【完結】【R18】オトメは温和に愛されたい

鷹槻れん(鷹槻うなの)

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*俺がお前の

誰がなんと言おうと

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「でもっ……」

 私が温和はるまさを自分と同じぐらい気持ちよくしてあげたいのも、自分がしてもらったのと同じぐらい優しくあなたに触れたいのも、本心だと分かって欲しい。

 やり方さえ分かったら、こんなふうに中途半端に動きを止めたりしないのに。

 そう思ったら何となく悲しくなって目尻にじわりと涙が滲んだ。

「なぁ音芽おとめ。そこへの接し方は分からなくても、こっちへは分かるだろ? お前からキス、してくれよ」

 滲んだ涙をそっと指先で拭われて、温和はるまさが自分の口をちょんちょん、とつついて私の顔を見つめてくる。

 私は体を起こすと温和はるまさの首筋に手を回して、そっと目を閉じてから、おずおずと彼の唇にキスをした。
 それからいつも温和はるまさがしてくれるようにそっと口を開いて舌先を彼の唇の隙間から挿し入れる。
 温和はるまさの口中を探るように彼の舌を探して、いつもしてもらうみたいに優しく舌先で撫でるように触れる。

 温和はるまさは私のぎこちないキスに優しく応えてくれてから、小さく一言「上手」って褒めてくれた。

 それから私をギュッと抱きしめて耳元に唇を寄せてきて――。


「な、音芽おとめ。お前、喜多里きたさとに何言われたか知らねぇけど……あいつとあれこれあったの、高1ん時だろ?」

 そこでそっと私の唇を指先で辿りながら、
「俺、お前が奏芽かなめにいじめられて俺に泣きついてきた時、お前のこと、俺の嫁にするって約束したよな? そん時に唇にチュッてしてたからな? お前はちっこ過ぎて覚えてねぇようだけど――俺は結構ドキドキした覚えがあるし、間違いじゃねぇから」

 言って、もう一度私にそっと口付けてくれる。

 あ、あの、温和はるまさっ、今のって――本当?

「だからな、誰がなんと言おうが、ファーストキスの相手だ」

 温和はるまさがニヤッと笑ってそう言ってくれて、私は思わずポロリと涙を落とした。

 そう言われてみれば……記憶の彼方で唇に柔らかく触れる温かい感触を何となく覚えている。
 あれが、そうなの?

 ねぇ、温和はるまさ
 私が今、どんなに幸せか、あなたに分かりますか?


***


「音芽、そろそろ続き、いい?」

 温和はるまさが私を抱きしめたまま、背中に手を這わせると、留められたままだったブラのホックを外した。

「あ……」
 それと同時にまろび出た胸が恥ずかしくて、思わず隠そうとしたらキスで動きを封じられる。
「ん、っ……」
 ちゅくちゅくっ、とお互いの唾液を混ぜ合わせるようにすり合わされる舌先に、遠のきかけていた情欲を刺激されるようで、私は温和はるまさにギュッとしがみつく。

 温和はるまさのキスにぼんやりしている間に、着せかけられたままだったブラウスと一緒にブラが肩から抜かれてベッド下に落とされて――。
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