【完結】【R18】オトメは温和に愛されたい

鷹槻れん(鷹槻うなの)

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*繋がる心と……

手、邪魔

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 そう思った時にはブラのホックが温和はるまさに外された後だった。
 支えを失ってハラリと落ちたブラの肩紐が、所在なく私の腕に引っかかっている。

 温和はるまさ、何て手慣れているの!?

 今、温和はるまさから身体を離したら、私、確実に胸をさらけ出してしまうことになる。
 そう思ったら、そのまま動けなくなってしまった。

 考えてみたら私、温和はるまさに胸を見られたこと、ある――。

 でもあの時とは状況が違う、よ……ね?

 そもそもあれは事故みたいなもので、温和はるまさだって胸を見ようとして服をめくりあげたわけじゃなかった。
 予期せずあらわになった乳房ふくらみに、温和はるまさがびっくりしたみたいにひるんだの、覚えてる。

 もちろん私も死にそうに恥ずかしかったけどっ。

 でも、今回は温和はるまさ、明確な意思をもって私の下着ブラのホック、外した……よ、ね?

 そして、私もそれを望んでいて――。

 み……見られるの回避は――無理……?


***

 温和はるまさに軽くトン、と肩を押されて、
「ひゃっ!?」
 考え事にふけっていた私は、いとも簡単にベッドへ仰向けに倒されて変な声を上げていた。

 は、恥ずかしいっ。

 そんなに力を込められた気はしなかったのに、こんな簡単に転がされちゃうとか……。

 どうしよう。びっくりして心臓がバクバク言ってるよ……?

 ホックを解かれたブラが、寝そべった拍子に胸からズレてしまって……私は慌てて両手で双丘そうきゅうを覆った。

音芽おとめ、手、邪魔」

 途端温和はるまさにそう言われて、私は不安に揺れる瞳で彼を見上げた。

「あの、邪魔って……」

 恐る恐る言い返そうとしたら「手が邪魔で見えねぇからどけろって意味だ。――通じるだろ、普通」って目をすがめられて――。

 もう一度ダメ押しするみたいに「音芽おとめ、手」って言い募られた。

 温和はるまさ、やろうと思えば私の手なんてさっさと取り払ってしまえるはずなのに、私が自分の意思で見せるように仕向けたいみたいで。

 ドSモードのスイッチは未だにオンのままなのね……。私がそれに恍惚こうこつとしてしまうのを見抜かれてしまってて……オフにならない、とかじゃない、よね?

 頭ではそんな不安がぎるのに、裏腹にも、まるでそうだったら嬉しいな……と期待するみたいに身体の奥がキュン……と反応した。

 私はそれを誤魔化すみたいに温和はるまさの視線から目線を少し横に逃すと、彼の指示に従ってゆっくりと手を下ろす。
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