【完結】【R18】オトメは温和に愛されたい

鷹槻れん(鷹槻うなの)

文字の大きさ
上 下
159 / 409
*俺がお前の

猫にならないと無理なこと

しおりを挟む
「必要ない」

 温和はるまさは私のお願いをそんな一言で一蹴すると、片手でグイッとネクタイを緩めた。

 思わず見惚れてしまうぐらいかっこいい仕草にうっとりしてから、ダメダメ!と首を振る。
 流されてる場合じゃないっ。
 汚いまま温和はるまさに抱かれるとか、恥ずかしすぎるものっ。

「ひ、必要ですっ」

 早くも上半身裸になってしまった温和はるまさを直視出来なくて、ふいっと視線を横にそらせながらそう言ったら、「気になるんなら俺が綺麗にしてやるから安心しろ」ってどういう意味ですか?

 お風呂で温和はるまさが洗ってくれるってこと!?

 そう思い至って「あ、あのっ、じ、自分でっ」って言ったら、熱に浮かされた艶めく視線で見下ろされた。

「それは……猫にでもならねぇと無理だな」

 いつの間にか私の上にまたがるように四つん這いになった温和はるまさを見上げて「え?」と思う。

 猫? ん? どういう意味?

 そもそもお風呂に連れて行ってくれるなら覆いかぶさってくるのはおかしいよ?

「あ、あの……はる、まさ?」

 不安に思いながら温和はるまさを見上げたら、「少し黙ってろ」って言われて再度唇を塞がれた。

「でも、んっ、は……あの、ぁ、んっ、んんっ」
 でもでもでもっ!

 唇に隙間ができるたびに何とか喋りたい私は、一生懸命言葉をつむごうとするけれど、その度に舌を絡められ、唇をまれ、口中を舐め上げられ……。
 とにかく息も絶え絶えになる一方で。

 しかもそっちに気を取られている間に、いつの間にかブラウスの前ボタンを全開にされてしまっていて、それに気付いて慌てて胸元を隠そうとしたら「隠すな」って手をベッドに押さえつけられた。

「そのままじっと。――出来るよな?」
 言われて温和はるまさに見つめられると、別に拘束されているわけでも何でもないのに動いてはいけない気持ちにさせられてしまう。

 温和はるまさはブラの肩紐をズラして胸を中途半端に見えるようにしてしまうと、色付きに沿って指をやんわり這わせてくる。
 温和はるまさの指がもどかしくそれを繰り返すうち、中心の敏感な部分が、ぷっくりと立ち上がってきたのが自分でも分かって。
 触って欲しくてたまらないと、切ないくらいに疼くその感覚が恥ずかしくて、慌てて胸に触れる温和はるまさの手元から視線をそらした。

温和はるまさっ、それ、イヤっ。恥ずか……しいっ」

 思い切って訴えてみたけれど、温和はるまさは返事をする代わりに私の秘所に指を這わせてくるの。

「ひぁ、ヤッ、――ダメっ」

 思わず足をギュッと閉じたら、それに抗議するみたいに温和はるまさに、膝裏ひざうらを抱え上げられてしまった。
 途端スカートがはらりとめくれて、ショーツに包まれたお尻が剥き出しになる。

温和はるまさっ、や」
 首を一生懸命振ってイヤイヤをしてみせたけれど、温和はるまさは聞いてくれなくて。

「さっきからお前の口、ダメとイヤしか聞かせてくんねぇのな?」
 じっと見つめられてそんな風に言われてしまったら、私はその言葉を言えなくなってしまう。

「でもっ、恥ずか……しい、の……」
 イヤ、とダメ、以外で私が言えるのは「恥ずかしい」だけ。

 ギュッと眉根を寄せて温和はるまさを涙目で見つめたら「恥ずかしがってる音芽おとめ、最高に色っぽい」って、ニヤリとされた。
 何これ、逆効果!?

 温和の指先がショーツのウエスト部にかかったのが分かって、ダメもイヤも言えない私はギュッと温和はるまさの手を握った。

 それはダメ。恥ずかしいからイヤ。
 そういう気持ちを込めて温和はるまさの手を止める指先に力を込めたら「俺、さっき何て言ったっけ?」と静かな声音で尋ねられた。

 温和はるまさはさっき、私の手をベッドに縫い付けるように押さえつけてから……。
「じっと、って……言った」
 恐る恐るそう答えたら「正解」と微笑まれて。
「だったらその手、どうしたらいいか分かるだろ?」
 と冷ややかに見下ろされる。

 私は温和はるまさの手に載せた指をゆっくりと外すと、さっき彼にされたように両耳の横に置いた。
 まるで小さく諸手もろてをあげて、温和はるまさに降参しているみたいな、そんなスタイル。

「いい子」

 温和はるまさがそんな私を褒めてくれて、不覚にもその声にドキドキしてしまう。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

お見合いから始まる冷徹社長からの甘い執愛 〜政略結婚なのに毎日熱烈に追いかけられてます〜

Adria
恋愛
仕事ばかりをしている娘の将来を案じた両親に泣かれて、うっかり頷いてしまった瑞希はお見合いに行かなければならなくなった。 渋々お見合いの席に行くと、そこにいたのは瑞希の勤め先の社長だった!? 合理的で無駄が嫌いという噂がある冷徹社長を前にして、瑞希は「冗談じゃない!」と、その場から逃亡―― だが、ひょんなことから彼に瑞希が自社の社員であることがバレてしまうと、彼は結婚前提の同棲を迫ってくる。 「君の未来をくれないか?」と求愛してくる彼の強引さに翻弄されながらも、瑞希は次第に溺れていき…… 《エブリスタ、ムーン、ベリカフェにも投稿しています》

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

二人の甘い夜は終わらない

藤谷藍
恋愛
*この作品の書籍化がアルファポリス社で現在進んでおります。正式に決定しますと6月13日にこの作品をウェブから引き下げとなりますので、よろしくご了承下さい* 年齢=恋人いない歴28年。多忙な花乃は、昔キッパリ振られているのに、初恋の彼がずっと忘れられない。いまだに彼を想い続けているそんな誕生日の夜、彼に面影がそっくりな男性と出会い、夢心地のまま酔った勢いで幸せな一夜を共に––––、なのに、初めての朝チュンでパニックになり、逃げ出してしまった。甘酸っぱい思い出のファーストラブ。幻の夢のようなセカンドラブ。優しい彼には逢うたびに心を持っていかれる。今も昔も、過剰なほど甘やかされるけど、この歳になって相変わらずな子供扱いも! そして極甘で強引な彼のペースに、花乃はみるみる絡め取られて……⁈ ちょっぴり個性派、花乃の初恋胸キュンラブです。

婚約者が巨乳好きだと知ったので、お義兄様に胸を大きくしてもらいます。

恋愛
可憐な見た目とは裏腹に、突っ走りがちな令嬢のパトリシア。婚約者のフィリップが、巨乳じゃないと女として見れない、と話しているのを聞いてしまう。 パトリシアは、小さい頃に両親を亡くし、母の弟である伯爵家で、本当の娘の様に育てられた。お世話になった家族の為にも、幸せな結婚生活を送らねばならないと、兄の様に慕っているアレックスに、あるお願いをしに行く。

【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる

奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。 だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。 「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」  どう尋ねる兄の真意は……

処理中です...