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お前は付けるってことだな?
さっきの返事聞かせろよ
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***
「音芽、ろくに後片付けもしないまま、ごめんね」
玄関先で靴を履いた佳乃花から手をギュって握られて、私はフルフルと首を横に振る。
「そんなっ。気にしないで。私もこの前2人の家に行った時、散らかしっぱなしで帰っちゃったもの。だから……」
「おあいこ?」
「おあいこ!」
佳乃花が私の言葉に被せるようにそう言ってきて、「おあいこ」の声がハモって、2人で顔を見合わせてクスクス笑い合う。
「一路、佳乃花のこと、絶対絶対誰よりも大切にしてあげてよね!?」
言ったら、「お前に言われなくてもそのつもりだよ。音芽こそ……」
そこで声を低めて私の背後にいる温和をチラチラと気にしながら「その……幸せにしてもらえよ」って言ってくれて。
「一路、ありがとう」
私は一路の言葉に思わず涙ぐんでしまう。
なんでだろ。
き、きっとお酒の……せいで感情が昂っちゃってるのね。
あ、でもね、でもね、一路。
私は温和に幸せにしてもらうんじゃないよ?
温和と一緒に幸せになるの!
あなた達も、そうでしょう?
***
2人が行ってしまうと、すかさず温和が後ろからギュッと抱きついてきて、私はドキッとしてしまう。
「あ、あの……温和、まだ鍵……」
言ったら、抱きしめられたままほんの数歩前に歩かされて、背後から伸びてきた手にガチャリと施錠されてしまう。
今、扉が閉まったばかりで、もしかしたらすぐそこに佳乃花も一路もいるかもしれないのに。
「な、音芽、さっきの返事、聞かせろよ」
そう思うのに、温和に熱っぽい声で耳許に声を吹き込まれると、そういうのが全部ポンッと飛んでいってしまう。
「あ、あの……えっと……はる、まさ? まだ……その……後片付けとかしてない……よ?」
温和が求めているのはこんな言葉じゃないのは重々承知しているくせに。ついリビングの散らかり様が気になってしまってそう言ってしまった。
もちろんそんなの、言ったって意味のないことだって私自身分かってる。
「後でいいだろ、そんなの」
明日は休みなんだから。
案の定熱い吐息と共に甘えたような声音でささやかれて、私は抵抗する気力を全て奪われてしまった。
「音芽、ろくに後片付けもしないまま、ごめんね」
玄関先で靴を履いた佳乃花から手をギュって握られて、私はフルフルと首を横に振る。
「そんなっ。気にしないで。私もこの前2人の家に行った時、散らかしっぱなしで帰っちゃったもの。だから……」
「おあいこ?」
「おあいこ!」
佳乃花が私の言葉に被せるようにそう言ってきて、「おあいこ」の声がハモって、2人で顔を見合わせてクスクス笑い合う。
「一路、佳乃花のこと、絶対絶対誰よりも大切にしてあげてよね!?」
言ったら、「お前に言われなくてもそのつもりだよ。音芽こそ……」
そこで声を低めて私の背後にいる温和をチラチラと気にしながら「その……幸せにしてもらえよ」って言ってくれて。
「一路、ありがとう」
私は一路の言葉に思わず涙ぐんでしまう。
なんでだろ。
き、きっとお酒の……せいで感情が昂っちゃってるのね。
あ、でもね、でもね、一路。
私は温和に幸せにしてもらうんじゃないよ?
温和と一緒に幸せになるの!
あなた達も、そうでしょう?
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2人が行ってしまうと、すかさず温和が後ろからギュッと抱きついてきて、私はドキッとしてしまう。
「あ、あの……温和、まだ鍵……」
言ったら、抱きしめられたままほんの数歩前に歩かされて、背後から伸びてきた手にガチャリと施錠されてしまう。
今、扉が閉まったばかりで、もしかしたらすぐそこに佳乃花も一路もいるかもしれないのに。
「な、音芽、さっきの返事、聞かせろよ」
そう思うのに、温和に熱っぽい声で耳許に声を吹き込まれると、そういうのが全部ポンッと飛んでいってしまう。
「あ、あの……えっと……はる、まさ? まだ……その……後片付けとかしてない……よ?」
温和が求めているのはこんな言葉じゃないのは重々承知しているくせに。ついリビングの散らかり様が気になってしまってそう言ってしまった。
もちろんそんなの、言ったって意味のないことだって私自身分かってる。
「後でいいだろ、そんなの」
明日は休みなんだから。
案の定熱い吐息と共に甘えたような声音でささやかれて、私は抵抗する気力を全て奪われてしまった。
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