2 / 6
2 『銀英伝』がくれた文明論
しおりを挟む
私は『銀河英雄伝説』などの名作に刺激を受けて、素人SF『Lucifer(ルシファー)』シリーズを書くうちに、次のような文明理論(仮説)を考えることができました。
文明とは、高度な技術を伴う社会活動の様式であり、それには六つの要素があると思います。
まず、①科学・技術、②経済・社会活動、③制度・政策。これらは、個人の活動でいえば、知る(認識)、する(行動)、決める(決定)に対応しています。
文明活動の本体は、全ての人々が営む経済・社会活動(ここでは文化活動や行政活動も含む)ですが、科学・技術はそれを豊かにするため、制度・政策はそれを健全に保つために、分業化した活動といえましょう。
歴史的にみると文明は、技術が進めば社会が変わり、社会が変われば政策が変わり、その政策がさらなる技術開発を促すという順序で、発展してきました。科学・技術が進歩すると経済・社会活動が豊かになりますが、同時に複雑・加速化するので、利害の衝突が増えます。それを防ぐために利害調整政策が生まれますが、他方でその限界を克服するため、次世代技術の導入政策も求められるのです。
しかし、科学・技術は④物的資源に具現化されないと、社会を豊かにできませんし、制度・政策は⑤人的資源を通じて実現されないと、社会を健全に保てません。制度・政策が次の科学・技術を開発するにあたっては、⑥自然・社会環境への考慮が必要です。これらを簡単にいえば、モノ、ヒト、環境となりましょう。
⑥について説明しますと、現代では巨大科学と言われるように、科学・技術の研究・開発には多くの物資、人材、資金や波及効果への配慮が必要なので、政策による支援が不可欠です。またその際には、資源産出や技術移転の可否、社会の需要や価値観などの、自然・社会環境が制約または促進条件として働くのです。
以上①~⑥の要素は、〝ダビデの星〟や〝籠目紋〟とも呼ばれる、六芒星(✡)の形で図示でき、私はこれを『文明の星(The Star of Civilization)』、これによる文明論を〝文明の星〟理論(仮説)と呼んでいます。
文明とは、高度な技術を伴う社会活動の様式であり、それには六つの要素があると思います。
まず、①科学・技術、②経済・社会活動、③制度・政策。これらは、個人の活動でいえば、知る(認識)、する(行動)、決める(決定)に対応しています。
文明活動の本体は、全ての人々が営む経済・社会活動(ここでは文化活動や行政活動も含む)ですが、科学・技術はそれを豊かにするため、制度・政策はそれを健全に保つために、分業化した活動といえましょう。
歴史的にみると文明は、技術が進めば社会が変わり、社会が変われば政策が変わり、その政策がさらなる技術開発を促すという順序で、発展してきました。科学・技術が進歩すると経済・社会活動が豊かになりますが、同時に複雑・加速化するので、利害の衝突が増えます。それを防ぐために利害調整政策が生まれますが、他方でその限界を克服するため、次世代技術の導入政策も求められるのです。
しかし、科学・技術は④物的資源に具現化されないと、社会を豊かにできませんし、制度・政策は⑤人的資源を通じて実現されないと、社会を健全に保てません。制度・政策が次の科学・技術を開発するにあたっては、⑥自然・社会環境への考慮が必要です。これらを簡単にいえば、モノ、ヒト、環境となりましょう。
⑥について説明しますと、現代では巨大科学と言われるように、科学・技術の研究・開発には多くの物資、人材、資金や波及効果への配慮が必要なので、政策による支援が不可欠です。またその際には、資源産出や技術移転の可否、社会の需要や価値観などの、自然・社会環境が制約または促進条件として働くのです。
以上①~⑥の要素は、〝ダビデの星〟や〝籠目紋〟とも呼ばれる、六芒星(✡)の形で図示でき、私はこれを『文明の星(The Star of Civilization)』、これによる文明論を〝文明の星〟理論(仮説)と呼んでいます。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
『デビルマン』について
平 一
エッセイ・ノンフィクション
『傑作の秘密、分かりました。』
それは①逆転の物語展開と、②SF的な世界設定により、③文明論的な規模の恐怖という主題を描いたことにあります。
2018年には初の全編アニメ化作品も公開され、嬉しかったです。
文明の持続可能性
平 一
エッセイ・ノンフィクション
『今なぜ、持続可能性? そして、何の持続可能性?』
最近よく、環境問題から経済、社会、行政に至るまで、
様々な分野で、〝持続可能性〟という言葉を聞きます。
それは今、私達が、文明活動全体の持続につき、
文明活動自体を原因として、文明活動総体であたるべき課題に直面し、
また取り組めるようになったからではないでしょうか。
ゆえに、それを一言で表現すれば、〝文明の持続可能性〟であると考えます。
持続可能性について、私見の〝文明の星〟理論(仮説)をもとに読み解いてみました。
持続可能性とは地域政策から国家、国際政策にまで共通する政策課題であり、
この理論の政策分類を使って理解すれば、分かりやすいと思います。
環境的(エンヴァイロンメンタル)な持続可能性は技術的政策、
経済的(エコノミック)な持続可能性は経済政策、
社会的(ソーシャル)な持続可能性は社会政策と人的資源政策に対応する課題といえます。
これらはいずれも、文明活動の本体たる、経済・社会活動全体を対象としています。
政治的(ポリティカル)な持続可能性は、
行政活動自身を対象とする、行政管理政策に対応する課題といえますが、
行政活動も広い意味では経済・社会活動に含まれるので、
現在のところは他の3つの持続可能性の中に分けて、含めることができましょう。
いま、世界共通の政策課題は、人類文明の持続可能性であると思います。
新たな技術と政策で、私達が地球上における文明の持続可能性を達成し、
さらには宇宙にも文明活動を広げていけるよう、期待します。
〝文明の星〟理論は、アイドルマスターやバンドリのYoutube動画に刺激を受けて、
SF「〝Lucifer〟断章」などを書く中で考えました。
動画については、「『〝Lucifer〟断章』を幻視(み)せたもの」にまとめました。
ご興味がおありの方は、あわせてご覧いただけましたら幸いです。
AI文明論
平 一
エッセイ・ノンフィクション
〝AIは人類文明に何をもたらすか!?〟
文系の文明論オタクがAIについて考えました。
人工知能(AI)は農耕・動力機関・電算に続き、
文明の発展段階を分ける〝画期技術〟であり、
文明の持続的発展に不可欠なものだと思います。
『人工知能の画期的性格について』を改稿しました。
次の作品に勇気をいただき、書き直しました。
動画:
『Agape』 https://www.youtube.com/watch?v=96V4dol3bXE
『Showroom Dummies』 https://www.youtube.com/watch?v=rVNiBJM4wL0
『未来の僕らは知ってるよ』 https://www.youtube.com/watch?v=RdUENJeYUYI
『FairyTaleじゃいられない』 https://www.youtube.com/watch?v=3ZMdF3bhJR0
素敵な刺激を与えてくれる、文化的作品に感謝します。
陰謀論?
平 一
エッセイ・ノンフィクション
あの敗戦や経済危機、あの事故や経営危機は、もしかしたら防げたのでしょうか!?
もしもあなたが世界を動かせるとしたら、どうしますか? そして動かされる方になったら?
TVドキュメンタリーを見ていたら、そんなことを考えてしまいました。
技術と政策
平 一
エッセイ・ノンフィクション
『いつも仲良し二人の姉妹、共に社会を支えます!』
〝文明の両輪〟技術と政策は左右対称のカタチで説明できる!
(ざっくりですが)社会がわかる文明論、画期的な大発見!?
次の作品に勇気づけられて、書きました。
『Tiny Stars』 https://www.youtube.com/watch?v=rOUY6A4tavE
『ハーモニクス』 https://www.youtube.com/watch?v=JQazzeXYV5w
『Aile to Yell』 https://www.youtube.com/watch?v=qt9tf1wfJ3A&list=RDMMjzuhI-Ll7TE&index=3
『HELLO!!』 https://www.youtube.com/watch?v=yfC98uB6u_Y&t=40s
素敵な刺激を与えてくれる、文化的作品に感謝します。
私見〝文明の星〟理論の解説です。
人類を繁栄させた〝文明〟の全体像について、
〝知る、する、決める、モノ、ヒト、環境〟
(技術、社会、政策、物資、人材、地歴)という、
6つの要素を星形に並べることで、説明する理論です。
今回は、これらの要素を矢印で結ぶだけで、
文明社会の両輪である様々な技術と政策が、
完全に左右対称の形で説明できるというもので、
自画自賛ながら画期的かも!?という部分です。
自然から富を得て、社会を豊かにする技術と、
人間同士で富を分け、社会を健全に保つ政策には、
どちらも直接・間接・自助・互助という、
対称的な4つずつのルートがあります。
それが分かると『第三の波』、『シンギュラリティは近い』、
『サピエンス全史』など、技術・社会論のベストセラーや
デジタル改革、ソサエティ5.0、SDGsといった、
地域から国、国連に及ぶ政策の、要点が理解できます。
学習のお伴や仕事のヒント、面白話のタネにでも……、
科学・技術も政策も、経済・社会も人間も、
まとめて分かる文明論!
ご興味のある方は、他作品もご覧いただけましたら幸いです。
人工知能の画期的性格について(新版)
平 一
エッセイ・ノンフィクション
『AIは 未来を拓(ひら)く 新技術!』
素人が無謀にも、文明論から人工知能について考察した、
知的エンタテインメント!
私達は今、地球環境の限界、社会活動の複雑化、経年・経代的な健康水準の低下、
政策の巨大化と分権化の必要性といった、社会課題に直面しています。
それらは人類文明の持続的発展に関わる課題であり、技術的政策、経済・社会政策、
人的資源(保健・教育)政策、行政管理政策の全てにわたる政策課題ともいえます。
人工知能を中心とする次世代技術は、富の生産と分配に加え、人の向上と活躍も助け、
環境、経済、(人間含む)社会、政策の全てにおいて、持続的発展を可能とする技術です。
技術と政策は文明の両輪、二本柱であり、ある技術水準で利害調整政策を極めたら、
その限界を破る新技術導入政策が必須となるので、人工知能とその開発・活用政策に期待します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる