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第四章 魔王討伐とマチルダさん
第36話 裏切り
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「さあ、魔王城に着いたわよ」
レッドドラゴンの背中を降りたミルヴァさんが、周囲を気にしながらそっとつぶやいた。
「いいか、魔族に気づかれないようにして地下に潜り込む。気配を消して、そっと行くぞ」
レッドドラゴンがそう忠告し、僕たちは進みだした。
そっと、そっと。
僕は心のなかで唱え続ける。けれど、足が震えだし、思うように動かない。
「マルコス、足音が鳴っているわよ」
「ダメだ。やっぱり僕はダメな人間なんだ。恐怖で前に進めない」
「マルコス、大丈夫。あなたならできるわ。自信を持って!」
ミルヴァさんは僕を勇気づけようとしてくれるが、僕の震えは止まらない。
「そうだ、あれをしてみたらどう?」
「あれ?」
僕は声まで震えてしまっていた。
「あなたのスキル『ライト』よ。きっと何かラッキーなことが起こると思うわよ」
「ここで、ライトを使うんですか?」
敵もいないこんなところでスキルを使って何になるというのだろう?
ほんとミルヴァさんは感覚人間で、理論的なことは何も考えていないんだから。
「無駄だと思います」
「いいから、やってみて。私のカンなんだから。きっと素敵なことが起こると思うの」
ミルヴァさんが、そこまで言うのなら……。
スキルを出すなんてそれほど面倒なことではない。やってみよう。
やって、何も起こらないことを証明すれば、ミルヴァさんも納得してくれるだろう。
「分かりました」
僕はそう言うと心の中で言葉を唱えた。
スキル『ライト』!
いつものように僕の体は不必要に輝きはじめた。
「ね、ミルヴァさん、こんなことをしても無駄でしょ」
僕はそう言ったが、その自分の言葉を聞き、えっと思った。
僕の声が震えてない。
そして、僕の震えていた足が、しっかりと地面を踏みしめている。
震えが止まっている。
どうして?
もしかして……。
ヒール効果?
僕は自分にヒールをかけて、自分を癒やし、震えを取ってしまっているんじゃないのか?
そんな事を思っていると。ミルヴァさんがニコニコと微笑みながら言った。
「ねっ、マルコス、私が言った通り、上手くいったでしょ。あなたのそのスキルは神が与えてくれた最高のスキルよ。困ったときはそれを使えば、きっとラッキーなことが起こるんだから。神様に感謝しなさいよ」
「さあ、いくぞ」
そんなことを話している僕たちをよそに、レッドドラゴンがそういいながら城の中へと進んでいった。
僕たちも足音を消しながらその後ろに進む。
「城の道は調べてある。私の後ろを付いてくれば、すぐに地下へとたどり着けるので安心しろ」
その言葉を信じ、僕たちはそっと、そっと足を進める。
やがて講堂のような広い部屋に僕たちは入った。
その瞬間、僕はえっと思う。
どういうことだ!
広い部屋の周りにはズラッとあるものが並んでいた。
それは、背中に羽をはやした魔族たちだった。
なぜか僕たちは、大勢の魔族に囲まれてしまっていたのだった。
なぜだ?
レッドドラゴンは城の道を熟知していたのでは?
僕はレッドドラゴンを見る。
するとドラゴンは、スッと僕から目をそらすと申し訳無さそうにこう言った。
「悪いなマルコス。魔王に協力すると、サファイアを返すと持ちかけられていたんだ」
えっ?
つまりは、僕たちは……。
ワナにかかったということか……。僕たちは謀られたんだ。
「ハハハハ」
部屋の奥から笑い声が聞こえてきた。
そこに現れたのは他の魔族より一回り大きな体を持った男だった。
間違いない。
あれが魔王ザットだろう。
「よくやったレッドドラゴン」
ザットは満足そうな顔をして言った。
「飛んで火にいる夏の虫とは、お前たちのことをいうんだな。さあ、さっさと決着をつけようか」
魔王のその言葉を合図に、囲んでいる魔族たちが、一歩僕たちに近づいてきた。
しまった。
どうしてこうなる可能性を考えなかったんだ。
レッドドラゴンはモンスターの一種だ。
当たり前だが、人間ではない。
人間との関係から言えば、間違いなく敵対する存在だ。
そんなレッドドラゴンが、魔王に協力するなど容易に想像できることだった。
しかし、僕たちはそんな事を一切考えずに、モンスターの言葉を信用し、のこのこと魔王城に来てしまったのだ。
案の定このざまだ。
この世で一番強いと言われている魔王ザットをはじめ、無数の魔族たちが僕とミルヴァさんを標的にして詰め寄ってくる。
「マルコス、もう何も考えずに戦うしかないわよ」
ミルヴァさんは背中に担いだ剣を抜いた。
そうだ。ミルヴァさんの言う通りだ。
もう何も考えずに戦うしか道は残されていない。
けれど。
この人数に囲まれては、もう……。
「マルコス、大丈夫。きっと何とかなるわよ」
こんな状況でも、ミルヴァさんは前向きな言葉を述べてくる。
さすがとしか言いようがない。さすがにランキング1位となる冒険者は、僕のような凡人とは考え方が全く違う。
そんなふうに感心しながらも、僕はミルヴァさんにつられるようにオリハルコンの剣を鞘から抜いた。
剣刃がいつもの通り、青白く輝きはじめた。
「ふん、まだ抵抗しようというのか。だったら、お前たちがどれほどの実力なのか見せてもらおうか」
魔王ザットが口元を緩めながらそんなことを言ってきた。圧倒的に有利な状況で、高みの見物をしているのだろう。
スッとザットが指を僕たちに向ける。
それを合図に、周りを取り囲む魔族たちが一斉に襲ってきた。
「旋風炎斬剣!」
ミルヴァさんが、剣を持ちながら回転し舞い始める。
すごい!
