7 / 8
6 人間と文明の関係が分かる!
しおりを挟む 朝目覚めると、スフィーナはダスティンの執務室にいた。
昼寝用という名目で置かれているベッドは、実はダスティンがいつも使っているものだ。
ダスティンは決して寝室には近寄らない。
義母にはにこにこと笑みを見せているが、決定的な距離は空けている。
貴族の結婚なんてこんなものなのだろうと思うものの、スフィーナは父が何を考えているのかよくわからなかった。
「スフィーナ様、お目覚めになられましたか?」
そっと声をかけてくれたのは、アンナだ。
ずっと傍にいてくれたらしい。
「ええ、体もすっかり軽くなったわ。急いで部屋に戻らなければ。ミリーに見つかったらまた何を言われるか」
義母は積極的にスフィーナに近寄ってくることはないが、ミリーはスフィーナがまた一人で『ズルイ』ことをしていないかとよく様子を見にやってくる。
執務室のベッドで寝ていたなどと知られたら、またグチグチと言われることだろう。
「大丈夫です。リンが代わりにあの部屋で寝ていますから。髪色も似ていますし、ミリー様は風邪をうつされたくはないと、足元から覗き込むことしかしませんし」
「リンが? それは申し訳ないことをしたわね」
「いえ。スフィーナ様のベッドはふかふかだって喜んでましたし、昨夜ミリー様に粥を取り上げられてしまったことをずっと悔いていましたから。今度は騙し通して見せるってはりきってましたよ」
リンがぐっと拳を握り締めている姿が想像できて、スフィーナとアンナは目を見合わせて笑った。
「お父様はもうお出かけになったの?」
「ええ。旦那様もずっとこの部屋のソファでお休みになられていました。額のタオルも、何度も替えてくださって。本当に旦那様はスフィーナ様のことを大事に思われてるんだなって実感しました。時折何故こんなひどい目にあっているスフィーナ様を放っておくのかと恨めしく思うこともありますが、何か事情がおありになるんだろうなと思わされました……」
ダスティンが何を考えているかはわからない。
けれど何をしようとしているかは、スフィーナには何となくわかる気がしていた。
だからそれを妨げることのないように気を付けていた。
そう言えば、夜中に夢うつつの中でダスティンが「もう少しだ」と言っていたような気がして、スフィーナは記憶を巡らせた。
しかしぼんやりとした記憶で、前後の言葉もよく思い出せなかった。
ふと、スフィーナは右手の小指に嵌められた指輪を眺めた。
なんとなく母のサナが守ってくれているような、そんな気がした。
・・・◆・・・◇・・・◆・・・
「もう本当にパン粥って役に立ちませんのね! 夜中ずっとお腹が空いて空いて堪らなかったわ。夜食を食べに起きようと思ったのだけれど、眠くて全然体が動かなくて。ずっと夢の中でお腹が空いたと騒いでいたもの。パン粥が体形維持にいいなんて、嘘! すぐにお腹が空いて夜食を食べたくなるもの、逆に太ってしまうわ」
それでもミリーは太ってはおらず、同年代がうらやむくらいの体形は維持しているのだから、そもそもそのためにパン粥なんて食べなくたってよかったのだ。
本当にスフィーナのものは何でも欲しくなってしまうだけなのだろう。
そして奪った後はぞんざいに切り捨て、こうして文句を言う。
そこまでがお決まりなのだ。
スフィーナが必要としているものなど簡単に得られる。たがそんなものはミリーには不要だと示して見せることで満足しているのだろう。
それがスフィーナより優位だと感じられる唯一の手段なのかもしれない。
それで本当に欲しいものが得られるわけでもないのに。
非合理的で、ある種憐れだともスフィーナは思う。
「でも、一食抜くよりもお腹には入っているはずなのに、どうしてあそこまで空腹感を覚えたのかしら。耐えがたいほどにお腹が空いていたのよ。だけど起きられないから、まるで地獄の責め苦のようだったわ」
そう言いながら、パクパクと肉を口に運んだ。
スフィーナもそれと悟られぬよう笑いを堪えながら、もくもくと朝食を食べた。
昨夜食べられなかったパン粥を温めてもらったのだが、パンがとろりと口のなかでほぐれて、病み上がりのお腹に優しく沁みた。
それをまたミリーが見咎めて、むっとしたように眉を顰めた。
