〝文明の星〟理論 まとめ（改訂版）

４ 文明の潮流（トレンド）が分かれば、未来が分かる！

農業、工業、情報、ＡＩ時代というように
文明が螺旋上昇的循環スパイラル・アップ・サイクルを重ねてゆき、
技術にできることが増えて、社会が変わっていくと、
政策がすべきことも増えていきます。
簡単に言うと〝モノを作って分けたなら、
ヒトも高めて活かしましょう！〟となります。
　
詳しく言うと、
①富の生産・安全に関わる技術的政策
（農地開発や都市建設、軍事活動）
②富の配分・投資に関わる経済・社会政策
（産業振興や社会保障）
③人の向上・支援に関わる人的資源政策
（子育て・学び直しリスキリングや介護・疾病予防）
④人の活用・参画に関わる行政管理政策
（国際連携や市民参画、官民協働）
という順番で、重要な政策分野が増えてきました。　

富国強兵や健康福祉といった言葉は、
その各段階を結ぶ移行期の用語だったといえます。
将来は産学官協働や社会的健康、能力活用のような
言葉が、時代を表すようになるのかもしれません。

これを文明の潮流トレンドと言うことができます。
現代の政策で求められる文明の持続可能性に、
環境、経済、（人間含む）社会、政策の４つがあるのも、
この潮流によるものと説明できます。

現代社会の課題は、地球環境の限界や社会活動の複雑化、
（社会的含む）健康水準の低下、制度変更の加速化です。
かつては開拓や戦争といった技術的政策の中で、
私のような虚弱者、短慮者や遅れた制度も淘汰されました。
企業活動や社会事業を促す経済・社会政策の結果として、
人材の育成や活用が進んだ面もあるでしょう。

しかし今では、地球の限界や世界の一体化、生活の向上、
武器の強力化などにより、状況はさらに変化しています。
地球上における新たな開拓の余地は減り、
戦争の損失ロスや費用コスト、危険リスクが過大となって、
社会保障や産業活動への負担も増えつつあります。
加えて、人々や制度の犠牲が多い淘汰は不可となり、
より代償少なく、適切な人間の向上と活用も含めた、
社会課題の解決が求められています。

一方で新たな技術は、
モノの生産と配分（安全や投資を含む）に加え、
ヒトの向上と活用（支援や参画を含む）も
直接的に増進することができます。

そのため今後はＡＩを中心とした新技術が、
技術的政策と経済・社会政策に関わる
研究・開発や人的役務サービス代行だけでなく、
人的資源政策と行政管理政策に関わる
先進医療・教育や人材活用、利害調整の分野でも、
大きく役立ってくれるでしょう。　

そして、政策の両輪は、必要性と許容性です。
社会の変化が淘汰に伴う代償の低減を求め、
技術の進歩が〝新たな富〟の生産と配分ともいえる、
健康と教育の向上と活用も飛躍的に増進できる時、
富の生産と配分に続き、人の向上と活用も大切になる
新たな〝文明の潮流トレンド〟が生まれます。

国際支援政策における〝人間の安全保障〟という用語
（資源・環境や貧困・紛争問題の解決のためにも、
保健や教育の向上が重要という考え）や、
ＳＤＧｓの〝誰ひとり取り残さない〟という標語
（富の生産と配分だけでなく人の向上と活用も増進し、
個人や組織の破滅的淘汰を防ぐという理念）、
Societyソサエティ５．０を示す〝人間中心の社会〟という表現
（人間が在来技術に制約された社会の部品から、
新技術を用いて社会を築く政策の主体になる発想)は、
まさにそうした流れを示していると思います。

このような流れは良くも悪くも、
〝より少ない費用でより大きな利益を
得られる方法はないか？〟と求める〟
限りない想像力や欲求に基づいた、
知性あるいは人間性の建設的な表れである、
とも説明できるかもしれません。

惑星上における文明の持続的発展サステナブル・ディベロップメント
（developmentは開発とも発展とも訳せる）の達成は、
未来の本格的な宇宙進出の際にも、
宇宙船や地球外施設という閉鎖系クローズド・システムにおける
文明活動の維持・発展に役立つことでしょう。
人類文明のさらなる発展に、期待します。