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第八十三話 気が乗らないお茶会
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「…様。お嬢様!」
肩を触られ、揺すられる感覚にリエルはハッと目を見開いた。
「お嬢様。目を覚めされましたか?」
リエルは目の前に立ってこちらを見下ろすリヒターの姿に徐々に意識がはっきりとした。
―夢…?
「あ…。ごめんなさい。私ったら、いつの間にか眠ってしまってたみたいで…、」
リエルはまだぼんやりした頭に手をやりながら、フウ、と息を吐いた。
「いえ。疲れている所を起こすのはご遠慮したかったのですが…、
何やら魘されている様子でしたので…、」
「うん…。少し…、生々しい夢を見てしまって…、」
「生々しい夢とは?」
「…忘れちゃった。」
リエルは嘘を吐いた。本当はしっかりと覚えている。夢の中で見たおぞましい血も倒れ伏した彼の姿も目に焼き付いている。
―リーリア嬢の死を聞いたからこんな夢を?私がアルバートを刺すと言っていたあの言葉がずっとこびりついて離れない。馬鹿馬鹿しい。あんな妄言染みた彼女の言葉を気にするなんて。そう思っているのに…、どうして、私は…、
リエルは胸の中に巣食った不安にギュッと拳を握り締めた。
「お嬢様。こちら、本日届いたお手紙でございます。」
「ありがとう。メリル。」
リエルが書類の整理をしていると、メリルから手紙を渡され、礼を言ってそれを受け取った。
「こんなにたくさん…。」
メリルから渡された手紙は十通程あった。
「えっと、これは夜会の招待状に、こっちはお茶会の招待状…、後は…、ん?」
リエルはその時、一通の手紙に目を留めた。
「これは…、ティエンディール家からの…?」
ティエンディール侯爵家はフォルネーゼ家とも古くから付き合いのある家柄だ。爵位は侯爵という家柄であちらの方が家格は上だが古くから続く由緒正しい血筋、王家への信頼と権力に関しては当家とほぼ同等の立ち位置である。
ティエンディール家はフォルネーゼ家と同じ五大貴族の一つであった。
五大貴族は皇帝に忠誠を誓い、皇帝派に属する立場だ。そのため、同じ派閥である五大貴族は協力関係にあるので仲は良好といえる。
リエルもティエンディール侯爵家の人間とも交流はあり、中でも一番交流が多いのはティエンディール家の現当主、ゼリウスだった。彼とは幼い頃から交流があったため、友人という間柄ではあったがリエルはティエンディール侯爵家の現当主に会うのが気が重かった。何故かと言えばそれは…、
―また、令嬢達にあらぬ嫉妬ややっかみを受けるのかなあ。
ゼリウスは社交界でも有名なプレイボーイ。後腐れのない未亡人や人妻と浮名を流し、時には一夜のアバンチュールを楽しむという最低な浮気男である。
それでも彼の誘いを順番待ちしている貴婦人は後を絶たない。それだけ、友人は魅力的な紳士として有名だった。リエルからすれば夫としても恋人としてもお勧めできるタイプではない。
ただ、友人としての付き合いならいい。
男女の仲にならなければ彼は気さくだし、話しているのも楽しいし、面倒見がいい。だが、絶対に恋人にはしたくない相手だ。
それなのに、彼は人妻や未亡人だけでなく、未婚の令嬢にも人気なのだ。…理解できない。
そんな訳でリエルにとってはあくまで友人でしかない彼だが令嬢達はそうは思わない。話しているだけで色目を使っているとされ、いつも彼がいなくなった後で睨まれ、嫌味を言われるのだ。まあ、確かに容姿端麗、文武両道、加えて五大貴族の地位とくれば女性達にとっては優良物件かもしれない。だが、友人と結婚すれば浮気や不倫は当たり前。絶対に幸せな結婚生活は送れないだろう。きっと、年中、夫の女性問題の後始末をさせられる。リエルは友人の未来の妻に同情してしまう。
「お茶会の招待状か…。それに、これはゼリウスから?」
フォルネーゼ家に正式に届けられた手紙ともう一通はゼリウスからリエルに宛てられた個人の手紙だ。リエルはゼリウスからの手紙に目を通す。
