【完結】【R18】オトメは温和に愛されたい

鷹槻れん(鷹槻うなの)

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メッセージ

大好きだよ、私のひねくれ王子様!

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 例えば彼が好きだと言った、ブライアン・アダムスの『 (Everything I Do) I Do It For You』の歌詞の一節みたいな、“I’ll do anything for you.(あなたの為なら何でもしてあげる)”とか、その辺りかな?って。

 なのにまさかこれを選んでるなんて……想像の斜め上だよ、温和はるまささん!

 もう、ホントひねくれてるんだから。……困った人。

 でも、甘い愛の言葉を送られるよりずっと、この方が彼らしくてときめいちゃうとか……私も大概だよね。

 どうしよう。口の端が笑みの形に緩んじゃうの、止められないっ。

 私の様子に気づいた温和はるまさが「ちょっ、おまっ、何で指輪っ! 車まで待てっつったのに、約束違反だろっ」って慌てるの。

 本当可愛いっ!


温和はるまささんらしいメッセージ、しかと拝受いたしました!」

 ショッピングモール内のベンチ。

 人目もあるし、温和はるまさに抱きつきたい衝動をグッと堪えて、わざとビジネスライクに言って彼を見つめたら、温和はるまさが慌てて私から視線を逸らせるの。

「うるさいバカ音芽おとめ。そっちがその気なら、俺もお前のやつ見るからなっ!?」
 って、怒ったように言うの、ホント可愛い。

 私は別に見られたって恥ずかしくないもん。
「どうぞ、どうぞ♥」
 ニコッと笑ってそう言ったら「余裕綽綽しゃくしゃくでムカつく」ってつぶやかれて。

 私はそんな彼の様子に笑いがこみ上げる。

 ややして、自分が嵌めていた指輪の裏側を見つめていた温和はるまさ
「“Only you can make me happy or cry.”って……おまっ」

 何で私を照れさせる予定のあなたが、余計に照れるの?

 温和はるまさが怒ったようにそっぽを向く仕草や、耳まで真っ赤に染めている様が本当に愛しくてたまらない。

 そう。そこに書いた通り。

「“私を幸せにできるのも泣かせられるのもあなたしかいない”よ? 温和はるまさはそんな私のこと、“ムカつくくらい可愛い”って思ってくれてるんだよね?」

 温和はるまさの顔を覗き込んだら、「知るか、バカ音芽おとめ」って吐き捨てられた。

 でもね、言いながら温和はるまさが私の手をギュッと握ってくれたから、私はとても幸せです。

 温和はるまさ、お願い。私、ずっとずっと可愛いって思い続けてもらえるよう頑張るから……この先もこの手を離さないでもらえますか?

 大好きだよ、私のひねくれ王子様――!

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