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鳥飼先生、大丈夫ですか?
俺が面倒見ますんで
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それを誤魔化すように、
「あ、あのっ……荷物、有難う。……ございましたっ」
机上に置かれたカバンを、引き出しに仕舞いながら、隣の席の温和に恐る恐るお礼を言う。
まだ週末気分が抜けきっていなくて、またしても危うく敬語を忘れそうになってしまった。
あーん、あとで叱られちゃうかも……。
「……鳥飼先生、今日は極力歩かないように過ごしてください。困った時は声かけてもらったら、俺がすぐサポートしに行きますので、遠慮なく言うように。朝礼で怪我のことと一緒にその旨話しますが、異論はないですね?」
口調は丁寧だけど、黙って俺の言うことを聞け、と言われているようで、私は「はい」と首肯しながらも、心の中で苦笑する。――ああ、やっぱり温和は温和だなぁーって。
温和のその言葉に、私の正面の席に座る鶴見先生がガタッと勢いよく立ち上がると、「あ、あのっ。それだったら僕のことも遠慮なく頼ってください! すぐ駆け付けますのでっ!」と言ってくださって。
温和と違って威圧感のない言い方に、自然頬がほころんだ。
温和も、鶴見先生も私の受け持ちクラスの両隣の教室。
鶴見先生は、ほんわかしていて何となく温和より頼みごとをしやすいし、必要ない時にはさっきみたいに割とスパッと断りやすいから、そう言ってもらえると助かるかも。
温和は怖いし、もしもの時は鶴見先生を頼っちゃおうかな。
「あ、あのっ、すごく助かりま――……」
私がにっこり笑って二人に――と言うより主に鶴見先生に――頼りにしてますオーラ全開のお礼を言おうとしたら――。
「鳥飼先生のサポートは学年主任の俺がしますんで、大丈夫です。鶴見先生には、俺が鳥飼先生についてる間、もしかしたらうちのクラスと彼女のクラスの児童らのことをお願いすることがあるかもしれないんで、そっち方面でのサポートをしていただけたら助かります」
にっこり笑って温和が鶴見先生にそんなことを言う。
ちょっ、温和っ。私、いくらなんでも児童らを放ったらかしにして鶴見先生のお手をわずらわせるようなSOSの出し方はしないつもりよ?
それは温和も、でしょう!?
そ、それに! どちらの先生を頼るかくらい、私に決定権を残しておいてくれても!
なんだか心がざわざわして、思わず温和をそわそわと見つめたら、至極不機嫌そうな顔で睨まれてしまった。
え? なんで? 私、何かした? 意味分かんないっ!
***
そんな最中。
「おはようございます。皆さん何話していらっしゃるんです? 私も仲間に入れてくださいな」
ほわっとした物言いをしながら、鶴見先生の隣――温和の正面――の席に逢地撫子先生が着席なさる。
「おはようございます」
各々に挨拶を交わしながら、逢地先生の動きを目で追う。
「あ、あのっ……荷物、有難う。……ございましたっ」
机上に置かれたカバンを、引き出しに仕舞いながら、隣の席の温和に恐る恐るお礼を言う。
まだ週末気分が抜けきっていなくて、またしても危うく敬語を忘れそうになってしまった。
あーん、あとで叱られちゃうかも……。
「……鳥飼先生、今日は極力歩かないように過ごしてください。困った時は声かけてもらったら、俺がすぐサポートしに行きますので、遠慮なく言うように。朝礼で怪我のことと一緒にその旨話しますが、異論はないですね?」
口調は丁寧だけど、黙って俺の言うことを聞け、と言われているようで、私は「はい」と首肯しながらも、心の中で苦笑する。――ああ、やっぱり温和は温和だなぁーって。
温和のその言葉に、私の正面の席に座る鶴見先生がガタッと勢いよく立ち上がると、「あ、あのっ。それだったら僕のことも遠慮なく頼ってください! すぐ駆け付けますのでっ!」と言ってくださって。
温和と違って威圧感のない言い方に、自然頬がほころんだ。
温和も、鶴見先生も私の受け持ちクラスの両隣の教室。
鶴見先生は、ほんわかしていて何となく温和より頼みごとをしやすいし、必要ない時にはさっきみたいに割とスパッと断りやすいから、そう言ってもらえると助かるかも。
温和は怖いし、もしもの時は鶴見先生を頼っちゃおうかな。
「あ、あのっ、すごく助かりま――……」
私がにっこり笑って二人に――と言うより主に鶴見先生に――頼りにしてますオーラ全開のお礼を言おうとしたら――。
「鳥飼先生のサポートは学年主任の俺がしますんで、大丈夫です。鶴見先生には、俺が鳥飼先生についてる間、もしかしたらうちのクラスと彼女のクラスの児童らのことをお願いすることがあるかもしれないんで、そっち方面でのサポートをしていただけたら助かります」
にっこり笑って温和が鶴見先生にそんなことを言う。
ちょっ、温和っ。私、いくらなんでも児童らを放ったらかしにして鶴見先生のお手をわずらわせるようなSOSの出し方はしないつもりよ?
それは温和も、でしょう!?
そ、それに! どちらの先生を頼るかくらい、私に決定権を残しておいてくれても!
なんだか心がざわざわして、思わず温和をそわそわと見つめたら、至極不機嫌そうな顔で睨まれてしまった。
え? なんで? 私、何かした? 意味分かんないっ!
***
そんな最中。
「おはようございます。皆さん何話していらっしゃるんです? 私も仲間に入れてくださいな」
ほわっとした物言いをしながら、鶴見先生の隣――温和の正面――の席に逢地撫子先生が着席なさる。
「おはようございます」
各々に挨拶を交わしながら、逢地先生の動きを目で追う。
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