したら、今度はその手を手首から肘に沿ってツツーッと撫でながら、私からは見えにくい肘の尖ったところをチョンチョンとつつきながら言うの。
「知ってるか、音芽。お前のここ、ほくろがあるんだぜ?」
とか。
もぉもぉもぉ!
「わ、私のことなんて見なくていいから早く寝てくださいっ!」
あまりに恥ずかしくて真っ赤になりながらそう抗議したら、「なぁ音芽。ベッドに移動して一緒に寝ない?」って。
絶対それ……眠る気ないやつだよね?
「ゆ、夕飯食べるの、遅くなっちゃうよ?」
せめてもの抵抗で言ってみたら、「明日も休みだし……問題ねぇだろ?」って。
そして私も、それに頷いてしまうとかっ。
今夜もふたり、寝不足の予感です。
END(2020/09/15)
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