387 / 398
第十三章
第341話 北条の査定
しおりを挟む「ハアァッ……ハァッハァッ……」
スタミナを消費したわけではないのに、ゼンダーソンは肩で息をしている。
北条の"整体"によってバキボキと骨を鳴らされたせいだ。
「よおし、これで終わりだぁ」
「ぐごぉっ!」
最後に、脱臼した骨を無理矢理嵌めた時のような音が響くと、北条は施術の終了を宣告した。
「ハハハハッ、これは面白いものを見れたな」
「ゼンダーソンのあんな様子はあんま見れないからね」
「お、おまえら……。他人事だと思って好き勝手言いよって」
「でもマッサージの効果はちゃんと出てるはずだぞぉ。ちょっと体動かしてみなぁ?」
「ぬ、ぬう……」
北条に促されたゼンダーソンは、肩を回したりして体を動かし始める。
すると違いを感じたのか、体の各部をひとつひとつ確認するかのように、順に動かしていく。
「お、おおおぉ? なんや体が軽い……?」
「ああ。お前の体は百レベル越えの身体能力でゴリ押ししてるせいか、体の一部に負担がかかってる感じだったぞぉ。そこをちょいとほぐしてやると、今のように少しはマシになるってもんだぁ」
「こらあ凄いわ! 体が柔こくなったみたいや」
「まあ体の扱い方を変えない限り、またしばらくすれば元に戻るだろうけどなぁ」
「む、そうなんか」
「ほう、施術中のゼンダーソンはやばそうだったが、ちゃんと効果はあるんだな」
「まあなぁ。マッサージもそこそこ自信はあってなぁ」
「ふう、まあやられてる時は生きた心地せんかったけど、あんがとなっ」
北条に礼を言いながら、外していた装備を再びつけ始めるゼンダーソン。
「ほな、俺たちはこの辺でおいとまさせてもらうで」
「分かった。またなぁ」
「まったね~!」
「おじさま、さようなら~」
こうして最後に北条のマッサージを受けたゼンダーソンは、仲間のマージらとともに拠点を去っていく。
▽△▽
「フッ、おじさま……か」
最後の芽衣の挨拶の言葉を思い出し、マージはニヤリと笑う。
「あんな呼び方されたんは初めてやったが、なかなかええもんやで」
「ハハハッ! ゼンダーソンは地元では英雄扱いだからね」
ゼンダーソンは地元である『ユーラブリカ王国』では知らぬものがいないほどの有名人であり、子供たちは憧憬の眼差しを彼に送る。
なので由里香や芽衣の反応は、ゼンダーソンにとっては新鮮に感じられていた。
「……ところであのホージョーという男だが」
僅かに上がっていた口の端を引き締め、マージが北条について話し始める。
「確かにゼンダーソンの言う通り、只者じゃないな。最初に俺が見た感じだと、せいぜいCランク程度に感じたが、どこか妙な感じも受けた」
「あー、それなぁ。俺が最初に会うた時は、それこそ強いか弱いか分からんかったかったわ」
「なんだそれは? お前が敵の強さを測れないってのは聞いたことがないぞ」
「やろ? でな、俺がその事を言うたら、『こうすればどうだ?』って、瞬時に気配を切り替えよってな。その結果がさっきまでのホージョーや」
「ってことは、意図的にCランク程度に見せるようにしてるって事か。……俺が微かに感じた違和感も、予めお前に只者じゃないって言われてなければ気づけなかったような些細なもんだ。見事な偽装だな」
「……スキルの中には偽装系のスキルもある。それを使っているのかもしれない」
「ヘー、オイラはその微かな違和感も感じなかったよ」
「私達相手にそれだけ欺けという事は、偽装系スキルの腕も確かということだ」
マージらとの会話に冷静に答えているように見えるユーローだが、内心では北条という謎の存在に対して好奇心を膨らませていた。
いくらエルフが長寿種族だとはいえ、ユーローが知識系スキルを多く所持しているのは、単にこの好奇心によるものだ。
「それに、あの"特殊な鑑定系スキル"とやらも気になる」
「ああ、あれな。使われた時の感触は鑑定系スキルを使われた時と似ていたが……」
「あ、思い出したわ」
「どうした、ゼンダーソン?」
「その謎の鑑定っぽいスキルやけどな。俺もホージョーと初めて会う前に、同じような感覚を受けてたわ」
「なに? だが、お前は〈防鑑のアミュレット〉を持っているだろ?」
「せやけど、〈防鑑のアミュレット〉には何の反応ものうてな。気のせいか思て今まで忘れてたんやが……」
「……"スキル鑑定"や"魔物鑑定"。鑑定系スキルは何種もあるが、〈防鑑のアミュレット〉で全て防げるはず。となると、上位の鑑定系スキルなのかもしれない」
「上位ってえと、〈写し見の太陽鏡〉みたいな奴か」
「そうだ。あの男もそのような事を言っていただろう」
「む……たしかに」
「百レベルの壁の突破条件も、もしかしたらその上位鑑定スキルで調べたのかもな」
「それは……そんな事が出来るのか? いや、しかし……」
ユーローの推測に、あれこれ考え始めるマージ。
だがゼンダーソンとコーヘージャーの二人は、そういった細かい事は気にしていないようで、すでに別の話題に移っていた。
「そーいや、最後のスキルを見せてたのは何だったの? "獅子炎獄殺"まで披露してたけど」
「ああ、アレな。マージたちのレベル百突破の条件を調べてもらう代わりに、俺のスキルを見せる約束をしたんよ」
「へー、ってことは、あのホージョーってのは格闘系のスキルでも使うのかな?」
「奴がいうには自分は魔術士やって言うてたわ」
「魔術士ぃ? ってことは、隣にいた娘の為かな。なんかゼンダーソンの闘技スキルを見て、一生懸命真似しようとしてて可愛かったよ」
「んー、いやあ……。まあ、それもあるんかもしれへんけど、多分あれはスキルを"覚える"ためやろな」
「覚える?」
ゼンダーソンの言葉に疑問符を浮かべるコーヘイジャー。
スキルというのは、身振り手振りセリフやスキル名などを覚えた所で、真似して使えるようなものではない。
もちろんある程度の参考にはなるが、見ただけのスキルを再現するには元々の才能なども必要になってくるし、時間もかかる。
「せや。奴は……ホージョーは多分、己の目ぇで見たスキルを覚えられるんやと思う」
「そうかあ、なるほどね。…………ん? は、ハァァァ?」
普段はニコニコとしてお調子者のコーヘイジャーが、素の表情に戻って驚く事はそうそうない。
そしてゼンダーソンの驚きの言葉は、北条の鑑定スキルについてぶつぶつ考えていたマージにも届き、一瞬遅れた後にグイッっと顔をゼンダーソンの方に向ける。
「な、ゼンダーソン! それは本当か!?」
隣ではユーローが声を上げてはいないものの、目を見開いて驚きの表情を見せている。
「ま、本人に確認はしてないけどな」
ゼンダーソンとしても確信はしていなかったが、多分そうなんだろうと判断していた。
「……どうしてそう思った?」
ユーローがゼンダーソンに問いただす。
その声は若干だが震えていて、興奮を抑えているのが仲間であるマージらに伝わる。
「せやなあ……。実際にホージョーと立ち会うて分かったんやが、あの男はスキルの引き出しがえらい多い」
「多いっつっても、さっきのお前みたいに一つ一つ丁寧に見せてもらった訳じゃないだろ?」
「それはそうや。ただ、魔法系スキルだけでも六、七……、いや、もっとか? 上位魔法も入れたらぎょうさん使いこなしてたわ。それも"結界魔法"なんちゅう、レアなもんも使うてたな」
「なっ、"結界魔法"だと!?」
「それも、どの魔法も相当な……今思うとマージの使う魔法の威力を超えとった。それにあの拠点の様子からして、"刻印魔法"も使えるのかもしれへん」
拠点を覆う結界や、外壁から感じられる魔力。
そして拠点内をうろつくゴーレムとくれば、"刻印魔法"の使い手の存在が見え隠れしてくる。もし北条本人が使い手でなくても、協力している術者がいるのは明らかだ。
「……やというのに、ホージョーは近接戦闘もAランクの戦士並かそれ以上にこなす。奴を殴った時の感触からして、"打撃耐性"のスキルも持っているかもしれん」
「"打撃耐性"……。"斬撃耐性"など物理攻撃に対する耐性は、得ようと思ってもそうそう得られるものではないハズだが?」
「せやから『覚えた』言うとるんや。他にも"鋼の肉体"や、"硬皮"。"鉄の皮膚"なんかの"感触"もしとった。それぞれ個別で持ってる相手とは何度も戦っとるが、全て持ち合わせた奴なんぞホージョーが初めてやわ」
更に立ち合い中に、複数の魔眼系スキルも使用していたとゼンダーソンは告げる。
普通ならありえない話に、しかしそれがゼンダーソンが語っている事によって、嘘偽りない事実であるとマージらは理解させられる。
