隻眼の少女は薔薇騎士に愛でられる

柘榴アリス

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第百八十四話 今のは‥、夢?

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ゾフィーは寝台の上に横たわった状態で拘束されていた。片腕と片足が鎖と手錠で繋がれている為、逃げることができない。

「ん…!クッ…!」

ゾフィーは何とか手錠を外そうとするが手首が傷つくだけで外れることはない。
早くしないと…!早く逃げないと…!焦れば焦るほど、時間は過ぎていく。
ゾフィーは恐ろしさからじわり、と涙がこみ上げてくる。思わず心の中で助けを求めた。
助けて…!ゼリウス…!が、そんな願いも空しく、勢いよく扉が開かれる。

「おお…!中々の別嬪ではないか!」

扉を開けたのは胸元の開いた服を着た色っぽい女と一人の太った男だった。まるで豚のように肥え太った男だ。男のぎらついた視線にゾフィーはヒッ…、と恐怖に引き攣った声を上げる。

「すみませんねえ。旦那。何せ、この子ったら、没落したとはいっても元は貴族のお嬢さんだから言う事を聞かないもんで…、ま。初めてですからお手柔らかに。旦那の手練手管で躾てあげて下さいな。」

「ほお!貴族の娘なのか…!しかも、生娘とは…。それはそれは…、」

男はゾフィーに舌なめずりをしながら近づいてくる。

「こ、来ないで…!」

ゾフィーは必死に叫んで男から逃げようとするが鎖で繋がれているので無駄な抵抗だった。
いつの間にか案内した女は出て行ってしまった。部屋にはグフグフと気持ち悪い声を出す男とゾフィーだけだった。

「グフフ…、見れば見る程、美しい女だ…。」

ゾフィーの顎を掴んで顔を近づける男にゾフィーは鳥肌が立った。男の厭らしい視線、臭い全てに嫌悪感を覚える。

「ヒッ…!」

ガタガタと震えるゾフィーに構わず男は涎を垂らす勢いで覆いかぶさった。

「その格好…、そそるのう。今夜は久々に楽しめそうじゃ…。」

グフグフと気味の悪い笑い声を出しながら、男はゾフィーに手を伸ばした。

「い、嫌…、」

ゾフィーはじわり、と涙がこみ上げる。

「どれ、体つきはどんなものか確かめてやろう。」

「やっ…!?」

男がゾフィーのドレスに手をかける。そのまま、ビリビリと引き裂かれ、ゾフィーの胸元が露になる。

「嫌あ!」

「おお!中々、大きいではないか…!」

そのまま胸を鷲掴みにされる。ゾフィーは痛みに歯を食い縛った。涙が頬を伝う。

―助けて…!ゼリウス…!

心の中でゼリウスに助けを求める。だが、現実は残酷で助けは来ず…。ゾフィーの胸や太腿に男の脂っこく、太った手が這いずり回る。思わず、鳥肌が立った。

―こんな…、こんなの嫌…!

『ゾフィーの結婚式、楽しみにしているね。』

その時、ゾフィーはリエルの言葉を思い出した。
リエルはゾフィーとゼリウスの結婚を心から祝福してくれた。ゾフィーが他の貴族に認められるように力になってくれた。

『ゾフィー。これ、あなたに…。』

そう言って、リエルから受け取った箱を開けると、中には美しい髪飾りが入っていた。葉と花をモチーフにした精巧な細工で造られた銀の髪飾り…。所々に真珠が埋め込まれている。
何て、綺麗…。派手ではないが上品で優雅な銀の髪飾りに目を奪われた。

『私からのお祝い。幸せになってね。ゾフィー。』

リエル…!ゾフィーは次から次へと涙が流れた。
そうしている間にも男はハアハア、と荒い息を吐きながらゾフィーの脚に手をかけた。

「どれ…。感触は…、」

男がベロリ、と舌を出した。
ゾフィーは恐怖に慄きながら、必死に心の中で叫んだ。
リエル…!リエル!助けて…!私、このままじゃ…!
思わずギュッと目を瞑り、叫んだ。

「嫌あああああ!」

そのまま男の舌がゾフィーの肌を舐めとろうと近づく。
もう、駄目…!ゾフィーの心は絶望に染まった。




「…ッ、ゾフィー!」

リエルはガバッと飛び起きた。今のは…、夢…?
真っ暗闇の中で一人、佇んでいたリエルは助けを求めるゾフィーの声を聞いた気がした。
そこで目が覚めた。
バクバク、と心臓が激しく鼓動している。ハアハア、と荒い息を吐く。
今の夢は何かの…、予兆?ゾフィーは無事なんだろうか。それすらも今は分からないだなんて…。
リエルはさっきの夢で益々、不安と焦りを覚えた。
早く、早く何とかしないと…!
その後、リエルはほとんど寝られず、朝を迎えることとなった。