「私があれほどオススメしないと言ったのに、それでもお姉さまはそのようなものを食べるんですのね。お姉さまったら意固地だわ。私の言葉なんて、どれも聞いてはいないのね。私が何を言っても気に入らないんだわ」
「そうじゃないわ。とても普通の食事は入りそうにないのよ」
「そう言っていつまでもそんなものを食べているからよ。それとも勝手にそんなものを作った使用人に気を遣ってるの? 私達のために働くのが当たり前なのに。お姉さまがそんなだから、使用人たちはつけあがるのよ。お姉さまは長女なんだから、そんなことではいけないわ」
我儘放題で人を振り回すだけのミリーに『あるべき長女』など語られたくはなかったが。
「ミリー、私のために食事が冷めてしまってはあなたに申し訳ないわ。どうぞ気にせず朝食を。あ、もうこんな時間ね。遅刻してしまうわ」
今朝は体も軽いし、学院に行くのにも支障はないだろう。
食事を終え、立ち上がったところに不機嫌な顔の義母がやってきた。
「お義母さま、おはようございます」
「熱を出したのですってね。あの部屋が気に入らなかった当てつけなんでしょう。やることが浅ましいのよ」
腕を組み、じろじろと睨めつける義母に、スフィーナは顔を俯けた。
こういう時は何を言っても怒りを煽るだけだ。否定も肯定もせず、殊勝な態度を見せている他はない。
「ふん……。またその被害者ヅラも見飽きたわ」
それでもこうして文句は言われるのだけれど。
これが最短時間で終われる道であるのは間違いない。
これまでスフィーナがあれこれ試した末にたどり着いた結論だ。
だが今日の義母はそれだけでは終わらなかった。
「まったく。あの女の娘を仕方なく家においてやってるっていうのに。忌々しいったらないのよ」
その言葉には、スフィーナは思わずぴくりと眉を上げてしまった。
顔を俯けていてよかったと心から思う。
母を悪く言われるのだけは許せない。
これ以上続きませんようにと祈るように、揃えた手をぐっと握り締める。
義母はそのわずかな動きを見逃さなかった。
「また反抗的な態度。さすがあの女の娘ね。本当は全て私のものだったのに、憎たらしいったらないわ」
ミリーと義母は間違いなく親子だ。
言っていることが全く同じ。
全ては自分のものであるべきで、何かが誰かのものであることが許せないのだろうか。
スフィーナはぐっと奥歯を噛みしめ、言葉を押し込んだ。
その時義母は、ふっとスフィーナの傍にあるものに目を留めた。
いつも食事をすぐに持ってきなさいと怒鳴る義母のために、給仕が朝食を乗せた盆を運んでいたものの、スフィーナと義母が立ちはだかっており立ち往生していたのだ。
盆の上には義母に言いつけられている通り、熱い紅茶が一杯と、スープの皿、それからサラダがのっていた。
俯いているスフィーナにも、義母がよからぬことを考えている気配は感じ取れた。
だがはっとしたときにはもう遅かった。
「あら失礼。手が滑ったわ」
義母はぞんざいに手を振ると、紅茶のカップをスフィーナ目掛けて払った。
「……!!」
ぱしゃりと掛かった紅茶は服を濡らして張り付き、震えるほどに熱かった。
運よく割れずに転がった紅茶のカップを見つめながら、スフィーナはぐっと手を握り締め堪えた。
ここで熱がればみっともないと騒ぐのは目に見えているから。
だがその時だった。
「あっ、あ――!!」
突然カップがなくなったことでお盆のバランスが崩れてしまったらしい。
給仕は慌てて持ち直そうとしたものの、湯気の立ったスープを乗せたお盆は義母へと向かって傾いていった。
「ちょっと、何して――!!」
危ない、と思ったときにはスープは義母へとその身を投げ出していた。
「きゃああぁぁぁっっ!! あつい、あついわよ! 何してくれてるの、早く拭きなさいよこのノロマ!!」
義母はあつい、あついと身を躍らせながら、周囲で身をすくませている使用人たちを叱責した。
とろりとしたコーンスープは義母の体にまとわりつき、腕を振っても落ちない。
「お母様?! ちょっと、あんたたち早く何か冷たい物でも持ってきなさいよ! 早く、早く!」
ミリーの声にはっとしたように我に返った使用人たちが慌てて動き出したところで、スフィーナはそっと退室した。
アンナが急ぎ着替えと冷やしたタオルを用意してくれて、スフィーナはやっと一息ついた。
義母は自業自得ではあるのだが、カップ一杯の紅茶でもあれだけ熱かったのだ。
火傷になっていないといいのだが。
