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第一王子からの婚約破棄から始まる幸せまでの道のり
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私はレイナ・ファルコンハート。元々この国の第一王子・リオンと婚約していたが、彼の浮気が発覚し、私は悪役令嬢として婚約破棄されてしまった。
「レイナ・ファルコンハート。お前は私との婚約を解消する」
リオンの冷たい声が響く。私は涙も流さずに立ち上がり、彼に向き合った。
「わかりました。ではこれで」
私は淡々と答える。リオンの隣にいる女性・エリカ・ローズウッドがニヤリと笑う。
「よくも私の恋人を奪おうとしたわね。これでお前に教訓を与えたわ」
エリカは私に向かって言う。彼女こそがリオンの浮気相手だった。彼女はリオンの幼馴染で、私と婚約していることを知っていながらも、彼に迫っていたのだ。
「教訓?あなたに何をされたというのですか?」
私は冷静に聞き返す。エリカは驚いたように目を見開く。
「何を言ってるのよ!あなたは私たちの仲を邪魔したんだから、当然罰を受けなきゃいけないでしょう」
「邪魔した?私は何もしていませんよ。リオン様と婚約していただけです」
「だからこそよ!あなたが婚約者だったから、私たちは隠れて会わなきゃいけなかったのよ。あなたがいなければ、私たちは堂々と愛し合えたのに」
エリカは涙ぐみながら言う。リオンは彼女の肩に手を回し、優しくささやく。
「大丈夫だよ、エリカ。これでお前は俺のものだ。レイナなんか忘れてしまえ」
「リオン……ありがとう……」
二人は互いに見つめ合ってキスする。周りの人々は二人の姿に感動して拍手する。私はその光景を呆然と見ている。
「これで終わりですか?それでは失礼します」
私は声をかける。リオンとエリカはキスをやめて私に顔を向ける。
「ああ、もう用はない。さっさと消えろ」
リオンは冷笑する。エリカも同じく笑う。
「バイバイ、レイナ様。二度と会わなくて良かったわ」
私は何も言わずに振り返り、王宮から出て行く。私の後ろから罵声や嘲笑が飛んでくるが、気にしない。
私は自分の領地である辺境の地・ファルコンハート伯爵領に向かう。そこで平穏な生活を送ろうと思っている。
私は悪役令嬢ではない。ただ婚約者に裏切られただけだ。
私は馬車で数日かけてファルコンハート伯爵領に到着する。そこは山と森に囲まれた美しい土地だった。私はこの地で生まれ育ち、リオンと婚約するまではここで暮らしていた。
「お嬢様、お帰りなさいませ」
私を迎えるのは執事のジェフリーだった。彼は私の父親の代から仕えている忠実な家臣だ。
「ジェフリー、ありがとう。お元気でしたか?」
「はい、お嬢様。お嬢様のご帰還を心待ちにしておりました」
ジェフリーは笑顔で言う。私は彼に感謝する。
「私もあなたに会えて嬉しいです。それで、この領地の様子はどうですか?」
「問題ありません。農作物も豊作で、民も平和に暮らしております」
「良かった。それなら安心しました」
私はほっとする。この領地は私の大切な故郷だ。ここが平和であれば、それだけで幸せだ。
「では、お部屋に案内いたします」
ジェフリーは馬車から荷物を降ろすと、私に手を差し出す。私は彼の手を取り、屋敷に入る。
屋敷は広くて豪華だが、派手さや気取りはない。シンプルで落ち着いた雰囲気が漂っている。私はこの屋敷が好きだった。
「お嬢様、こちらがお部屋です」
ジェフリーは二階の一番奥にある部屋のドアを開けると、私を中に案内する。
「ありがとう、ジェフリー」
私は部屋に入ると、目を輝かせる。部屋は昔のまま変わっていなかった。白とピンクを基調とした可愛らしいインテリアが並び、窓からは緑豊かな景色が見える。
「これが私の部屋……」