最強の剣士とうたわれているだけある。
強い。そして美しい。
あっという間に、彼女は詰め寄る魔族を斬り倒していく。
斬られた魔族は次々と魔石へと姿を変えていく。
そうしているうちに僕に対しても、雪崩のように敵が襲ってきた。
スキル『ライト』!
魔族たちは魔法を使ってくる者、剣で斬りかかってくる者、様々だったが、僕は一瞬にしてそれらの攻撃をすべて回避してしまった。
「ヤッ!」
オリハルコンの剣を振る。
剣に斬られた魔族たちは、瞬時に魔石へと変化していった。
気がつくと僕とミルヴァさんは、広間にいた半数以上の魔族たちを斬り倒していた。床に、無数の魔石が転がっている。
「もういい。やめろ!」
たまりかねたのか、魔王ザットの声が響き渡った。
「マルコス、これを見ろ!」
ザットは部屋に置かれた人の身長ほどある大きな球体を指さした。
こ、これは!
僕はその球体に目を向ける。
白く濁っていた球が透明度をましていき、中にあるものの姿が現れた。
「マチルダさん!」
そうだった。球体の中にはマチルダさんの姿があったのだ。
マチルダさんは、苦しそうな顔をしながら僕に目を合わせた。
「マルコス、この球は私の意志一つで簡単に破壊できるものだ。もちろん破壊すれば、中にいる女がどうなるか分かるだろうな」
「ザット……、汚いマネを……」
「さあ、女を死なせたくなかったら、無駄な抵抗はやめるんだ。すぐさま、そこに剣を置け!」
「……」
僕とミルヴァさんは金縛りにあった小動物のように動きを止めて、その場で固まることしかできなかった。
レッドドラゴンの背中を降りたミルヴァさんが、周囲を気にしながらそっとつぶやいた。
「いいか、魔族に気づかれないようにして地下に潜り込む。気配を消して、そっと行くぞ」
レッドドラゴンがそう忠告し、僕たちは進みだした。
そっと、そっと。
僕は心のなかで唱え続ける。けれど、足が震えだし、思うように動かない。
「マルコス、足音が鳴っているわよ」
「ダメだ。やっぱり僕はダメな人間なんだ。恐怖で前に進めない」
「マルコス、大丈夫。あなたならできるわ。自信を持って!」
ミルヴァさんは僕を勇気づけようとしてくれるが、僕の震えは止まらない。
「そうだ、あれをしてみたらどう?」
「あれ?」
僕は声まで震えてしまっていた。
「あなたのスキル『ライト』よ。きっと何かラッキーなことが起こると思うわよ」
「ここで、ライトを使うんですか?」
敵もいないこんなところでスキルを使って何になるというのだろう?
ほんとミルヴァさんは感覚人間で、理論的なことは何も考えていないんだから。
「無駄だと思います」
「いいから、やってみて。私のカンなんだから。きっと素敵なことが起こると思うの」
ミルヴァさんが、そこまで言うのなら……。
スキルを出すなんてそれほど面倒なことではない。やってみよう。
やって、何も起こらないことを証明すれば、ミルヴァさんも納得してくれるだろう。
「分かりました」
僕はそう言うと心の中で言葉を唱えた。
スキル『ライト』!
いつものように僕の体は不必要に輝きはじめた。
「ね、ミルヴァさん、こんなことをしても無駄でしょ」
僕はそう言ったが、その自分の言葉を聞き、えっと思った。
僕の声が震えてない。
そして、僕の震えていた足が、しっかりと地面を踏みしめている。
震えが止まっている。
どうして?
もしかして……。
ヒール効果?
僕は自分にヒールをかけて、自分を癒やし、震えを取ってしまっているんじゃないのか?
そんな事を思っていると。ミルヴァさんがニコニコと微笑みながら言った。
「ねっ、マルコス、私が言った通り、上手くいったでしょ。あなたのそのスキルは神が与えてくれた最高のスキルよ。困ったときはそれを使えば、きっとラッキーなことが起こるんだから。神様に感謝しなさいよ」
「さあ、いくぞ」
そんなことを話している僕たちをよそに、レッドドラゴンがそういいながら城の中へと進んでいった。
僕たちも足音を消しながらその後ろに進む。
「城の道は調べてある。私の後ろを付いてくれば、すぐに地下へとたどり着けるので安心しろ」
その言葉を信じ、僕たちはそっと、そっと足を進める。
やがて講堂のような広い部屋に僕たちは入った。
その瞬間、僕はえっと思う。
どういうことだ!