そんな心配を口にすると、着替えを手伝ってくれていたアンナはきっぱりと「いい薬です」と言い放った。
そうね、と同調してしまうのも申し訳なかったが、アンナのあまりの言い切りぶりに、つい少しだけ、吹き出してしまった。
昼寝用という名目で置かれているベッドは、実はダスティンがいつも使っているものだ。
ダスティンは決して寝室には近寄らない。
義母にはにこにこと笑みを見せているが、決定的な距離は空けている。
貴族の結婚なんてこんなものなのだろうと思うものの、スフィーナは父が何を考えているのかよくわからなかった。
「スフィーナ様、お目覚めになられましたか?」
そっと声をかけてくれたのは、アンナだ。
ずっと傍にいてくれたらしい。
「ええ、体もすっかり軽くなったわ。急いで部屋に戻らなければ。ミリーに見つかったらまた何を言われるか」
義母は積極的にスフィーナに近寄ってくることはないが、ミリーはスフィーナがまた一人で『ズルイ』ことをしていないかとよく様子を見にやってくる。
執務室のベッドで寝ていたなどと知られたら、またグチグチと言われることだろう。
「大丈夫です。リンが代わりにあの部屋で寝ていますから。髪色も似ていますし、ミリー様は風邪をうつされたくはないと、足元から覗き込むことしかしませんし」
「リンが? それは申し訳ないことをしたわね」
「いえ。スフィーナ様のベッドはふかふかだって喜んでましたし、昨夜ミリー様に粥を取り上げられてしまったことをずっと悔いていましたから。今度は騙し通して見せるってはりきってましたよ」
リンがぐっと拳を握り締めている姿が想像できて、スフィーナとアンナは目を見合わせて笑った。
「お父様はもうお出かけになったの?」
「ええ。旦那様もずっとこの部屋のソファでお休みになられていました。額のタオルも、何度も替えてくださって。本当に旦那様はスフィーナ様のことを大事に思われてるんだなって実感しました。時折何故こんなひどい目にあっているスフィーナ様を放っておくのかと恨めしく思うこともありますが、何か事情がおありになるんだろうなと思わされました……」
ダスティンが何を考えているかはわからない。
けれど何をしようとしているかは、スフィーナには何となくわかる気がしていた。
だからそれを妨げることのないように気を付けていた。
そう言えば、夜中に夢うつつの中でダスティンが「もう少しだ」と言っていたような気がして、スフィーナは記憶を巡らせた。
しかしぼんやりとした記憶で、前後の言葉もよく思い出せなかった。
ふと、スフィーナは右手の小指に嵌められた指輪を眺めた。
なんとなく母のサナが守ってくれているような、そんな気がした。
・・・◆・・・◇・・・◆・・・
「もう本当にパン粥って役に立ちませんのね! 夜中ずっとお腹が空いて空いて堪らなかったわ。夜食を食べに起きようと思ったのだけれど、眠くて全然体が動かなくて。ずっと夢の中でお腹が空いたと騒いでいたもの。パン粥が体形維持にいいなんて、嘘! すぐにお腹が空いて夜食を食べたくなるもの、逆に太ってしまうわ」
それでもミリーは太ってはおらず、同年代がうらやむくらいの体形は維持しているのだから、そもそもそのためにパン粥なんて食べなくたってよかったのだ。
本当にスフィーナのものは何でも欲しくなってしまうだけなのだろう。
そして奪った後はぞんざいに切り捨て、こうして文句を言う。
そこまでがお決まりなのだ。
スフィーナが必要としているものなど簡単に得られる。たがそんなものはミリーには不要だと示して見せることで満足しているのだろう。
それがスフィーナより優位だと感じられる唯一の手段なのかもしれない。
それで本当に欲しいものが得られるわけでもないのに。
非合理的で、ある種憐れだともスフィーナは思う。
「でも、一食抜くよりもお腹には入っているはずなのに、どうしてあそこまで空腹感を覚えたのかしら。耐えがたいほどにお腹が空いていたのよ。だけど起きられないから、まるで地獄の責め苦のようだったわ」
そう言いながら、パクパクと肉を口に運んだ。
スフィーナもそれと悟られぬよう笑いを堪えながら、もくもくと朝食を食べた。
昨夜食べられなかったパン粥を温めてもらったのだが、パンがとろりと口のなかでほぐれて、病み上がりのお腹に優しく沁みた。
それをまたミリーが見咎めて、むっとしたように眉を顰めた。