私はしばらく感慨にふける。この部屋で過ごした日々が思い出される。幼い頃から夢見ていた王子様との結婚も、この部屋で知らされた。
「ああ……リオン……」
私はつい呟く。リオンの顔が浮かぶ。笑顔や怒り顔や甘え顔や……そして裏切り顔。
「……もう忘れよう」
私は自分に言い聞かせる。リオンなんてもう関係ない。私は彼を愛していない。
私は荷物を整理した後、屋敷の中を散策することにする。久しぶりに見る屋敷の様子に、私は懐かしさと安心感を覚える。
「お嬢様、お茶でもいかがですか?」
ジェフリーが声をかけてくる。私は彼に微笑む。
「はい、お願いします」
私はジェフリーについて、屋敷の中庭にあるテーブルに着く。そこには美味しそうなお菓子や果物が並んでいる。
「わぁ、素敵ですね」
私は目を輝かせる。ジェフリーは嬉しそうに言う。
「これらはすべて領地の特産品です。お嬢様のお好みのものをご用意しました」
「ありがとうございます。どれも美味しそうです」
私は手に取ったケーキを口に運ぶと、甘くてふわふわした食感に感動する。
「美味しい!これは何ですか?」
「これはベリーとクリームチーズのケーキです。ベリーは森で採れたもので、クリームチーズは牧場で作られたものです」
「すごい!自然の恵みがこんなに美味しいなんて」
私は他のお菓子や果物も次々と試す。どれも絶品だった。
「ジェフリー、本当にありがとう。こんなに幸せな気分になったのは久しぶりです」
私はジェフリーに感謝する。ジェフリーは優しく微笑む。
「お嬢様、こちらこそありがとうございます。お嬢様が笑顔でいらっしゃるのが何よりの喜びです」
私とジェフリーはしばらく楽しく会話をする。私はこの平和な時間が永遠に続けばいいと思う。
しかし、その願いは叶わなかった。
「レイナ様!大変です!」
突然、屋敷の門番が駆け込んできて叫ぶ。私とジェフリーは驚いて立ち上がる。
「何事ですか?」
ジェフリーが問う。門番は息を切らして言う。
「王都から使者が来ました!国王陛下からレイナ様への書状が届きました!」
私とジェフリーは言葉を失う。国王陛下から書状が届くなんて……一体何事だろう?
私とジェフリーは門番について、屋敷の玄関に向かう。そこには金色の馬車と鎧を着た兵士たちが待っていた。馬車の中から降りてきたのは、王都の宰相であるハインリヒだった。
「レイナ・ファルコンハート伯爵令嬢、お目にかかれて光栄です」
ハインリヒは丁寧に頭を下げる。私は不安を抱えながらも礼儀正しく応える。
「ハインリヒ様、ご苦労様です。国王陛下から書状が届いたと聞きましたが……」
「はい、こちらにございます」
ハインリヒは手に持っていた封筒を私に差し出す。私はそれを受け取り、封を切る。中から出てきたのは一枚の紙だった。そこには国王陛下の筆跡で次のように書かれていた。
『レイナ・ファルコンハート伯爵令嬢へ
この度は突然の書状で驚かせてしまい申し訳ありません。私からあなたに重要な話があります。それは直接会って話すべき内容です。ですから、あなたに王都へ来てもらいたいと思います。もちろん無理強いするつもりはありませんが、どうか私の願いを聞いてください。
アルト・エメラルド・ローズウッド
エメラルド王国国王』
私は目を疑う。この手紙の差出人は、国王陛下ではなく……アルトだった。
アルトという名前を聞いて、私は思わず過去を振り返る。
数ヶ月前、私が森で散歩していたときのことだった。私は道に迷ってしまい、方向感覚を失っていた。そんなとき、私は一人の男性と出会った。
彼は旅人だと言っていた。長い金髪に青い瞳、白いシャツに黒いズボンというシンプルな服装だった。彼は私に優しく声をかけてくれた。
「こんにちは、迷子ですか?」
「えっ、あ、はい……」
「大丈夫ですよ、僕が案内してあげます。どこに行きたいんですか?」
「あの、ファルコンハート伯爵領に……」
「ファルコンハート伯爵領?それはちょっと遠いですね。でも大丈夫、僕が知ってる近道があります」
