犬神遣い鵯透子は邪術を恣に扱う
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幼稚園のパンダ、鵯の三つ編み、寄生された美堂、凡庸消滅呪殺式溶解犬噛み、そしてお掃除して消えていく怒髪衝天――メグちゃん関連の描写が、私の心の中に美しく広がっていった。特に鵯のおさげの描写には、現実的でありながら独特な奇妙さを感じて、三つ編みが生えるたびに毎回嬉しくなった。
子供の視点から語られる物語として、正当な子供らしさを感じた。その論理の幼さや絶望の浅さ、怒りの容易さは、なかなか描かれることのない子供の性質だと思う。これと教師たちの無能ぶりが相まって、この作品は、現代日本(ないし平成の日本)に生きる子供の苦悶を、劇的なスタイルに落とし込んだものだと感じる。人生が長いためにさまざまな側面を持つ大人よりも、少ししか人生を知らない、一途で短絡的な子供達のほうが、生々しい絶望と世界への怨嗟を、華々しく着こなすのだと感じた。
また、学童たちによる差別的なグループ分けの概念は、私個人にとって親しみがなかった。だからかもしれないが、登場人物たちの最低さが私には異文化的で新鮮であり、憤るか恨むかしかないその心は、不可思議で魅力的だった。強く最低へとのみ向かっていく人物たち....鵯や諸見沢は違うのかと思いきや、かれらこそが最低の中に息づく者たちであり、他キャラクターのほうが、快楽や憧憬にかまけて最低を脱出しようとしているのだと思った。
幸せを求めるのか破滅を望むのか、自分自身でも分からずにくるくると魂を回転させつづける人物たちが、印象に残る。彼らは結果的には薄弱であり可愛らしいけれど、常にその実態は死にものぐるいの暴走である(だから可愛いとか言っている場合ではない)。そこにリアルな人間性を感じた。
お目汚しの感想をご容赦いただき、ありがとうございました。
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