広い部屋の周りにはズラッとあるものが並んでいた。
それは、背中に羽をはやした魔族たちだった。
なぜか僕たちは、大勢の魔族に囲まれてしまっていたのだった。
なぜだ?
レッドドラゴンは城の道を熟知していたのでは?
僕はレッドドラゴンを見る。
するとドラゴンは、スッと僕から目をそらすと申し訳無さそうにこう言った。
「悪いなマルコス。魔王に協力すると、サファイアを返すと持ちかけられていたんだ」
えっ?
つまりは、僕たちは……。
ワナにかかったということか……。僕たちは謀られたんだ。
「ハハハハ」
部屋の奥から笑い声が聞こえてきた。
そこに現れたのは他の魔族より一回り大きな体を持った男だった。
間違いない。
あれが魔王ザットだろう。
「よくやったレッドドラゴン」
ザットは満足そうな顔をして言った。
「飛んで火にいる夏の虫とは、お前たちのことをいうんだな。さあ、さっさと決着をつけようか」
魔王のその言葉を合図に、囲んでいる魔族たちが、一歩僕たちに近づいてきた。
しまった。
どうしてこうなる可能性を考えなかったんだ。
レッドドラゴンはモンスターの一種だ。
当たり前だが、人間ではない。
人間との関係から言えば、間違いなく敵対する存在だ。
そんなレッドドラゴンが、魔王に協力するなど容易に想像できることだった。
しかし、僕たちはそんな事を一切考えずに、モンスターの言葉を信用し、のこのこと魔王城に来てしまったのだ。
案の定このざまだ。
この世で一番強いと言われている魔王ザットをはじめ、無数の魔族たちが僕とミルヴァさんを標的にして詰め寄ってくる。
「マルコス、もう何も考えずに戦うしかないわよ」
ミルヴァさんは背中に担いだ剣を抜いた。
そうだ。ミルヴァさんの言う通りだ。
もう何も考えずに戦うしか道は残されていない。
けれど。
この人数に囲まれては、もう……。
「マルコス、大丈夫。きっと何とかなるわよ」
こんな状況でも、ミルヴァさんは前向きな言葉を述べてくる。
さすがとしか言いようがない。さすがにランキング1位となる冒険者は、僕のような凡人とは考え方が全く違う。
そんなふうに感心しながらも、僕はミルヴァさんにつられるようにオリハルコンの剣を鞘から抜いた。
剣刃がいつもの通り、青白く輝きはじめた。
「ふん、まだ抵抗しようというのか。だったら、お前たちがどれほどの実力なのか見せてもらおうか」
魔王ザットが口元を緩めながらそんなことを言ってきた。圧倒的に有利な状況で、高みの見物をしているのだろう。
スッとザットが指を僕たちに向ける。
それを合図に、周りを取り囲む魔族たちが一斉に襲ってきた。
「旋風炎斬剣!」
ミルヴァさんが、剣を持ちながら回転し舞い始める。
すごい!
最強の剣士とうたわれているだけある。
強い。そして美しい。
あっという間に、彼女は詰め寄る魔族を斬り倒していく。
斬られた魔族は次々と魔石へと姿を変えていく。
そうしているうちに僕に対しても、雪崩のように敵が襲ってきた。
スキル『ライト』!
魔族たちは魔法を使ってくる者、剣で斬りかかってくる者、様々だったが、僕は一瞬にしてそれらの攻撃をすべて回避してしまった。
「ヤッ!」
オリハルコンの剣を振る。
剣に斬られた魔族たちは、瞬時に魔石へと変化していった。
気がつくと僕とミルヴァさんは、広間にいた半数以上の魔族たちを斬り倒していた。床に、無数の魔石が転がっている。
「もういい。やめろ!」
たまりかねたのか、魔王ザットの声が響き渡った。
「マルコス、これを見ろ!」
ザットは部屋に置かれた人の身長ほどある大きな球体を指さした。
こ、これは!
僕はその球体に目を向ける。
白く濁っていた球が透明度をましていき、中にあるものの姿が現れた。
「マチルダさん!」
そうだった。球体の中にはマチルダさんの姿があったのだ。
マチルダさんは、苦しそうな顔をしながら僕に目を合わせた。
「マルコス、この球は私の意志一つで簡単に破壊できるものだ。もちろん破壊すれば、中にいる女がどうなるか分かるだろうな」
「ザット……、汚いマネを……」
「さあ、女を死なせたくなかったら、無駄な抵抗はやめるんだ。すぐさま、そこに剣を置け!」
「……」
僕とミルヴァさんは金縛りにあった小動物のように動きを止めて、その場で固まることしかできなかった。
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