彼はそう言って笑顔で手を差し出した。私は彼の手を握った。彼の手は温かくて優しかった。
「ありがとう、助かります。あなたの名前は?」
「アルトと言います。あなたは?」
「レイナと言います」
「レイナさん、よろしくお願いします」
アルトは私に微笑んだ。私も思わず微笑んだ。
アルトと一緒に森を抜けると、見慣れた景色が広がっていた。ファルコンハート伯爵領だった。
「わぁ、これがファルコンハート伯爵領ですか?すごく美しいですね」
アルトは感嘆する。私は誇らしげに言う。
「そうですよ。私の故郷ですから」
「あなたの故郷……素敵ですね。僕は旅人なので、故郷というものがありません」
アルトは少し寂しそうに言う。私は同情する。
「そうなんですか……でも旅人って楽しそうですよね。色々な場所や人に出会えるし」
「そうですね、旅人も悪くないですよ。でもやっぱり落ち着く場所が欲しいと思うこともあります」
アルトは私を見つめる。私はドキッとする。
「レイナさん、ありがとうございます。あなたに出会えて良かったです」
アルトはそう言って私にキスをした。私は驚いて目を見開くが、拒むこともできなかった。アルトのキスは優しくて甘くて、私の心を溶かした。
「アルト……」
私は恥ずかしそうに呟く。アルトは私の頬に手を添える。
「レイナさん、僕はあなたが好きです。あなたと一緒にいたいです」
「私も……アルトが好きです」
私は素直に答える。アルトは嬉しそうに笑う。
「本当ですか?それなら嬉しいです。レイナさん、僕と一緒に旅をしませんか?」
「旅?でも……」
私は迷う。アルトと一緒にいたい気持ちはあるが、この領地を離れるのは不安だった。
「大丈夫ですよ、レイナさん。僕が守ってあげます。僕と一緒ならどこでも楽しめますよ」
アルトはそう言って私を抱きしめる。私は彼の胸に顔を埋める。
「アルト……わかりました。アルトと一緒に旅をしましょう」
私は決心する。アルトと一緒ならどこでも幸せだと思った。
「本当ですか?レイナさん、ありがとう!嬉しいです!」
アルトは喜んで私を抱き上げる。私も彼に抱きつく。
「それじゃあ、さっそく出発しましょうか」
「えっ、今すぐですか?」
「そうですよ、今すぐですよ。荷物なんて要りませんよ。必要なのはあなただけですよ」
アルトはそう言って馬車に乗り込む。私も彼について馬車に乗る。
「それでは行きましょう、レイナさん」
「はい、行きましょう、アルト」
二人は手を握って笑顔で見送られる。私はこの領地を離れるのが寂しくないと言えば嘘だったが、アルトと一緒なら大丈夫だと思った。
こうして私とアルトの旅が始まった。
その後、私たちは色々な場所や人に出会った。山や海や森や草原や城や村や町や都市……どこも初めて見る景色だった。そしてどこも美しくて魅力的だった。
アルトは旅慣れていて、どこでも知り合いがいたりするから不思議だった。彼は人当たりが良くて、誰とでも仲良くなれるから羨ましかった。私は彼について歩くだけだったが、それでも楽しかった。
アルトは私に色々なことを教えてくれた。歴史や文化や芸術や料理や音楽やダンス……どれも私にとって新鮮で興味深いものだった。私はアルトの話に聞き入る。
アルトは私に色々なことを体験させてくれた。乗馬や釣りや登山や水泳やキャンプやパーティー……どれも私にとって初めてで楽しいものだった。私はアルトの手を離さない。
アルトは私に色々なことを感じさせてくれた。優しさや愛情や幸せや悲しみや怒りや恐怖……どれも私にとって本物で大切なものだった。私はアルトの胸に寄り添う。
私はアルトと一緒にいることが幸せだと思った。彼は私の全てを受け入れてくれた。彼は私の婚約破棄の過去も、悪役令嬢の噂も気にしなかった。彼はただ私をレイナとして愛してくれた。
「レイナ、僕はあなたが大好きです」
「アルト、私もあなたが大好きです」
