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第六章

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 ■スキルについて 続き



 〇生産スキル

 鍛冶、製錬、精錬、金属加工、木材建築、ドライハンド、彫刻、釉薬精製、裁縫、石切り、料理などの、生産に関するスキル。

 これらのスキルがないと物を作れないという訳ではないが、スキルを持っているだけで成果物のクオリティーが高まる。
 製作系は木工や鍛冶などの大まかなくくりの他に、剣製作、槍製作、斧製作など更に細かく分類されている。
 鍛冶ならば基本技術を学ぶのが一般的で、そこから専門的な鍛冶に進むか、どんな武器でも打てる汎用の鍛冶を学ぶかは人それぞれ。大体半数以上は汎用的な鍛冶屋を目指す。

・鍛冶
鍛冶系統の基本スキル。精錬された金属を用いて武器や防具を作り出す。
道具や調理道具なども無論作れる。

・製錬
鉱石から余分なものを取り除き、金属を抽出する。

・精錬
金属から余分な成分を取り除いたり、或いは合金を作り出したりする。
合金の比率は既に広まってる一般的なものでない限り、門外不出が基本。

・ドライハンド
火属性の適正がないと使えないので、比較的使用者の少ないスキル。
手で触れた木材を乾燥させることができる。
発動には魔力を消費する。

・石切り
工具を使用し、狙った所で石を上手く割るようにして切る。
スキルなしだと石をよくみて楔みたいなのを打ち込んでから、割るようにして切りだすのだが、このスキルを使えばそういった事が不要となる。
これはあくまで生産職が使う用のスキルなので、石系の魔物に対しては効果はほとんどない。(ただし若干は効果あり)



 〇耐性スキル

 火耐性、風耐性、水耐性、闇耐性、石化耐性、毒耐性、スタン耐性、圧力耐性、盲目耐性、閃光耐性、ドレイン耐性など。

 その種類はかなり多いが、取得するには生まれ持っての適性と、その耐性スキルにふさわしい経験を積むなりしないと、耐性スキルは身に付かない。
 ただスキル相性、スキル適性によっては、身に覚えのないスキルを身に着ける者も存在する。

 火、水、風、土の四属性の耐性は、魔法と同じく、耐性の中でも一番所有者が多い耐性。
 風の強い地方の人は風耐性を覚えやすいし、水辺で暮らす人は水耐性が覚えやすい。
 なお、これら四属性の耐性スキルはあくまで属性に対する耐性となる。
 つまり、火耐性があるからといって、焚火の炎に手を当てると普通に焼ける。
 火耐性スキルが効果を発揮するのは、"火魔法"などの火属性を持った火に対してのみ。
 焚火の炎は別途"高温耐性"などが必要。

・火耐性、風耐性 など、各種属性耐性
それぞれの属性に対する耐性を得る。
攻撃魔法であれば被ダメージが減少するし、行動を束縛するような魔法なら束縛の具合が軽減される。
つまり必ずしも攻撃魔法だけに効果がある訳ではない。

・石化耐性、毒耐性 など、各種状態異常系耐性
各種状態異常に対する耐性を得る。
ただし、耐性を持っているからといって絶対に防げる訳でもない。
同じ毒でも毒性の強弱、毒耐性スキルの熟練度によって、効果の程は変わってくるため。

・圧力耐性、寒さ耐性、高温耐性 など、環境系耐性
こちらは属性でも状態異常でもなく、環境に応じた耐性を得る事が出来る。
街や村に暮らす一般人にとっては、この系統のスキルがなんだかんだで一番ありがたがられる。



 〇特殊能力スキル

 発火、ガルスバイン神撃剣、操髪、確時、モーシェルディアロン、ろくろ、強圧、筋肉感知、エアーステップ、オルタナティブセンスなど。

 これらのスキルは魔法ではなく、どちらかというと超能力に近い。
 使用の際にはMP(魔力)やSP(スタミナ)などは消費しないが、代わりに魂を直に削られるような苦痛を味わう。

 ただしその程度は特殊能力スキルによってそれぞれ異なる。
 また使用時にどれだけ効果を強めるかによっても、苦痛の具合は増減する。
 慶介の使用する"ガルスバイン神撃剣"などは、発動に必要な最低限の威力であっても、使用すると心がはち切れそうな苦しみや、吐き気などの身体的症状なども発症する。

 効果内容はバリエーションに富んでいて、触れたものの温度を正確に知る事が出来るといったしょぼいものから、慶介の十八番の"ガルスバイン神撃剣"のような凄まじい威力を持つものまで様々。

 特殊能力スキルの所有者の割合は少ないが、中には複数特殊能力スキルを持つ者もいる。


・発火
小さな炎を生み出し発火させる。魔力や気力などは消費しないが、余り多様すると疲労は感じる。
発火だけなので、火種を別に用意しないとずっと力を発動し続ける事になり、疲労も徐々に蓄積する。

・確時
時間の流れを正確に把握できる。今が何時何分なのかとかもわかる。

・ガルスバイン神撃剣
かの剣聖「ガルスバイン」が通りすがりの猫人から教わった秘術。
神撃剣と名が付いているが、実際は剣系のスキルではなく、何故か口からエネルギー砲を発射して広範囲を攻撃するスキル。

途中で出力が上がる2段階仕様になっている。……が、本編では2段階目の発動には至っていない。
能力の消耗が激しい為、長時間発動するのが難しい。
その為2段階目にいくまえに力尽きやすい。
(スキル熟練度による負担軽減はある)

ちなみに、最初に猫人が使っていた際は別の名前だったのだが、剣聖ガルスバインが使い始めてからは、こっちの名前で定着してしまった。
1段階目のビームの色はエメラルドグリーンで、2段階目は黄色になる。

・強圧
周囲の相手に対して威圧感を放つスキル。
スキル熟練度が上がると効果が増し、威圧する方向を調整できたりするようになる。特殊能力系スキルの中では後天的に覚えやすい方。

・洞察眼
特殊能力系スキルの中でも、魔眼系統に分類されているスキル。
見つめた相手が嘘をついたときに見破ることができる。
ただし、真実と違う事をいっても相手がそれを真実だと思っていれば、このスキルでは反応しない。
また、曖昧な答え方をされても反応しない。




 〇特殊スキル

 ルヴェンダの嘆き、石頭、操糸、咆哮、精霊の目、従属強化、鷹の目、イアリーライト、カエル飛び、オイリースキンなど。

 特殊能力スキルと混同しがちだが、まったく別種のスキル。
 一般スキルよりも効果が上がっていたり、その名の通り特殊な効果を発揮スキルが特殊スキルに分類される。

 特殊スキルの中には準パッシブスキルとも呼ぶべきスキルがあり、これらの特殊スキルはオンオフの切り替えが可能で、比較的長時間効果を発揮する事が出来る。

 また魔力やスタミナを消費する特殊スキルも多い。

・石頭 準パッシブ
頭部が通常より硬くなり、防御力(頭部)が上昇する。

・エコロケーション
反響定位によって周囲の構造を把握できる。このスキルの所持者は、他者がエコロケーションを使用した場合に、察知する事もできるようになる。
それはつまり一般的には知覚されないからと、むやみやたらにこれを使ってると、同じスキルを持つ敵にがんがん居場所を伝えている可能性もでてくるという事になる。
ただ水中でも使用可能なので結構便利。
ただ、把握できる構造物のデータはそこまで正確ではない。

・咆哮
咆哮をあげ、それを聞いた対象に「状態異常:恐怖」を与える。
パーティーメンバーには効果がない。

・イアリーライト
全身から不気味な光を放つ。くすんだ黄色、クリームレモン的な色合いの光。
単純に眩しくて一時視力が奪われる意外にも、一定確率で相手を短時間「状態異常:沈黙状態」にすることがある。

・ディレイキャスト
魔法を発動した後に、一定時間(スキル熟練度)に応じた時間分その場に留め、遅らせて魔法発動させることができる。
ただし、MPを余計に消費する。
消費MPはとどめておく時間が長いほど多く消費する。



 △種族固有スキル

 飛翔、変形、粘糸、針攻撃、毒爪、デビルサイン、テイルシェイク、ベアーハウル、大地潜行、フェザーショットなど。

 使用できる種族が限定されているスキル。
 だが種族といっても、羽根が生えている魔物なら鳥以外の魔物でも、"フェザーショット"などを使ってきたりする。
 なお、人族には種族固有スキルはないと言われている。

 また種族固有スキルは区分のひとつであって、種族固有スキルという分類とは別に、一般スキルや特殊スキルなどに分けられる。


・飛翔 特殊スキル
翼や羽でもって空を飛ぶ種族特有のスキルで、このスキルレベルが高いとより緻密な空中軌道ができるようになる。また飛行速度も上げられる。
しかしこのスキル自体に空を飛ぶ効果はない。
元々翼を持つ鳥や蝙蝠などが持っているスキル。
もしこのスキルを人間が手にいれたなら、魔法や魔法道具などで空を飛んだ際にも効果が適用され、アクロバティックな動きや高速な飛行が可能となる。

・粘糸 特殊スキル
粘着質な糸を生み出す。強度はスキル熟練度による。
一応蜘蛛以外の生物でも僅かに使用はできるが、粘着度が薄いとか出せる量が少量などといった感じになる。

・針攻撃 一般スキル
針をもつ魔物の種族固有スキル。
このスキルを使って自身の針で攻撃した場合、攻撃力と貫通力が僅かに増す。

・テイルシェイク 闘技-基礎スキル
しっぽを持つ種族固有のスキル。しかし、攻撃に適した形状を持っていないと使用できない。
しっぽを思いっきり振るうことで、自分の周囲にいる、しっぽの届く範囲の敵複数にダメージ。また低確率で「状態異常:スタン」。



 〇レアスキル

 その名の通り、所有者が極端に少ない希少なスキル。陽子の"アイテムボックス"や、咲良の"エレメンタルマスター"などが該当する。
 また祝福系と呼ばれるスキルもレアスキルの一種。
 龍之介の"剣神の祝福"や、メアリーの"癒しの祝福"なども祝福系のレアスキルとなる。



 ◎ユニークスキル

 レアスキル以上に稀で、より強力なスキル。
 このスキルの所有者はほとんど確認されていないが、魔術士の聖地『ジャファー共和国』を建国したとされる、偉大なる魔術士ジャファーが、"天稟:魔法"というユニークスキルを持っていた。

 ただし、この世界の人が知っているのは、スキルには区分があるという事だけである。
 詳細な分類を把握していない為に、ジャファーの"天稟:魔法"のスキルも、ただのレアスキルであるとみなされている。



 ☆レジェンドスキル

 伝説のスキル。伝説と名がついているくせに、人々に全く伝えられていないという矛盾を孕んでいる。




 ひとまずスキルについての大まかな説明はこれまで。
 
 次話からは新章になります。少しずつ主人公たち以外の人物が登場していき、話が広がりを見せ始める感じ……ですかね。
 引き続きご愛顧の程、よろしくお願い致します。




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