「私があれほどオススメしないと言ったのに、それでもお姉さまはそのようなものを食べるんですのね。お姉さまったら意固地だわ。私の言葉なんて、どれも聞いてはいないのね。私が何を言っても気に入らないんだわ」
「そうじゃないわ。とても普通の食事は入りそうにないのよ」
「そう言っていつまでもそんなものを食べているからよ。それとも勝手にそんなものを作った使用人に気を遣ってるの? 私達のために働くのが当たり前なのに。お姉さまがそんなだから、使用人たちはつけあがるのよ。お姉さまは長女なんだから、そんなことではいけないわ」
我儘放題で人を振り回すだけのミリーに『あるべき長女』など語られたくはなかったが。
「ミリー、私のために食事が冷めてしまってはあなたに申し訳ないわ。どうぞ気にせず朝食を。あ、もうこんな時間ね。遅刻してしまうわ」
今朝は体も軽いし、学院に行くのにも支障はないだろう。
食事を終え、立ち上がったところに不機嫌な顔の義母がやってきた。
「お義母さま、おはようございます」
「熱を出したのですってね。あの部屋が気に入らなかった当てつけなんでしょう。やることが浅ましいのよ」
腕を組み、じろじろと睨めつける義母に、スフィーナは顔を俯けた。
こういう時は何を言っても怒りを煽るだけだ。否定も肯定もせず、殊勝な態度を見せている他はない。
「ふん……。またその被害者ヅラも見飽きたわ」
それでもこうして文句は言われるのだけれど。
これが最短時間で終われる道であるのは間違いない。
これまでスフィーナがあれこれ試した末にたどり着いた結論だ。
だが今日の義母はそれだけでは終わらなかった。
「まったく。あの女の娘を仕方なく家においてやってるっていうのに。忌々しいったらないのよ」
その言葉には、スフィーナは思わずぴくりと眉を上げてしまった。
顔を俯けていてよかったと心から思う。
母を悪く言われるのだけは許せない。
これ以上続きませんようにと祈るように、揃えた手をぐっと握り締める。
義母はそのわずかな動きを見逃さなかった。
「また反抗的な態度。さすがあの女の娘ね。本当は全て私のものだったのに、憎たらしいったらないわ」
ミリーと義母は間違いなく親子だ。
言っていることが全く同じ。
全ては自分のものであるべきで、何かが誰かのものであることが許せないのだろうか。
スフィーナはぐっと奥歯を噛みしめ、言葉を押し込んだ。
その時義母は、ふっとスフィーナの傍にあるものに目を留めた。
いつも食事をすぐに持ってきなさいと怒鳴る義母のために、給仕が朝食を乗せた盆を運んでいたものの、スフィーナと義母が立ちはだかっており立ち往生していたのだ。
盆の上には義母に言いつけられている通り、熱い紅茶が一杯と、スープの皿、それからサラダがのっていた。
俯いているスフィーナにも、義母がよからぬことを考えている気配は感じ取れた。
だがはっとしたときにはもう遅かった。
「あら失礼。手が滑ったわ」
義母はぞんざいに手を振ると、紅茶のカップをスフィーナ目掛けて払った。
「……!!」
ぱしゃりと掛かった紅茶は服を濡らして張り付き、震えるほどに熱かった。
運よく割れずに転がった紅茶のカップを見つめながら、スフィーナはぐっと手を握り締め堪えた。
ここで熱がればみっともないと騒ぐのは目に見えているから。
だがその時だった。
「あっ、あ――!!」
突然カップがなくなったことでお盆のバランスが崩れてしまったらしい。
給仕は慌てて持ち直そうとしたものの、湯気の立ったスープを乗せたお盆は義母へと向かって傾いていった。
「ちょっと、何して――!!」
危ない、と思ったときにはスープは義母へとその身を投げ出していた。
「きゃああぁぁぁっっ!! あつい、あついわよ! 何してくれてるの、早く拭きなさいよこのノロマ!!」
義母はあつい、あついと身を躍らせながら、周囲で身をすくませている使用人たちを叱責した。
とろりとしたコーンスープは義母の体にまとわりつき、腕を振っても落ちない。
「お母様?! ちょっと、あんたたち早く何か冷たい物でも持ってきなさいよ! 早く、早く!」
ミリーの声にはっとしたように我に返った使用人たちが慌てて動き出したところで、スフィーナはそっと退室した。
アンナが急ぎ着替えと冷やしたタオルを用意してくれて、スフィーナはやっと一息ついた。