二人は何度もそう言ってキスした。二人は何度もそう言って抱き合った。二人は何度もそう言って愛し合った。
しかし、その幸せな時間は長く続かなかった。
ある日、私たちは王都に近づいていた。王都はエメラルド王国の中心地で、国王陛下が住む城がある場所だった。
「レイナ、今日は王都に泊まろうか」
アルトが提案する。私は少し戸惑う。
「王都?でも……」
「大丈夫ですよ、レイナ。僕が守ってあげます。僕と一緒ならどこでも楽しめますよ」
アルトはいつものように笑顔で言う。私は彼を信じる。
「わかりました。では王都に行きましょう」
「よし、じゃあ行こう」
アルトは馬車を走らせる。私も彼について馬車に乗る。
「それでは行きましょう、レイナ」
「はい、行きましょう、アルト」
二人は手を握って笑顔で見送られる。私はこの旅が終わらないでほしいと思う。
しかし、その願いは叶わなかった。
王都に着くと、すぐに騒動が起こった。私たちの馬車が城に近づくと、突然兵士たちが囲んできた。
「おい、そこの馬車を止めろ!」
「何ですか?何か問題でも?」
アルトが窓から顔を出して尋ねる。兵士たちは驚いたように目を見開く。
「あなたは……国王陛下!?」
「えっ!?」
私も驚いて目を見開く。アルトは国王陛下だったのか!?
「そうだよ、僕は国王陛下だ。何か用か?」
アルトは平然と言う。兵士たちは慌てて頭を下げる。
「申し訳ありません、国王陛下。我々はあなたの護衛です。あなたが旅に出られていることを知って、追いかけてきました」
「そうか、ありがとう。でも心配しなくていいよ。僕は元気だし、この女性と一緒に楽しく旅をしているんだ」
アルトは私に微笑む。私は固まっている。
「この女性というと……」
兵士たちは私に視線を向ける。私は恐怖で震える。
「彼女はレイナという名前の女性だよ。僕の恋人だ」
アルトは堂々と言う。兵士たちは驚愕する。
「恋人!?それは……国王陛下、それはどういうことですか!?」
「どういうことって、そのままのことだよ。僕はレイナが好きで、レイナも僕が好きなんだ。僕たちは一緒に旅をしているんだ」
「でも国王陛下、あなたには婚約者がいらっしゃるではありませんか!第一王子様の元婚約者であるレイナ・ファルコンハート伯爵令嬢ですよね!」
兵士たちは私の正体に気付く。私は涙目になる。
「そうだよ、レイナはリオンの元婚約者だったけど、リオンが浮気して婚約破棄したんだ。それでレイナは辺境の地に逃げ込んでいたんだけど、僕が偶然出会って恋に落ちたんだ」
アルトはそう言って私を抱きしめる。私は彼にすがる。
「国王陛下、それは……とんでもないことです!あなたはリオン様の元婚約者と恋仲になられたというのですか!?それは国王としても父親としても許されません!」
兵士たちは憤る。アルトは冷静に言う。
「僕は国王としても父親としても、レイナを愛していることに変わりはない。レイナはリオンの浮気相手であるエリカよりもずっと素敵な女性だ。僕はレイナを妻にしたい」
「妻!?国王陛下、それはあり得ません!あなたにはすでに婚約者がいらっしゃるのですから!」
兵士たちは驚く。アルトは苦笑する。
「僕に婚約者がいる?誰だよ?」
「それは……」
兵士たちは言葉に詰まる。アルトは続ける。
「僕に婚約者がいるのは、王宮や貴族や敵国の都合で決められたことだ。僕はその人を愛していないし、会ったこともない。僕が本当に愛しているのはレイナだけだ」
「でも国王陛下、それではあなたの立場や責任や義務を無視することになります!あなたはこの国の象徴であり、平和と秩序を守るべき存在です!あなたの個人的な感情よりも、国民の幸福や安全が優先されるべきです!」
兵士たちは訴える。アルトは真剣に言う。
「僕はそのことをよく分かっている。僕はこの国の国王であり、国民の幸福や安全を守るべき存在だ。でも僕は同時に一人の人間でもある。僕にも感情や欲望や夢がある。僕はレイナを愛していて、レイナと一緒に幸せになりたい」
