【完結】【R18】オトメは温和に愛されたい

鷹槻れん(鷹槻うなの)

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真相が知りたい

お前の、何だよ?

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 私が一生懸命首を横に振るのを見て、温和はるまさがホッとしたように腕の力を緩めてくれる。

「は、温和はるまさ……、ありがとう」

 温和はるまさの顔を見つめた途端、思わずお礼の言葉が出てしまった。
 私とのことをそんな風に真剣に考えてくれていて。

 でも、だからこそ。
 ちゃんと段階を踏んで周知していきたい。
 特に子供たちには――。

 そう思って温和はるまさを見つめたら
「今すぐどうこうする気はねぇから安心しろ。順序ってもんがあんだろ?」
 どこか切なげな溜め息混じりにそう返してくれて、ホッとした。

 当たり前だ。
 温和はるまさの方が、私より思慮深いもの。

 そういうの、考えていないわけがない。

 安堵してふっと肩の力を抜いた私に「ただし」という温和はるまさの声が聞こえてきて、「え?」と思う。

「ただし、お前自身が俺の彼女だって自覚した行動を取ることが大前提だからな? フラフラ俺以外の男に付いていくような真似をしたら。そんときは俺、――タイミングとか一切待たずに公表するから」

 温和はるまさの真剣な表情に、私は射抜かれたように動きを止めた。

 でも温和はるまさ、同じことを私もアナタに言いたいって言ったら、どうする?


 歩いてくるよりは早く職場に着いたけれど、ここでモタモタしていて始業時間に遅れては元も子もない。
 私はシートベルトを外しながら温和はるまさに「遅れちゃうよ? 行こう?」と声をかける。

 温和はるまさはまだ何か言いたそうだったけれど、私は敢えて気付かない振りをした。

 荷物を手にふたり並んで歩きながら、ふと付け加えるように
温和はるまさも、だよ?」
 恐る恐るさっき思ったことを告げてみる。

「俺も?」

 さすがに間を空けすぎてしまったみたい。

 温和はるまさがきょとんとするのを見て、私はそのまま説明するべきか否か束の間迷った。

温和はるまさも……私の……シ……だっていうの、忘れないで過ごして欲しい……な……?」

 本当は「私の彼氏」って言いたかったけれど、何となく恥ずかしくて言葉を濁してしまった私に、温和はるまさが不意に立ち止まる。

温和はるまさ?」

 急に歩みを止めた彼に合わせて止まったら、「お前の、なんだよ? ハッキリ言われねぇと分かんねぇよ」って絶対察しててとぼけてるよね?

 オロオロと温和はるまさを見つめ返したら、分からないからお前の思うようにしてやれないかもな?って付け加えられて、私は慌ててしまう。

 躊躇ためらいがちに「……分かるでしょ?」ってつぶやくように言ってみたけれど、軽く睨まれてひるんでしまう。
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