「相談したいこと…?」
手紙の内容は簡潔にまとめれば、相談したいことがあるし、久しぶりに会って話したいこともあるから、是非お茶会に来て欲しいとのことだった。が、リエルは気が乗らない。
今までの経験上、彼の相談とは碌でもないものばかりだった。しかも、彼の相談することは専ら女に関することだけなのだ。彼の話も愚痴と見せかけた自慢話の恋愛話が八割方を占める。また、あんな興味もない男女の駆け引き話を聞かされるのかと思うと、辟易する。どうせ、今回も碌な相談ではないだろう。そうリエルは結論づけた。それなら、わざわざお茶会に行って、令嬢達にあらぬやっかみを受けたくはない。
「それに、このお茶会の日…、丁度、予定が入っているし…、」
茶会が開かれる日は領地の孤児院と病院の視察をする日と重なっている。丁度いい。仕事を理由にして、断ってしまおう。孤児院の皆にも絵本を読んだり、一緒に遊ぶ約束もしている。そう結論付けたリエルだった。
「え?今、何て?」
「…申し訳ありませんが明日の予定はティエンディール侯爵家のお茶会に出席することになりました。」
「な、何で突然…?そもそも、私は招待状は頂いたけど、断った筈だわ!何でそんな…、」
「セリーナお嬢様が勝手に姉妹で出席すると返事をしたそうです。」
リエルは天を仰ぎたくなった。あの黒猫が現れた夜会といい、今回といい…。リエルは思わず頭に手をやり、溜息を吐いた。
「…分かったわ。明日はお茶会に出席しましょう。」
さすがに出席すると返事をしておいて、当日で欠席するなんて無礼は働けない。しかも、ティエンディール侯爵はリエルと同じ五大貴族の一つだ。爵位もフォルネーゼ伯爵より上の爵位。礼儀を欠くわけにはいかない。
「明日は孤児院の皆に会いに行く予定だったのに…。」
また、あの取り巻き、だと思っている女性集団に絡まれるのかと思うと、溜息しか出ない。孤児院の子供達には申し訳ない気持ちで一杯だ。一緒にパイを作る約束もしたのに…。ああ。レモンパイ食べたかった。リエルは何度目になるか分からない溜息を吐いた。
肩を触られ、揺すられる感覚にリエルはハッと目を見開いた。
「お嬢様。目を覚めされましたか?」
リエルは目の前に立ってこちらを見下ろすリヒターの姿に徐々に意識がはっきりとした。
―夢…?
「あ…。ごめんなさい。私ったら、いつの間にか眠ってしまってたみたいで…、」
リエルはまだぼんやりした頭に手をやりながら、フウ、と息を吐いた。
「いえ。疲れている所を起こすのはご遠慮したかったのですが…、
何やら魘されている様子でしたので…、」
「うん…。少し…、生々しい夢を見てしまって…、」
「生々しい夢とは?」
「…忘れちゃった。」
リエルは嘘を吐いた。本当はしっかりと覚えている。夢の中で見たおぞましい血も倒れ伏した彼の姿も目に焼き付いている。
―リーリア嬢の死を聞いたからこんな夢を?私がアルバートを刺すと言っていたあの言葉がずっとこびりついて離れない。馬鹿馬鹿しい。あんな妄言染みた彼女の言葉を気にするなんて。そう思っているのに…、どうして、私は…、
リエルは胸の中に巣食った不安にギュッと拳を握り締めた。
「お嬢様。こちら、本日届いたお手紙でございます。」
「ありがとう。メリル。」
リエルが書類の整理をしていると、メリルから手紙を渡され、礼を言ってそれを受け取った。
「こんなにたくさん…。」
メリルから渡された手紙は十通程あった。
「えっと、これは夜会の招待状に、こっちはお茶会の招待状…、後は…、ん?」
リエルはその時、一通の手紙に目を留めた。
「これは…、ティエンディール家からの…?」
ティエンディール侯爵家はフォルネーゼ家とも古くから付き合いのある家柄だ。爵位は侯爵という家柄であちらの方が家格は上だが古くから続く由緒正しい血筋、王家への信頼と権力に関しては当家とほぼ同等の立ち位置である。
ティエンディール家はフォルネーゼ家と同じ五大貴族の一つであった。
