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*後悔したくない
こんなの嫌だよ?
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「んっ、あ、……」
温和の胸についたままの手のひらから、彼の力強い鼓動が伝わってきて、私はその脈打つような拍動にドキドキさせられてしまう。
下唇を食むようにされて、温和のキスから解放されたとき、私は全身から力が抜けて恍惚となってしまっていた。
温和がそんな私の頬を指先でスーッと撫で下ろしてから、濡れたままの唇に触れてくる。
そのまま薄く開いた唇を指先で軽くなぞって、滑るように首筋を辿って――。
「あ、――んんっ……」
首筋に触れられることが、こんなにもエッチな気持ちになる行為だなんて、私、知らなかった。
ゾクッと身体を震わせた私をじっと見下ろす温和の目が、どこか熱を含んで感じられるのは気のせい?
「音芽……」
低く掠れた声で温和に名前を呼ばれた途端、胸の奥がきゅん……として、頭に霞がかかったようにぼんやりしてしまう。
ほわほわした頭で温和を見つめていたら、首筋を辿って下りてきた彼の手が、シャツワンピにかかって――とても丁寧な所作で、上から順にひとつずつボタンが外されていく。
温和の手で、胸元が肌蹴られていくのを他人事のような気持ちで傍観していたら、私の反応を見つめていた彼が、ゆっくりと屈み込んできて、不意に胸元へ彼の吐息がかかった。
その感触に、視線を温和に向けて、私は今更のようにハッとする。
やだ……! わ、私っ、ブラ……見えちゃってる!
ここへきてやっと、私は流されかけていた自分に気付いて正気に戻った。
いけない――。
大好きな温和に求められたのが嬉しくて、つい流されてしまうところだった!
まだ気持ちも伝えていないのに、なぁなぁで抱かれてしまうとか……あり得ないよ。
私は温和とエッチしたいわけじゃない。ただ、ちゃんと好きって伝えたいだけなのに……何してるの?って思ったら、自分で自分の愚かさが、本当に嫌になった……。
ギュッと温和の手首を掴んで彼を見つめると、小さく首を振ってイヤイヤをする。それを見て、温和がハッとしたように慌てて胸元から手を引いてくれて、私は心底ホッとする。
「……温和、私ね、こ、んなの、嫌、だよ……? 恋人でもない相手に……こういうのは……ダメ……」
――こんなことをしたら……逢地先生に対する裏切りだと思うし。ね?
私はその言葉を、寸でのところでグッと飲み込んだ。それを言ってしまったら、大好きな温和と素直に触れ合えない自分が、何だか惨めになりそうで。
私は気持ちを切り替えると、温和を見つめて、呼吸を整えながら少しずつ言葉をつむぐ。
温和の胸についたままの手のひらから、彼の力強い鼓動が伝わってきて、私はその脈打つような拍動にドキドキさせられてしまう。
下唇を食むようにされて、温和のキスから解放されたとき、私は全身から力が抜けて恍惚となってしまっていた。
温和がそんな私の頬を指先でスーッと撫で下ろしてから、濡れたままの唇に触れてくる。
そのまま薄く開いた唇を指先で軽くなぞって、滑るように首筋を辿って――。
「あ、――んんっ……」
首筋に触れられることが、こんなにもエッチな気持ちになる行為だなんて、私、知らなかった。
ゾクッと身体を震わせた私をじっと見下ろす温和の目が、どこか熱を含んで感じられるのは気のせい?
「音芽……」
低く掠れた声で温和に名前を呼ばれた途端、胸の奥がきゅん……として、頭に霞がかかったようにぼんやりしてしまう。
ほわほわした頭で温和を見つめていたら、首筋を辿って下りてきた彼の手が、シャツワンピにかかって――とても丁寧な所作で、上から順にひとつずつボタンが外されていく。
温和の手で、胸元が肌蹴られていくのを他人事のような気持ちで傍観していたら、私の反応を見つめていた彼が、ゆっくりと屈み込んできて、不意に胸元へ彼の吐息がかかった。
その感触に、視線を温和に向けて、私は今更のようにハッとする。
やだ……! わ、私っ、ブラ……見えちゃってる!
ここへきてやっと、私は流されかけていた自分に気付いて正気に戻った。
いけない――。
大好きな温和に求められたのが嬉しくて、つい流されてしまうところだった!
まだ気持ちも伝えていないのに、なぁなぁで抱かれてしまうとか……あり得ないよ。
私は温和とエッチしたいわけじゃない。ただ、ちゃんと好きって伝えたいだけなのに……何してるの?って思ったら、自分で自分の愚かさが、本当に嫌になった……。
ギュッと温和の手首を掴んで彼を見つめると、小さく首を振ってイヤイヤをする。それを見て、温和がハッとしたように慌てて胸元から手を引いてくれて、私は心底ホッとする。
「……温和、私ね、こ、んなの、嫌、だよ……? 恋人でもない相手に……こういうのは……ダメ……」
――こんなことをしたら……逢地先生に対する裏切りだと思うし。ね?
私はその言葉を、寸でのところでグッと飲み込んだ。それを言ってしまったら、大好きな温和と素直に触れ合えない自分が、何だか惨めになりそうで。
私は気持ちを切り替えると、温和を見つめて、呼吸を整えながら少しずつ言葉をつむぐ。
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