「国王陛下……」
兵士たちは言葉を失う。アルトは決意する。
「だから僕はこうする。僕はレイナと結婚する。そして僕は国王を辞める。代わりにリオンに譲る。リオンならエリカと一緒に幸せになれるだろうし、この国を上手く治められるだろう」
「それでは……」
兵士たちは驚く。アルトは続ける。
「僕とレイナはこの国を離れる。僕たちは旅人として自由に暮らす。僕たちは愛し合う」
「国王陛下……」
兵士たちは涙ぐむ。アルトは微笑む。
「ありがとう、みんな。僕はあなたたちに感謝している。でもこれが僕の選択だ。どうか僕を許してくれ」
アルトはそう言って馬車を走らせる。私も彼について馬車に乗る。
「それでは行きましょう、レイナ」
「はい、行きましょう、アルト」
二人は手を握って笑顔で見送られる。私はこの選択が正しいと信じる。
こうして私とアルトの旅は終わった。
それから数年後、私とアルトは幸せに暮らしていた。私たちは色々な国や地域を巡り、様々な文化や風習に触れ、様々な人々と交流した。私たちは互いに学び合い、支え合い、愛し合った。
私たちは時々エメラルド王国のことを思い出した。リオンやエリカやジェフリーや兵士たちや……そして国王陛下だった頃のアルトのことを。
私たちは彼らに会いたいと思ったが、会えなかった。私たちは彼らに手紙を書いたが、届かなかった。私たちは彼らに祈ったが、聞こえなかった。
私たちは彼らを忘れなかったが、諦めた。私たちは彼らを恨まなかったが、許した。私たちは彼らを愛していたが、離れた。
私たちは自分たちの幸せを選んだ。私たちは自分たちの道を歩んだ。私たちは自分たちの夢を叶えた。
私はアルトと一緒にいることが幸せだと思った。彼は私の全てを受け入れてくれた。彼は私の国王陛下でもあり、旅人でもあり、恋人でもあった。
「レイナ、僕はあなたが大好きです」
「アルト、私もあなたが大好きです」
二人は何度もそう言ってキスした。二人は何度もそう言って抱き合った。二人は何度もそう言って愛し合った。
そして、二人は幸せになった。
【完】
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お読み頂きありがとうございました。
「レイナ・ファルコンハート。お前は私との婚約を解消する」
リオンの冷たい声が響く。私は涙も流さずに立ち上がり、彼に向き合った。
「わかりました。ではこれで」
私は淡々と答える。リオンの隣にいる女性・エリカ・ローズウッドがニヤリと笑う。
「よくも私の恋人を奪おうとしたわね。これでお前に教訓を与えたわ」
エリカは私に向かって言う。彼女こそがリオンの浮気相手だった。彼女はリオンの幼馴染で、私と婚約していることを知っていながらも、彼に迫っていたのだ。
「教訓?あなたに何をされたというのですか?」
私は冷静に聞き返す。エリカは驚いたように目を見開く。
「何を言ってるのよ!あなたは私たちの仲を邪魔したんだから、当然罰を受けなきゃいけないでしょう」
「邪魔した?私は何もしていませんよ。リオン様と婚約していただけです」
「だからこそよ!あなたが婚約者だったから、私たちは隠れて会わなきゃいけなかったのよ。あなたがいなければ、私たちは堂々と愛し合えたのに」
エリカは涙ぐみながら言う。リオンは彼女の肩に手を回し、優しくささやく。
「大丈夫だよ、エリカ。これでお前は俺のものだ。レイナなんか忘れてしまえ」
「リオン……ありがとう……」
二人は互いに見つめ合ってキスする。周りの人々は二人の姿に感動して拍手する。私はその光景を呆然と見ている。
「これで終わりですか?それでは失礼します」
私は声をかける。リオンとエリカはキスをやめて私に顔を向ける。
「ああ、もう用はない。さっさと消えろ」
リオンは冷笑する。エリカも同じく笑う。
「バイバイ、レイナ様。二度と会わなくて良かったわ」