「全然、寝れなかった…。」

リエルは寝不足でふらつきながら、廊下を歩いていた。
ここに来て、もう一週間ちょっと…。まだ手がかりすら掴めないだなんて…。
そう思い、溜息を吐いていると、突然、パリン!ガッシャーン!と何かが割れるような音が聞こえた。リエルは何事?と顔を上げた。近くにいた他のメイド達はビクッとして、そそくさと逃げ出していく。今の音が聞こえなかった筈はない。それなのに、メイド達はその音とは反対の方向に向かっていく。

「あの…!今の音聞こえませんでしたか?様子を見に行った方が…、」

「冗談じゃないわ!何されるか分かったもんじゃないわ!リーゼ!あなたもさっさと逃げた方がいいわよ!」

バタバタと走り去るメイド達。唖然としていると、甲高い怒鳴り声が聞こえた。
何…!?リエルは急いで声のする方に向かった。
あそこは確か…、子爵家の息子、ダークのお部屋…?つまりはゾフィーの弟の部屋だ。
ゾフィーの家族を遠目に見たことはあるけど、関わりはほとんどない。
リエルは今、使用人という立場だし、専属の侍女ではないから接点がそもそもないのだ。

ゾフィーの弟、ダークはゾフィーの年の離れた弟で末っ子だ。
男児はダークしかおらず、跡継ぎとしてそれはそれは大切に育てられたらしい。
ただ、両親が溺愛しすぎたせいで大層、我儘で傲慢な性格に育ってしまったそうだ。
ゾフィーが何とかしたいのだけど、私は弟に嫌われているから…、と少しだけ弟について語ってくれたことがあった。だが、それ以上は話そうとしなかった。リエルも何となく、それ以上は聞けなかった。

リエルはダークの部屋に向かった。ゾフィーの弟なのだ。会ってみたいと思った。
ゾフィーに似ているのかな?だとしたら、可愛い子かもしれない。
それに、こう見えて、子供の世話は慣れているのだ。よく孤児院で子供達と遊んだこともあるし。
我儘な子供なんて、よくいる。それに、子供っていうのは捻くれている子もいるが基本的に素直で単純なのだ。扱いさえ気を付ければすぐに打ち解けられる筈。そう思って、部屋の中をそーと窺った。

「こんな、不味いお茶が飲めるわけないだろ!」

そう言って、まだ年頃のメイドを足蹴にするまだ小さな少年…。
え…、リエルは目の前の光景に唖然とした。

「メイドの癖にお茶も淹れられないのか!?この、役立たず!」

ガッガッと容赦なくメイドの身体を足で蹴っている茶色の髪の少年…。
リエルは思わず固まってしまった。多分…、いや。確実にあの少年がゾフィーの弟、ダークだ。
メイドは逆らえないのか許しを乞うように悲鳴を上げるが抵抗の一つもしない。

「も、申し訳ありません…!」

「謝ったら、済むと思っているのか!?僕はこの家の跡継ぎだぞ!?いずれは当主になるんだ!
その僕に…、こんな不味いお茶を出すなんて…!」

リエルはドン引きした。あれがゾフィーの弟?嘘だ。誰か嘘だと言ってくれ。
外見が似てないとかそんなものじゃない。中身や性格が全くゾフィーに似ていないのだと確信した。
例え多少は我儘でもゾフィーの弟なんだから根はいい子なのかもしれないと思っていたがそれは甘い考えだったと思い知らされる。これは我儘なんてものじゃない。あれは、もう、暴君だ。
どう教育したらこんな問題児に育つというのだ…。これは、ゾフィーが話したがらない筈だ。
そりゃあ、言いたくないよね。実の弟がこんなモンスターみたいな子だなんて…。
その内、ダークはどこから持ち出したのか鞭を手にしていた。

「お前みたいな躾のなっていないメイドにはお仕置きしてやる…!」

「ヒッ…!?」

あまりにも横暴な態度のダークに驚きすぎて、固まっていたリエルだったがダークが鞭を取り出したのを見て、慌てて駆け出した。ノックする余裕はなかった。
ダークは鞭を振り上げる。リエルはバッとメイドに覆いかぶさるように庇った。
バシッ!と鞭がリエルの背中に振り下ろされた。

「ッ…!」

リエルは歯を食い縛り、痛みに堪えた。

「え…!?」

メイドは驚いたようにリエルを見上げた。

「…だ、大丈夫…?」

「あ、うん…。あ、あたしは…、」

戸惑ったように頷くメイドにリエルは微笑み、鞭で打たれた背中の痛みを堪えながら、目の前の少年に向き直った。

「何だ!?お前は!いきなり、出てきて無礼な…!」

「突然、このようなお目汚しをしてしまい、申し訳ありません。ダーク様。」

リエルはスッとダークに頭を下げた。

「申し遅れました。私はリーゼと申します。一週間前程から、下働きのメイドとしてこの子爵家に仕えさせて頂くこととなりました。一介の侍女が子爵家の次期当主であるダーク様にこのように物申すことが無礼であることは十分に理解しております。けれど、どうしても耳を傾けて頂きたいことがあるのです。どうか、発言の許可を頂けないでしょうか?ダーク様。」

「…何だよ?」

「寛大なお心遣い、痛み入ります。実は、こちらのメイドは昨日から体調を崩しておりまして…、無理をして仕事をしてしまった為かこのような失態を…、
勿論。だからといって、ダーク様にご不快な思いをさせてしまった事実は変わりません。
当家に仕える侍女としてあるじまじき失態でございます。ですが、彼女が体調不良であることを知っていながら止めなかった私にも非はございます。…ダーク様のお怒りはご最もです。どんな罰でもお受けしますから、どうか彼女は見逃して頂けないでしょうか?代わりに、私が罰をお受けします。」

「…え!?」

痛めつけられたメイドは特に接点もないメイドだ。だから、このメイドが体調不良という話は真っ赤な嘘。メイドは自分を庇ったリエルを驚いたように見つめる。
リエルは大丈夫、と力強く頷いて見せた。
そのまま平伏した姿勢でダークの言葉を待った。
…これで標的が変わればいい。大丈夫。鞭に打たれるのは痛いけど少し我慢するだけ。それに、子供が振るう鞭だ。そこまで、強い痛みはない筈。
小さい頃、父の留守に母から鞭打たれた事だってあった。あの痛みと比べればマシな筈だ。
運が良ければあるいは…、

「ふん。もう、いい。そこまで言うなら、特別に許してやる。」

ダークの言葉にリエルはバッと顔を上げた。ダークはふふん、と得意げな顔をして見下ろしている。

「まあ!お許し下さるのですか!?ありがとうございます…!何て慈悲深い…!
さすがは、この家の次期当主になられる御方です!」

リエルは両手を握り締めて、かなり大袈裟な位に反応し、さも感激していますといった表情でダークにお礼と多少のおべっかを使った。その賛辞に気をよくしたのかダークは機嫌が良さそうに笑い、

「当たり前だ。僕はいずれ、子爵家の当主になる男だからな。メイドが粗相をしたからといって、一々、咎めたりしない。」

さっき、お茶が不味いとか言って暴力を振るった挙句、鞭で叩こうとした癖にどの口が言うんだか。という本心は押し隠し、リエルはにこにことダークに微笑みかけ、

「まあ…。まだ若いのに何て立派な心掛け…。ダーク様のような方が跡取りでしたら、この家は安泰ですね。」

「そうだろう。そうだろう。」

小さい体で胸を張るダークにリエルは丁寧に申し出た。

「ダーク様。その慈悲深さに深く感謝を申し上げます。
その感謝の印によろしければ、私にお茶を淹れさせて頂けないでしょうか?
ダーク様に満足できますよう精一杯、心を尽くして淹れさせて頂きますから。是非…。」

「ふん。いいだろう。許してやる。」

「ありがとうございます!あの、もし、よろしければ、彼女は下がらせても構わないでしょうか?
その代わりといっては何ですが私が代わりにダーク様の身の回りのお世話をさせて頂きます。役に立てるか分かりませんがどうぞ、私に何なりとお申し付けください。」

「構わない。さっさとその役立たずなメイドは下がらせろ。」

「畏まりました。すぐに。…さあ、ここは私に任せて。あなたは下がって休んでて。」

メイドに下がるように促すリエルにメイドは一瞬、躊躇するような目を向けたが一刻も早くここを立ち去りたかったのだろう。申し訳なさそうな表情を浮かべながらもぺこっと頭を下げてすぐに退出した。チラッと一瞬、リエルに気遣わしげな視線を向けたがリエルは大丈夫、というように微笑んで頷くとそのままメイドは部屋から出て行った。
リエルはすぐにご用意しますね、とダークに声を掛け、紅茶を淹れる準備をした。
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