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0-4 妄想の幻覚
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俺は『それ』をスマホで照らす。
画像として目と言う感覚器官からその情報が神経を伝わり脳に映し出されてから『それ』が何かという事を理解するまでに数秒の時間がかかった。
死体だ。
人間の肉塊。
しかも何か見覚えがある。
短い金髪に後ろに束ねた黒髪。
顔がぐちゃぐちゃになってて顔の表情の『形』が確認できない。
あれ? これは俺の脳が作り出した妄想の幻覚か?
妄想と現実の境界線。
俺は必死になって天から垂らされた糸の様なものを手繰り寄せる様にしてあり得ないその出来事を、その非現実的な情景を受け入れようとする。
そして考える。自己弁護する。
そうだ。さっき俺は思ったじゃないか。
このクソガキ共の顔をぐちゃぐちゃにして、サイコロステーキにして、ガソリンで焼いて灰にして海に撒くって。
これは俺がしたのか?
違うだろ。
していない。
俺に『こんな』能力は無い。
無い。無い。そんなものは。
なら大丈夫だ。
しかしいくら明後日の方向に心を向かせても強い脅えと強烈な混乱からは逃れられない。
俺の脳の動きはそれにより緩やかな速度から急激に加速して活性化。そしてさらに感情が揺れ動いて減速不可能となっていく。
そしてパラノイアは頂点に達する。
警察、手錠、免職、逮捕、疑われる、牢屋、懲役、刑務所。自害。
棺桶、葬式、嘲笑、火葬、消失、忘却。
「逃げなきゃ……」
走っても無いのに息が荒くなってきた。
「逃げなきゃ」
俺は後ずさりした。
「現実から逃げなきゃ」
そして俺は振り返り細い路地の終着点、つまり街の明かりが差し込む出入口の方向へと走ろうとした。
『逃がさんよ?』
何者かの声、が俺の脳の中に響いた。
画像として目と言う感覚器官からその情報が神経を伝わり脳に映し出されてから『それ』が何かという事を理解するまでに数秒の時間がかかった。
死体だ。
人間の肉塊。
しかも何か見覚えがある。
短い金髪に後ろに束ねた黒髪。
顔がぐちゃぐちゃになってて顔の表情の『形』が確認できない。
あれ? これは俺の脳が作り出した妄想の幻覚か?
妄想と現実の境界線。
俺は必死になって天から垂らされた糸の様なものを手繰り寄せる様にしてあり得ないその出来事を、その非現実的な情景を受け入れようとする。
そして考える。自己弁護する。
そうだ。さっき俺は思ったじゃないか。
このクソガキ共の顔をぐちゃぐちゃにして、サイコロステーキにして、ガソリンで焼いて灰にして海に撒くって。
これは俺がしたのか?
違うだろ。
していない。
俺に『こんな』能力は無い。
無い。無い。そんなものは。
なら大丈夫だ。
しかしいくら明後日の方向に心を向かせても強い脅えと強烈な混乱からは逃れられない。
俺の脳の動きはそれにより緩やかな速度から急激に加速して活性化。そしてさらに感情が揺れ動いて減速不可能となっていく。
そしてパラノイアは頂点に達する。
警察、手錠、免職、逮捕、疑われる、牢屋、懲役、刑務所。自害。
棺桶、葬式、嘲笑、火葬、消失、忘却。
「逃げなきゃ……」
走っても無いのに息が荒くなってきた。
「逃げなきゃ」
俺は後ずさりした。
「現実から逃げなきゃ」
そして俺は振り返り細い路地の終着点、つまり街の明かりが差し込む出入口の方向へと走ろうとした。
『逃がさんよ?』
何者かの声、が俺の脳の中に響いた。
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