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*後悔したくない
私をどこに運ぶの?
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隙間から顔を見せて、
「本当に追い返す気なら、私の手、気にせず思いっきり挟んだらいいじゃないっ!」
自分でも無茶苦茶なことを言っている自覚はあるの。でも、引き下がれないもの。
ドアノブに手をかけたままの温和の腕を掴んでそう言ったら、不意にドアが大きく開かれた。
そのまま温和に触れていた腕を逆に掴み返されて、室内に引き入れられる。
「ひゃっ!」
わ、ヤダ、恥ずかしいっ。
突き飛ばされるのは予想していたけれど、抱き寄せられるのは想定外で、思わず変な声が出てしまった。
眼前に、Tシャツ越しの、温和の厚い胸板の温もりを感じて、にわかに恥ずかしくなる。
温和もシャワー浴びたのかな。いつもに増していい匂いがしてクラクラしちゃう。
「……バカ音芽。……俺がどれだけ――」
温和にギュッと抱きしめられて、私は心臓が口から飛び出してしまうんじゃないかと思った。
ヒェー。さすがにこれはキツイです、温和さんっ。
顔から火が出そうって、こういうことを言うんじゃないの?
私、いま絶対、あり得ないくらい真っ赤になってる。
そう思ったらすごく恥ずかしくなって、顔を隠したい一心で温和の胸元へ擦り付いた。
お願い。少し落ち着くまで、どうかこのままっ。
って思ってるのにぃーーーーっ!!
「ちょっ、やだ! 温和っ」
グイッと温和の胸元から顔を引き剥がされて、私は慌てて顔を背ける。
「音芽、こっち向けよ」
なのに何で追い討ちかけて来るの?
「あ、あのっ、ちょっと今は……無理、かなっ」
本当、もう少しだけ待ってくれない?
出来れば私の両肩を掴んだままのその手を離してもらえると、もっと早く回復すると思いますっ。
ゴニョゴニョとそう言ったら、手を離してくれてホッとしたの。それなのに――。
「ひゃっ……!」
いきなり温和に抱き上げられて、私はびっくりしてしまう。
女の子憧れの横抱き……。お姫様抱っこ。何度かされたことあるけれど、照れくさいし、自分は重いんじゃないかとか色々気になるものなのよ?
それにね、今は特にダメ。本当にダメ。
こんなのされたらますます温和を意識してしまうじゃないっ。
だから本当、やぁーめぇーてぇーっ!
足をジタバタしたらミュールが両方とも足をすっぽ抜けて飛んでいってしまった。
コン、コンという音が2回したけど……。やーん! お行儀悪いっ。っていうか、どこ、飛んでったのっ!?
あれやこれや恥ずかしすぎて、私は両手で顔を覆い隠した。
顔が熱いのに比べて、手はめちゃめちゃ冷たくて。
私、緊張すると子供の時からすぐ手が冷たくなるの。
火照った頬に冷たい手のひらの感触が心地いい。
とか悠長なことを思っている余裕すらなくてっ。
温和、私をどこに運ぶの!?
「本当に追い返す気なら、私の手、気にせず思いっきり挟んだらいいじゃないっ!」
自分でも無茶苦茶なことを言っている自覚はあるの。でも、引き下がれないもの。
ドアノブに手をかけたままの温和の腕を掴んでそう言ったら、不意にドアが大きく開かれた。
そのまま温和に触れていた腕を逆に掴み返されて、室内に引き入れられる。
「ひゃっ!」
わ、ヤダ、恥ずかしいっ。
突き飛ばされるのは予想していたけれど、抱き寄せられるのは想定外で、思わず変な声が出てしまった。
眼前に、Tシャツ越しの、温和の厚い胸板の温もりを感じて、にわかに恥ずかしくなる。
温和もシャワー浴びたのかな。いつもに増していい匂いがしてクラクラしちゃう。
「……バカ音芽。……俺がどれだけ――」
温和にギュッと抱きしめられて、私は心臓が口から飛び出してしまうんじゃないかと思った。
ヒェー。さすがにこれはキツイです、温和さんっ。
顔から火が出そうって、こういうことを言うんじゃないの?
私、いま絶対、あり得ないくらい真っ赤になってる。
そう思ったらすごく恥ずかしくなって、顔を隠したい一心で温和の胸元へ擦り付いた。
お願い。少し落ち着くまで、どうかこのままっ。
って思ってるのにぃーーーーっ!!
「ちょっ、やだ! 温和っ」
グイッと温和の胸元から顔を引き剥がされて、私は慌てて顔を背ける。
「音芽、こっち向けよ」
なのに何で追い討ちかけて来るの?
「あ、あのっ、ちょっと今は……無理、かなっ」
本当、もう少しだけ待ってくれない?
出来れば私の両肩を掴んだままのその手を離してもらえると、もっと早く回復すると思いますっ。
ゴニョゴニョとそう言ったら、手を離してくれてホッとしたの。それなのに――。
「ひゃっ……!」
いきなり温和に抱き上げられて、私はびっくりしてしまう。
女の子憧れの横抱き……。お姫様抱っこ。何度かされたことあるけれど、照れくさいし、自分は重いんじゃないかとか色々気になるものなのよ?
それにね、今は特にダメ。本当にダメ。
こんなのされたらますます温和を意識してしまうじゃないっ。
だから本当、やぁーめぇーてぇーっ!
足をジタバタしたらミュールが両方とも足をすっぽ抜けて飛んでいってしまった。
コン、コンという音が2回したけど……。やーん! お行儀悪いっ。っていうか、どこ、飛んでったのっ!?
あれやこれや恥ずかしすぎて、私は両手で顔を覆い隠した。
顔が熱いのに比べて、手はめちゃめちゃ冷たくて。
私、緊張すると子供の時からすぐ手が冷たくなるの。
火照った頬に冷たい手のひらの感触が心地いい。
とか悠長なことを思っている余裕すらなくてっ。
温和、私をどこに運ぶの!?
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