義母は自業自得ではあるのだが、カップ一杯の紅茶でもあれだけ熱かったのだ。
火傷になっていないといいのだが。
そんな心配を口にすると、着替えを手伝ってくれていたアンナはきっぱりと「いい薬です」と言い放った。
そうね、と同調してしまうのも申し訳なかったが、アンナのあまりの言い切りぶりに、つい少しだけ、吹き出してしまった。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
『現代社会』教案
平 一
エッセイ・ノンフィクション
〝国際社会の未来とは!? 1980年代の記録です。〟
1986年頃、教職課程で作成した教案です。
就職のため教育実習が受けられず、
教職にはつきませんでしたが、
その後色々なことを考えるのに、役立ったと思います。
使用教科書は、山川出版社の高校『現代社会』です。
(第二部『現代社会の基本的問題』のうち第4章『国際平和と人類の福祉』)
集団的安全保障と集団的自衛権の区別(前者は世界全体で仮想敵を作らない、
後者は同盟国同士が守り合う)など、細目は忘れていた私ですが、
最近当時の資料を発見し、ロシアのウクライナ侵攻もあったので掲載します。
タイム・カプセルの内容は、今でも使えるものでした……。
文明の持続可能性
平 一
エッセイ・ノンフィクション
『今なぜ、持続可能性? そして、何の持続可能性?』
最近よく、環境問題から経済、社会、行政に至るまで、
様々な分野で、〝持続可能性〟という言葉を聞きます。
それは今、私達が、文明活動全体の持続につき、
文明活動自体を原因として、文明活動総体であたるべき課題に直面し、
また取り組めるようになったからではないでしょうか。
ゆえに、それを一言で表現すれば、〝文明の持続可能性〟であると考えます。
持続可能性について、私見の〝文明の星〟理論(仮説)をもとに読み解いてみました。
持続可能性とは地域政策から国家、国際政策にまで共通する政策課題であり、
この理論の政策分類を使って理解すれば、分かりやすいと思います。
環境的(エンヴァイロンメンタル)な持続可能性は技術的政策、
経済的(エコノミック)な持続可能性は経済政策、
社会的(ソーシャル)な持続可能性は社会政策と人的資源政策に対応する課題といえます。
これらはいずれも、文明活動の本体たる、経済・社会活動全体を対象としています。
政治的(ポリティカル)な持続可能性は、
行政活動自身を対象とする、行政管理政策に対応する課題といえますが、
行政活動も広い意味では経済・社会活動に含まれるので、
現在のところは他の3つの持続可能性の中に分けて、含めることができましょう。
いま、世界共通の政策課題は、人類文明の持続可能性であると思います。
新たな技術と政策で、私達が地球上における文明の持続可能性を達成し、
さらには宇宙にも文明活動を広げていけるよう、期待します。
〝文明の星〟理論は、アイドルマスターやバンドリのYoutube動画に刺激を受けて、
SF「〝Lucifer〟断章」などを書く中で考えました。
動画については、「『〝Lucifer〟断章』を幻視(み)せたもの」にまとめました。
ご興味がおありの方は、あわせてご覧いただけましたら幸いです。
AI文明論
平 一
エッセイ・ノンフィクション
〝AIは人類文明に何をもたらすか!?〟
文系の文明論オタクがAIについて考えました。
人工知能(AI)は農耕・動力機関・電算に続き、
文明の発展段階を分ける〝画期技術〟であり、
文明の持続的発展に不可欠なものだと思います。
『人工知能の画期的性格について』を改稿しました。
次の作品に勇気をいただき、書き直しました。
動画:
『Agape』 https://www.youtube.com/watch?v=96V4dol3bXE
『Showroom Dummies』 https://www.youtube.com/watch?v=rVNiBJM4wL0
『未来の僕らは知ってるよ』 https://www.youtube.com/watch?v=RdUENJeYUYI
『FairyTaleじゃいられない』 https://www.youtube.com/watch?v=3ZMdF3bhJR0
素敵な刺激を与えてくれる、文化的作品に感謝します。
陰謀論?
平 一
エッセイ・ノンフィクション
あの敗戦や経済危機、あの事故や経営危機は、もしかしたら防げたのでしょうか!?
もしもあなたが世界を動かせるとしたら、どうしますか? そして動かされる方になったら?
TVドキュメンタリーを見ていたら、そんなことを考えてしまいました。
文明論と現代政策(新版)
平 一
エッセイ・ノンフィクション
〝政策だって分かっちゃう、オモシロ理論・文明論!〟
科学・技術も政策も、経済・社会も人間も、まとめて分かるネタ知識!
改訂版です。
そもそも政策って何? どんな意味があるの?
どんな種類があって、なぜそう分けられるの?
科学・技術とか経済・社会活動とか、他の文明活動との関係は?
なぜ国際政策のSDGsを、企業や個人も行うの?
国の政策であるSociety(ソサエティ)5.0や、
DX(デジタル・トランスフォーメーション)とのつながりは?
持続可能性って、なぜ4種類もあるの?
私的文明論〝文明の星〟理論により、現代政策を読み解きました。
様々な政策は、文明の段階や構造、循環(サイクル)、潮流(トレンド)から、
まとめて説明できます。
SDGsもデジトラ(デジタル改革/DX)も、身近な地方政策も、
まとめて分かる文明論!
次の作品に感動して、書きました。
イラスト:『冬の星』 https://www.pixiv.net/artworks/87435741
『Original』 https://www.pixiv.net/artworks/84381128
『星と月』 https://www.pixiv.net/artworks/82071707
『無題』 https://www.pixiv.net/artworks/79601888
動画:『Blooming Star』詩花 https://www.youtube.com/watch?v=1LJcnF2ncP8&t=62s
『ハミングバード』桜守歌織 https://www.youtube.com/watch?v=LW_QbHqb6UU
素敵な刺激を与えてくれる文化的作品に、感謝します。
ご興味がおありの方は、エッセイ『文明の星』シリーズや、
小説『Lucifer(ルシファー)』シリーズなど、
関連作品もご覧いただけましたら幸いです。
文明論の意義
平 一
エッセイ・ノンフィクション
『未来を創る、文明論 ❤ !』
人類は文明(高度な技術を伴う知的生命活動の様式)によって現在の繁栄を得ましたが、
資源・環境問題や経済・社会活動上の困難、我々自身の健康水準低下、
政策の世界化や民主化・自由化の必要性など、新たな課題も生じています。
文明の要素には、個人の〝認識・決定・行動〟にあたる科学・技術、制度・政策、経済・社会活動と、
それぞれの必要条件である物的資源、人的資源、自然・社会環境という、6つの要素が考えられます。
これらの6要素から文明活動を総合的に考えれば、人類文明の持続的な発展を図れると思います。
文明のヒミツ!
平 一
エッセイ・ノンフィクション
〝全ての人に知らせたい、便利な文明解説図!〟
人類(ヒト)はどうして栄えたの? 今どのへんで、未来はどうなる?
人類繁栄の秘密といえる〝文明〟の、仕組みや働きを考えます。
『文明のひみつ』を修正し、さらに2章を追加しました。
人類を繁栄させた〝文明〟の六要素を、
六芒星(ろくぼうせい/✡)の形に並べてつなぐだけで、
驚くほどに多くのことが分かります。
科学も社会も政策も、歴史も文化も人間も。
色々分かってお徳用!
人間社会のものごとが、モレなくムリなくバランス良く、
説明できるアイデアです。
次の作品に勇気をいただいて、書きました。
動画:『Victoire』 https://www.youtube.com/watch?v=nOixuJQ0EWg
『Fairy Taleじゃいられない』 https://www.youtube.com/watch?v=R60x8WAuvfw
素敵な刺激を与えてくれる、文化的作品に感謝します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる