超絶美少年に転生しました！ でもちょっと問題があります。わたし心は乙女なんですけどっ！

1.美少年に転生！

　気づいたら目の前に天使がいました。

　どうもこんにちは、私はーーーです。〇〇商事の事務員をしております……した。過去形です。

　皆さんは私のことをよく知らないでしょう。なので、勘違いして欲しくないのですが、絶対に怪しいお薬を飲んでいるとかじゃありませんからねっ！

　あ～天使が見えるんじゃぁ～♪ 

　とかではありません。ダメ絶対！

　どうやら私は天に召されたようなのです。なんとなく、死ぬ前の光景を覚えています。

　仕事帰りにトラックが突っ込んできて、グシャリ……まぁ、たいして珍しいことじゃないでしょう。

　不思議だったのは、トラックにぺしゃんこにされた後、私はその光景を空から見ていたことです。

　うげぇ、トラックに轢かれた私の身体はそれはもうグロいことになっていたことを思い出してしまいました。

　でもよかったです。痛みを感じる前に死ねたみたいですから。

　ごめんなさい。お父さん、お母さん、妹よ。達者で暮らしてください。

　血の盟約に従い、妹がパソコンのSSDを完全に破壊してくれるはずなので未練はありません。
　妹よ約束を忘れるな……。

　あれ、を見られたら私はもう生きていけません。まぁもう死んでるんですけどねっ！
　……どうでしょう、死人ジョークです。さっき思いつきました。

　天に昇る私は、こんなことならちゃんと神様を信じていればよかったと、信心深くなっていました。

　今までお腹を壊した時しか神を信じたことがなかった私ですが、こうなっては何かしら信じなければなりません。

　般若心経か聖書のどちらを唱えればいいのか悩んでいると、いつのまにか真っ白な空間に私はいたのです。

　そして、今に至ります。

　目の前には天使がいます。背中から純白の羽が生えている可愛らしい男の子です。

　なるほど、アーメンの方でしたか。ラーメンしか食べたことがないので、失礼がないか不安です。

　その子はハダカでした。……具体的な表現は避けましょう、規制に引っかかりたくないのでっ。

　ようこそ！ とその子は声を上げて、わざとらしく手を拡げ天を仰ぎます。

「あなたを美少年に転生させてあげましょう！」

　天使はそう宣いました。