五大貴族は皇帝に忠誠を誓い、皇帝派に属する立場だ。そのため、同じ派閥である五大貴族は協力関係にあるので仲は良好といえる。
リエルもティエンディール侯爵家の人間とも交流はあり、中でも一番交流が多いのはティエンディール家の現当主、ゼリウスだった。彼とは幼い頃から交流があったため、友人という間柄ではあったがリエルはティエンディール侯爵家の現当主に会うのが気が重かった。何故かと言えばそれは…、
―また、令嬢達にあらぬ嫉妬ややっかみを受けるのかなあ。
ゼリウスは社交界でも有名なプレイボーイ。後腐れのない未亡人や人妻と浮名を流し、時には一夜のアバンチュールを楽しむという最低な浮気男である。
それでも彼の誘いを順番待ちしている貴婦人は後を絶たない。それだけ、友人は魅力的な紳士として有名だった。リエルからすれば夫としても恋人としてもお勧めできるタイプではない。
ただ、友人としての付き合いならいい。
男女の仲にならなければ彼は気さくだし、話しているのも楽しいし、面倒見がいい。だが、絶対に恋人にはしたくない相手だ。
それなのに、彼は人妻や未亡人だけでなく、未婚の令嬢にも人気なのだ。…理解できない。
そんな訳でリエルにとってはあくまで友人でしかない彼だが令嬢達はそうは思わない。話しているだけで色目を使っているとされ、いつも彼がいなくなった後で睨まれ、嫌味を言われるのだ。まあ、確かに容姿端麗、文武両道、加えて五大貴族の地位とくれば女性達にとっては優良物件かもしれない。だが、友人と結婚すれば浮気や不倫は当たり前。絶対に幸せな結婚生活は送れないだろう。きっと、年中、夫の女性問題の後始末をさせられる。リエルは友人の未来の妻に同情してしまう。
「お茶会の招待状か…。それに、これはゼリウスから?」
フォルネーゼ家に正式に届けられた手紙ともう一通はゼリウスからリエルに宛てられた個人の手紙だ。リエルはゼリウスからの手紙に目を通す。
「相談したいこと…?」
手紙の内容は簡潔にまとめれば、相談したいことがあるし、久しぶりに会って話したいこともあるから、是非お茶会に来て欲しいとのことだった。が、リエルは気が乗らない。
今までの経験上、彼の相談とは碌でもないものばかりだった。しかも、彼の相談することは専ら女に関することだけなのだ。彼の話も愚痴と見せかけた自慢話の恋愛話が八割方を占める。また、あんな興味もない男女の駆け引き話を聞かされるのかと思うと、辟易する。どうせ、今回も碌な相談ではないだろう。そうリエルは結論づけた。それなら、わざわざお茶会に行って、令嬢達にあらぬやっかみを受けたくはない。
「それに、このお茶会の日…、丁度、予定が入っているし…、」
茶会が開かれる日は領地の孤児院と病院の視察をする日と重なっている。丁度いい。仕事を理由にして、断ってしまおう。孤児院の皆にも絵本を読んだり、一緒に遊ぶ約束もしている。そう結論付けたリエルだった。
「え?今、何て?」
「…申し訳ありませんが明日の予定はティエンディール侯爵家のお茶会に出席することになりました。」
「な、何で突然…?そもそも、私は招待状は頂いたけど、断った筈だわ!何でそんな…、」
「セリーナお嬢様が勝手に姉妹で出席すると返事をしたそうです。」
リエルは天を仰ぎたくなった。あの黒猫が現れた夜会といい、今回といい…。リエルは思わず頭に手をやり、溜息を吐いた。
「…分かったわ。明日はお茶会に出席しましょう。」
さすがに出席すると返事をしておいて、当日で欠席するなんて無礼は働けない。しかも、ティエンディール侯爵はリエルと同じ五大貴族の一つだ。爵位もフォルネーゼ伯爵より上の爵位。礼儀を欠くわけにはいかない。
「明日は孤児院の皆に会いに行く予定だったのに…。」
また、あの取り巻き、だと思っている女性集団に絡まれるのかと思うと、溜息しか出ない。孤児院の子供達には申し訳ない気持ちで一杯だ。一緒にパイを作る約束もしたのに…。ああ。レモンパイ食べたかった。リエルは何度目になるか分からない溜息を吐いた。
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