私は何も言わずに振り返り、王宮から出て行く。私の後ろから罵声や嘲笑が飛んでくるが、気にしない。
私は自分の領地である辺境の地・ファルコンハート伯爵領に向かう。そこで平穏な生活を送ろうと思っている。
私は悪役令嬢ではない。ただ婚約者に裏切られただけだ。
私は馬車で数日かけてファルコンハート伯爵領に到着する。そこは山と森に囲まれた美しい土地だった。私はこの地で生まれ育ち、リオンと婚約するまではここで暮らしていた。
「お嬢様、お帰りなさいませ」
私を迎えるのは執事のジェフリーだった。彼は私の父親の代から仕えている忠実な家臣だ。
「ジェフリー、ありがとう。お元気でしたか?」
「はい、お嬢様。お嬢様のご帰還を心待ちにしておりました」
ジェフリーは笑顔で言う。私は彼に感謝する。
「私もあなたに会えて嬉しいです。それで、この領地の様子はどうですか?」
「問題ありません。農作物も豊作で、民も平和に暮らしております」
「良かった。それなら安心しました」
私はほっとする。この領地は私の大切な故郷だ。ここが平和であれば、それだけで幸せだ。
「では、お部屋に案内いたします」
ジェフリーは馬車から荷物を降ろすと、私に手を差し出す。私は彼の手を取り、屋敷に入る。
屋敷は広くて豪華だが、派手さや気取りはない。シンプルで落ち着いた雰囲気が漂っている。私はこの屋敷が好きだった。
「お嬢様、こちらがお部屋です」
ジェフリーは二階の一番奥にある部屋のドアを開けると、私を中に案内する。
「ありがとう、ジェフリー」
私は部屋に入ると、目を輝かせる。部屋は昔のまま変わっていなかった。白とピンクを基調とした可愛らしいインテリアが並び、窓からは緑豊かな景色が見える。
「これが私の部屋……」
私はしばらく感慨にふける。この部屋で過ごした日々が思い出される。幼い頃から夢見ていた王子様との結婚も、この部屋で知らされた。
「ああ……リオン……」
私はつい呟く。リオンの顔が浮かぶ。笑顔や怒り顔や甘え顔や……そして裏切り顔。
「……もう忘れよう」
私は自分に言い聞かせる。リオンなんてもう関係ない。私は彼を愛していない。
私は荷物を整理した後、屋敷の中を散策することにする。久しぶりに見る屋敷の様子に、私は懐かしさと安心感を覚える。
「お嬢様、お茶でもいかがですか?」
ジェフリーが声をかけてくる。私は彼に微笑む。
「はい、お願いします」
私はジェフリーについて、屋敷の中庭にあるテーブルに着く。そこには美味しそうなお菓子や果物が並んでいる。
「わぁ、素敵ですね」
私は目を輝かせる。ジェフリーは嬉しそうに言う。
「これらはすべて領地の特産品です。お嬢様のお好みのものをご用意しました」
「ありがとうございます。どれも美味しそうです」
私は手に取ったケーキを口に運ぶと、甘くてふわふわした食感に感動する。
「美味しい!これは何ですか?」
「これはベリーとクリームチーズのケーキです。ベリーは森で採れたもので、クリームチーズは牧場で作られたものです」
「すごい!自然の恵みがこんなに美味しいなんて」
私は他のお菓子や果物も次々と試す。どれも絶品だった。
「ジェフリー、本当にありがとう。こんなに幸せな気分になったのは久しぶりです」
私はジェフリーに感謝する。ジェフリーは優しく微笑む。
「お嬢様、こちらこそありがとうございます。お嬢様が笑顔でいらっしゃるのが何よりの喜びです」
私とジェフリーはしばらく楽しく会話をする。私はこの平和な時間が永遠に続けばいいと思う。
しかし、その願いは叶わなかった。
「レイナ様!大変です!」
突然、屋敷の門番が駆け込んできて叫ぶ。私とジェフリーは驚いて立ち上がる。
「何事ですか?」
ジェフリーが問う。門番は息を切らして言う。
「王都から使者が来ました!国王陛下からレイナ様への書状が届きました!」
私とジェフリーは言葉を失う。国王陛下から書状が届くなんて……一体何事だろう?
私とジェフリーは門番について、屋敷の玄関に向かう。そこには金色の馬車と鎧を着た兵士たちが待っていた。馬車の中から降りてきたのは、王都の宰相であるハインリヒだった。
「レイナ・ファルコンハート伯爵令嬢、お目にかかれて光栄です」
ハインリヒは丁寧に頭を下げる。私は不安を抱えながらも礼儀正しく応える。
「ハインリヒ様、ご苦労様です。国王陛下から書状が届いたと聞きましたが……」
「はい、こちらにございます」
ハインリヒは手に持っていた封筒を私に差し出す。私はそれを受け取り、封を切る。中から出てきたのは一枚の紙だった。そこには国王陛下の筆跡で次のように書かれていた。
『レイナ・ファルコンハート伯爵令嬢へ
この度は突然の書状で驚かせてしまい申し訳ありません。私からあなたに重要な話があります。それは直接会って話すべき内容です。ですから、あなたに王都へ来てもらいたいと思います。もちろん無理強いするつもりはありませんが、どうか私の願いを聞いてください。
アルト・エメラルド・ローズウッド
エメラルド王国国王』
私は目を疑う。この手紙の差出人は、国王陛下ではなく……アルトだった。
アルトという名前を聞いて、私は思わず過去を振り返る。
数ヶ月前、私が森で散歩していたときのことだった。私は道に迷ってしまい、方向感覚を失っていた。そんなとき、私は一人の男性と出会った。
彼は旅人だと言っていた。長い金髪に青い瞳、白いシャツに黒いズボンというシンプルな服装だった。彼は私に優しく声をかけてくれた。
「こんにちは、迷子ですか?」
「えっ、あ、はい……」
「大丈夫ですよ、僕が案内してあげます。どこに行きたいんですか?」
「あの、ファルコンハート伯爵領に……」
「ファルコンハート伯爵領?それはちょっと遠いですね。でも大丈夫、僕が知ってる近道があります」
彼はそう言って笑顔で手を差し出した。私は彼の手を握った。彼の手は温かくて優しかった。
「ありがとう、助かります。あなたの名前は?」
「アルトと言います。あなたは?」
「レイナと言います」
「レイナさん、よろしくお願いします」
アルトは私に微笑んだ。私も思わず微笑んだ。
アルトと一緒に森を抜けると、見慣れた景色が広がっていた。ファルコンハート伯爵領だった。
「わぁ、これがファルコンハート伯爵領ですか?すごく美しいですね」
アルトは感嘆する。私は誇らしげに言う。
「そうですよ。私の故郷ですから」
「あなたの故郷……素敵ですね。僕は旅人なので、故郷というものがありません」
アルトは少し寂しそうに言う。私は同情する。
「そうなんですか……でも旅人って楽しそうですよね。色々な場所や人に出会えるし」
「そうですね、旅人も悪くないですよ。でもやっぱり落ち着く場所が欲しいと思うこともあります」
アルトは私を見つめる。私はドキッとする。
「レイナさん、ありがとうございます。あなたに出会えて良かったです」
アルトはそう言って私にキスをした。私は驚いて目を見開くが、拒むこともできなかった。アルトのキスは優しくて甘くて、私の心を溶かした。
「アルト……」
私は恥ずかしそうに呟く。アルトは私の頬に手を添える。
「レイナさん、僕はあなたが好きです。あなたと一緒にいたいです」
「私も……アルトが好きです」
私は素直に答える。アルトは嬉しそうに笑う。
「本当ですか?それなら嬉しいです。レイナさん、僕と一緒に旅をしませんか?」
「旅?でも……」
私は迷う。アルトと一緒にいたい気持ちはあるが、この領地を離れるのは不安だった。
「大丈夫ですよ、レイナさん。僕が守ってあげます。僕と一緒ならどこでも楽しめますよ」
アルトはそう言って私を抱きしめる。私は彼の胸に顔を埋める。
「アルト……わかりました。アルトと一緒に旅をしましょう」
私は決心する。アルトと一緒ならどこでも幸せだと思った。
