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第1章 少年期〜覚醒編〜
第7話 自信
しおりを挟むぼくには経験がある
1489敗したという経験
敗北の日々……
だけど、負けるということは決して悪いことばかりじゃない
負けることで、ぼくは少しずつ戦闘スタイルに改良を重ねて今に至ることができたんだから。
そして、自信がついたんだ。
圧倒的に格上の剣士であるお父さんに、いくらでも立ち向かっていこうと思える自信が……
ぼくは、これを無謀な自信だとは思っていない。
"何度敗北しても、諦めずに努力を重ねる自分の底力を信られること"
これがぼくの自信……
この五年間で得た、最も大きな戦力だ。
━━━━━さあ、行くぞ!
敗北して、分析し続けてわかったことは多大にある。
そのうちの一つは、お父さんの剣は攻防どちらとも隙が無いということ。
序盤、中盤、終盤……すべてにおいてだ。
こちらの動きを、天性の感覚で見抜かれているかのようにさえ感じられる。
だけど、鉄壁のお父さんを倒せそうなアイデアは、いくつか浮かんでいる。
そのうち、まだ試したことのないものを、今日も今日とて全力で繰り出していこうと思う。
「そろそろ準備ができたみたいだな」
「はい、今日こそお父さんを倒してみせます!」
「いい心がけだなぁ~ファミリア。
そんじゃあ~、いつも通り俺も構わず全力で迎え打つぜ
……試合開始だ!」
お父さんは、今日も手を抜かずにぼくと戦ってくれるらしい。
これは、お父さんなりの優しさなんだと僕は思う。
これから先、最強を目指すぼくには、格上相手の戦闘という避けられない道があるはずだ。
きっと、それを見越してぼくには全力で試合をしてくれるんだ。
ぼくは、その期待に応えなくちゃ!
「《縮地(スキルLv.6/10)》」
試合開始の合図が降りた瞬間、ぼくはステップ系スキルの"縮地"を発動する
このスキルは、主に細剣使いなど、スピード重視の職業に好んで使われるものだ
今ぼくが持っているのは木剣だから、そこそこ重量があってこのスキルを使うには本領を発揮しづらいんだが……
それも(スキルLv.6/10)のおかげで、だいぶマシになってはいる
とはいっても、ぼくのは第一段階スキルだから、その真価を発揮するにはまだまだ遠いみたいだ
「《縦斬り返し(スキルLv.9/10)》」
「ほうほう、いい作戦だったな~ファミリア。
試合開始とともに"縮地"を使い、八メートルほど離れた俺のところまで高速移動する。
それから、"縦斬り返し"で怒涛の猛攻ってわけか……甘いな」
「……」
「その作戦は、そこらにいる剣士相手には効くいいだったということだ。
ファミリアは、常人からすれば圧倒的とも言えるそのスピードで、不意を突いた攻撃のつもりだったんだろうが
そんなの……お父さんには通用しません!」
「クソ、この作戦もだめだったか……」
「あっ!今、クソ……って言ったな~
そんな、はしたない言葉を使ってはいけません!」
うわ~、今よけいに悔しいな
お父さんがあんなふうに
"○○しちゃいけません!"キャラになるときって、たいてい相手を指南の対象だと認識しているときなんだよなぁ
……けど、ここで諦めようとは思わない
本当のスキル猛攻はこれからだ!
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