「それにな? さっき"獅子心中"スキルを使うた時に感じたんやが、ダメージが完全に入っとらん感じやった」
「ダメージが完全に入ってない? それは守護者に使った時のような感じか?」
「いや、ちゃうな。アレは完全にダメージが入っとらん感じやが、ホージョーにはダメージが通ってるのは感じた。ただ軽減されたような感じやった」
「……あの手の防御を貫通して一定のダメージを与える攻撃は他にもあるが、それを軽減する方法は知られていない。もしかしたらそういった耐性スキルがあるのやもしれぬ」
「ああ、そんな感じやったな。それにお前らがゲラゲラ笑いながら見とったマッサージかて、きちんとスキルとして身に着けてなければあれほど効果は出えへん」
「ふむ……、確かにお前の言う通り、個人が扱うスキルの量を逸脱してるみてーだな」
「……実際立ち合いの時に、お前が使えるスキルの中でも使い手が少ないようなスキルを、真似されて使ってきたりしたのか?」
「いや、どうやったろうな……。途中からいかつい魔法を連打されたもんで、他が記憶からすっとんでてな。ただ……」
「ただ……?」
「立ち合いの後にスキルを見せる約束したっちゅう事は、スキルを覚えられる言うても、じっくり落ち着いて見んと覚えられんのかもしれへんな」
「それはありえるな。一度見ただけでそのスキルを使えるんだったら、とんでもねーバケモンだろ」
「というか、ホージョーはどうやってスキルを覚えてるんだろうね?」
「そらあ……相手をよおく見て、気合で覚えてるんちゃうか?」
コーヘイジャーのもっともな疑問に、ゼンダーソンもハッキリとした答えを導き出せないでいる。
そこへ、この中で一番の物知りであるユーローが推測を語りだした。
「もしや"シークレットスキル"かもしれんな」
「シークレットスキルちゅうと、あれか。普通の鑑定じゃ見えんちゅうスキルやな」
「そうだ。〈写し見の太陽鏡〉の鑑定によって、ようやく明らかになるスキルというのが、これまで幾つか確認されている。それらのスキルはどれも強力な効果があるとされているので、ホージョーもそのケースかもしれない」
この"シークレットスキル"に関しては、調べる方法が〈写し見の太陽鏡〉位しかない上に、そうしたスキルの所有者がそもそも極まれである事から、ほとんど伝説的な存在と化している。
歴史に名を残しているような英雄。
冒険者ギルドを創設し、のちに初代『ユーラブリカ王国』の国王となった、『ギーダ・ユーラブリカ』。
そして、『ジャファー共和国』の建国の祖。希代の大魔術士である『ジャファー・アウグスト』などは、そうしたシークレットスキルを所持していたのではないか、と学者の間では目されている。
「……せやな。それやったら納得できるわ」
拠点から《ジャガー町》へと戻る道すがら交わされた、北条に対する査定。
それは流石に現役最強とも呼ばれる『バスタードブルース』だけあって、大分的を射たものだった。
その後も、北条に対するあれやこれやについて話し合いながら、ゼンダーソン達は町中へと消えていくのだった。
0
お気に入りに追加
45
あなたにおすすめの小説
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
神々の間では異世界転移がブームらしいです。
はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》
楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。
理由は『最近流行ってるから』
数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。
優しくて単純な少女の異世界冒険譚。
第2部 《精霊の紋章》
ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。
それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。
第3部 《交錯する戦場》
各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。
人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。
第4部 《新たなる神話》
戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。
連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。
それは、この世界で最も新しい神話。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
勇者に恋人寝取られ、悪評付きでパーティーを追放された俺、燃えた実家の道具屋を世界一にして勇者共を見下す
大小判
ファンタジー
平民同然の男爵家嫡子にして魔道具職人のローランは、旅に不慣れな勇者と四人の聖女を支えるべく勇者パーティーに加入するが、いけ好かない勇者アレンに義妹である治癒の聖女は心を奪われ、恋人であり、魔術の聖女である幼馴染を寝取られてしまう。
その上、何の非もなくパーティーに貢献していたローランを追放するために、勇者たちによって役立たずで勇者の恋人を寝取る最低男の悪評を世間に流されてしまった。
地元以外の冒険者ギルドからの信頼を失い、怒りと失望、悲しみで頭の整理が追い付かず、抜け殻状態で帰郷した彼に更なる追い打ちとして、将来継ぐはずだった実家の道具屋が、爵位証明書と両親もろとも炎上。
失意のどん底に立たされたローランだったが、 両親の葬式の日に義妹と幼馴染が王都で呑気に勇者との結婚披露宴パレードなるものを開催していたと知って怒りが爆発。
「勇者パーティ―全員、俺に泣いて土下座するくらい成り上がってやる!!」
そんな決意を固めてから一年ちょっと。成人を迎えた日に希少な鉱物や植物が無限に湧き出る不思議な土地の権利書と、現在の魔道具製造技術を根底から覆す神秘の合成釜が父の遺産としてローランに継承されることとなる。
この二つを使って世界一の道具屋になってやると意気込むローラン。しかし、彼の自分自身も自覚していなかった能力と父の遺産は世界各地で目を付けられ、勇者に大国、魔王に女神と、ローランを引き込んだり排除したりする動きに巻き込まれる羽目に
これは世界一の道具屋を目指す青年が、爽快な生産チートで主に勇者とか聖女とかを嘲笑いながら邪魔する者を薙ぎ払い、栄光を掴む痛快な物語。
転生したら神だった。どうすんの?
埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの?
人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。
異世界に転移した僕、外れスキルだと思っていた【互換】と【HP100】の組み合わせで最強になる
名無し
ファンタジー
突如、異世界へと召喚された来栖海翔。自分以外にも転移してきた者たちが数百人おり、神父と召喚士から並ぶように指示されてスキルを付与されるが、それはいずれもパッとしなさそうな【互換】と【HP100】という二つのスキルだった。召喚士から外れ認定され、当たりスキル持ちの右列ではなく、外れスキル持ちの左列のほうに並ばされる来栖。だが、それらは組み合わせることによって最強のスキルとなるものであり、来栖は何もない状態から見る見る成り上がっていくことになる。
パーティーから追放され婚約者を寝取られ家から勘当、の三拍子揃った元貴族は、いずれ竜をも倒す大英雄へ ~もはやマイナスからの成り上がり英雄譚~
一条おかゆ
ファンタジー
貴族の青年、イオは冒険者パーティーの中衛。
彼はレベルの低さゆえにパーティーを追放され、さらに婚約者を寝取られ、家からも追放されてしまう。
全てを失って悲しみに打ちひしがれるイオだったが、騎士学校時代の同級生、ベガに拾われる。
「──イオを勧誘しにきたんだ」
ベガと二人で新たなパーティーを組んだイオ。
ダンジョンへと向かい、そこで自身の本当の才能──『対人能力』に気が付いた。
そして心機一転。
「前よりも強いパーティーを作って、前よりも良い婚約者を貰って、前よりも格の高い家の者となる」
今までの全てを見返すことを目標に、彼は成り上がることを決意する。
これは、そんな英雄譚。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる