【完結】【R18】オトメは温和に愛されたい

鷹槻れん(鷹槻うなの)

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■路地裏のいけない2人/オマケ的SS④

「男と女として」の時間を存分に取り続けられるパートナーで在りたい

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 今日は10時頃から和音むすめ奏芽かなめに預けて、1ヶ月ぶりに音芽おとめと恋人同士の時間が過ごせている。

 今俺たちは、結婚してちょうど3年目。

 世間的にいうと倦怠期けんたいきとかいう厄介なやつに見舞われる頃。
 人間ってやつはどうも“3”という区切りごとにそういう危機に直面しやすくなるもんらしい。

 例えば恋人同士なんかだと、付き合い始めて3ヶ月目がヤバイとか、結婚した夫婦だと3年目がヤバイとか……そんな感じ。

 要は相手への慣れでときめきが薄れたところに、細々と溜まった不満や鬱憤が確信に変わって爆発する時期なんだろう。

 けど、俺に関して言えば……うちの嫁はいつまで経っても可愛いとしか思えねぇし、その可愛さに慣れるとか絶対無理だと想う。
 唯一不満があるとすれば、幼い娘――来年の1月で2歳になる――の世話でないがしろにされることがあるのが寂しい程度。


***


 結婚してから何となくワガママ言って伸ばしてもらっている髪の毛も、幼い頃から彼女のボブしか見慣れていないからか、やけに新鮮でドキドキさせられる。
 逆に、どうやったら音芽よめのことをもう少し冷静な目で見られるようになるのか教えてもらいたいくらいだ。

 ただ、音芽が俺に対して同じように思ってくれているか?と聞かれたらそこはやはり不安で。

 俺は要所要所で音芽の気を引こうと必死だし、子供は1人でいいと思ったのだって、音芽といつまでも「男と女」でいたいからだ。

 和音かずねが生まれて思い知ったんだが、やはり子供がいるとそれなりに「夫婦として」の時間に制約を受ける。
 もちろん「親として」音芽おとめと2人、協力し合いながら我が子を育てていく時間も嫌いじゃない。いや、むしろ得難い経験をさせてもらっていると自負してもいる。……いるけれど、やはり俺は音芽とはもっと「男と女として」の時間を存分に取り続けられるパートナーで在りたいとも思っているわけで――。

 幸い、よそでよく言われるように、子供が出来た途端、嫁さんに邪険にされるようになったことも、夫婦としての求めに応じてもらえなくなったこともないんだけど、じゃあ2人きりでいた頃と同じペースか?と聞かれたらそうだとは言えないわけで。

 音芽の体調にもよるけど、基本週3とかっていうのは……世間的に見るとどうなんだろうな?

 毎日したいのを我慢してる俺ってすげぇ偉いじゃんとか想うんだけど、前にネットで見たら日本はそもそもそう言うの、少なめなんだと驚かされた。
 夫婦の営み、月平均1.7回とか言う数字を見たんだけど……マジか!?ってな。だってそれ……1回か2回ってことだよな?

 みんな、何でそんなに我慢できるんだ?

 疲れてるからしたくないとか……忙しいからしたくないとか……子供が気になってする気になれないとか……どれもピンとこない言い訳ばかりだ。

 音芽相手に月に2回以下とか……軽く死ねるわ!

 そう言えば……音芽はそんな俺に毎度付き合ってくれてるけど……実際はどう思ってるんだろう?
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