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温度差を感じます
お前が霧島音芽になるとか夢みたいだ
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あ、でも……。
その場合には保護者や子供達にもそういうの、説明しなきゃいけなくなるのかぁ~。
名前が変わるにしても変わらないにしても、結構大変かも?
そう思ってはぁって溜め息をついたら、温和にギュッと抱きしめられた。
「溜め息とか……。音芽、まさかもうマリッジブルーとか言わねぇよな?」
そんなことはないんだけど……でもそうなる人の気持ち、分からなくもないかも?とか思ったりもして。
「戸籍が変わるのって大変なことなんだね」
左半身に感じる温和の温もりにそっとすがるように身を委ねながら、「そんなことないよ」って告げてからそう付け加えたら、「そう言や、名前とか色々変わるのお前ばっかだもんな。ごめんな」って謝られてしまった。
私はそれにびっくりして思わず温和の顔を見上げる。
「てっ、手続きは面倒かもしれないけど……私、苗字が変わるの自体は、すっごく嬉しいんだけど……な?」
だって幼い頃によく妄想したもの。
もしも温和のお嫁さんになれたなら、私は「霧島音芽」になるんだなぁって。
意味もなく紙に「霧島音芽」って書いて照れてみたり。
恋する女の子ならみんな1度ぐらいはやったことあるんじゃないかな、そういうの。
そんな話をしたら、温和に「あ。……俺も、それ、お前の名前でやったことある」ってつぶやかれた。
「え!? 温和も!?」
温和の思いもよらない告白に、私の頭はグルグルと空回りをする。
「それって……うちに婿養子にくる想像をして“鳥飼温和”って書いたことがあるってこと!?」
思わず食い気味にそう尋ねたら「は?」って驚いた顔をされて、すぐに大笑いされてしまった。
「バカ音芽。俺が考えたのは自分の名前じゃねぇよ。お前の苗字が俺と同じになったらって方だよ」
さすが音芽ってクスクス笑う温和に、私は真っ赤になってしまう。
だってだって……そう思っちゃったんだもん。
ぷぅーっと膨らんで温和の腕から抜け出そうとしたら、そのまま強く引き寄せられて「あれが現実になるんだな」ってじっと見つめられた。
「お前が……霧島音芽になるとか……夢みたいだ」
熱っぽい瞳で私を見下ろしてくる温和に、私は縫い止められたみたいに動けなくなってしまう。
「あ、あの……それは私のセリフ……んっ」
です、まで言うつもりだったのに温和に唇を塞がれて途中までしか言わせてもらえなかった。
そのまま当然のようにソファに押し倒されながら、視界の端で温和が飲んでいない麦茶のグラスの中、氷が溶け崩れてカランと音を立てて沈んだのが見えた。
私も、あの氷みたいに温和の熱に溶かされてしまうんだ。
ぼんやりと、そんな風に思った――。
その場合には保護者や子供達にもそういうの、説明しなきゃいけなくなるのかぁ~。
名前が変わるにしても変わらないにしても、結構大変かも?
そう思ってはぁって溜め息をついたら、温和にギュッと抱きしめられた。
「溜め息とか……。音芽、まさかもうマリッジブルーとか言わねぇよな?」
そんなことはないんだけど……でもそうなる人の気持ち、分からなくもないかも?とか思ったりもして。
「戸籍が変わるのって大変なことなんだね」
左半身に感じる温和の温もりにそっとすがるように身を委ねながら、「そんなことないよ」って告げてからそう付け加えたら、「そう言や、名前とか色々変わるのお前ばっかだもんな。ごめんな」って謝られてしまった。
私はそれにびっくりして思わず温和の顔を見上げる。
「てっ、手続きは面倒かもしれないけど……私、苗字が変わるの自体は、すっごく嬉しいんだけど……な?」
だって幼い頃によく妄想したもの。
もしも温和のお嫁さんになれたなら、私は「霧島音芽」になるんだなぁって。
意味もなく紙に「霧島音芽」って書いて照れてみたり。
恋する女の子ならみんな1度ぐらいはやったことあるんじゃないかな、そういうの。
そんな話をしたら、温和に「あ。……俺も、それ、お前の名前でやったことある」ってつぶやかれた。
「え!? 温和も!?」
温和の思いもよらない告白に、私の頭はグルグルと空回りをする。
「それって……うちに婿養子にくる想像をして“鳥飼温和”って書いたことがあるってこと!?」
思わず食い気味にそう尋ねたら「は?」って驚いた顔をされて、すぐに大笑いされてしまった。
「バカ音芽。俺が考えたのは自分の名前じゃねぇよ。お前の苗字が俺と同じになったらって方だよ」
さすが音芽ってクスクス笑う温和に、私は真っ赤になってしまう。
だってだって……そう思っちゃったんだもん。
ぷぅーっと膨らんで温和の腕から抜け出そうとしたら、そのまま強く引き寄せられて「あれが現実になるんだな」ってじっと見つめられた。
「お前が……霧島音芽になるとか……夢みたいだ」
熱っぽい瞳で私を見下ろしてくる温和に、私は縫い止められたみたいに動けなくなってしまう。
「あ、あの……それは私のセリフ……んっ」
です、まで言うつもりだったのに温和に唇を塞がれて途中までしか言わせてもらえなかった。
そのまま当然のようにソファに押し倒されながら、視界の端で温和が飲んでいない麦茶のグラスの中、氷が溶け崩れてカランと音を立てて沈んだのが見えた。
私も、あの氷みたいに温和の熱に溶かされてしまうんだ。
ぼんやりと、そんな風に思った――。
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