「本当ですか?レイナさん、ありがとう!嬉しいです!」
アルトは喜んで私を抱き上げる。私も彼に抱きつく。
「それじゃあ、さっそく出発しましょうか」
「えっ、今すぐですか?」
「そうですよ、今すぐですよ。荷物なんて要りませんよ。必要なのはあなただけですよ」
アルトはそう言って馬車に乗り込む。私も彼について馬車に乗る。
「それでは行きましょう、レイナさん」
「はい、行きましょう、アルト」
二人は手を握って笑顔で見送られる。私はこの領地を離れるのが寂しくないと言えば嘘だったが、アルトと一緒なら大丈夫だと思った。
こうして私とアルトの旅が始まった。
その後、私たちは色々な場所や人に出会った。山や海や森や草原や城や村や町や都市……どこも初めて見る景色だった。そしてどこも美しくて魅力的だった。
アルトは旅慣れていて、どこでも知り合いがいたりするから不思議だった。彼は人当たりが良くて、誰とでも仲良くなれるから羨ましかった。私は彼について歩くだけだったが、それでも楽しかった。
アルトは私に色々なことを教えてくれた。歴史や文化や芸術や料理や音楽やダンス……どれも私にとって新鮮で興味深いものだった。私はアルトの話に聞き入る。
アルトは私に色々なことを体験させてくれた。乗馬や釣りや登山や水泳やキャンプやパーティー……どれも私にとって初めてで楽しいものだった。私はアルトの手を離さない。
アルトは私に色々なことを感じさせてくれた。優しさや愛情や幸せや悲しみや怒りや恐怖……どれも私にとって本物で大切なものだった。私はアルトの胸に寄り添う。
私はアルトと一緒にいることが幸せだと思った。彼は私の全てを受け入れてくれた。彼は私の婚約破棄の過去も、悪役令嬢の噂も気にしなかった。彼はただ私をレイナとして愛してくれた。
「レイナ、僕はあなたが大好きです」
「アルト、私もあなたが大好きです」
二人は何度もそう言ってキスした。二人は何度もそう言って抱き合った。二人は何度もそう言って愛し合った。
しかし、その幸せな時間は長く続かなかった。
ある日、私たちは王都に近づいていた。王都はエメラルド王国の中心地で、国王陛下が住む城がある場所だった。
「レイナ、今日は王都に泊まろうか」
アルトが提案する。私は少し戸惑う。
「王都?でも……」
「大丈夫ですよ、レイナ。僕が守ってあげます。僕と一緒ならどこでも楽しめますよ」
アルトはいつものように笑顔で言う。私は彼を信じる。
「わかりました。では王都に行きましょう」
「よし、じゃあ行こう」
アルトは馬車を走らせる。私も彼について馬車に乗る。
「それでは行きましょう、レイナ」
「はい、行きましょう、アルト」
二人は手を握って笑顔で見送られる。私はこの旅が終わらないでほしいと思う。
しかし、その願いは叶わなかった。
王都に着くと、すぐに騒動が起こった。私たちの馬車が城に近づくと、突然兵士たちが囲んできた。
「おい、そこの馬車を止めろ!」
「何ですか?何か問題でも?」
アルトが窓から顔を出して尋ねる。兵士たちは驚いたように目を見開く。
「あなたは……国王陛下!?」
「えっ!?」
私も驚いて目を見開く。アルトは国王陛下だったのか!?
「そうだよ、僕は国王陛下だ。何か用か?」
アルトは平然と言う。兵士たちは慌てて頭を下げる。
「申し訳ありません、国王陛下。我々はあなたの護衛です。あなたが旅に出られていることを知って、追いかけてきました」
「そうか、ありがとう。でも心配しなくていいよ。僕は元気だし、この女性と一緒に楽しく旅をしているんだ」
アルトは私に微笑む。私は固まっている。
「この女性というと……」
兵士たちは私に視線を向ける。私は恐怖で震える。
「彼女はレイナという名前の女性だよ。僕の恋人だ」
アルトは堂々と言う。兵士たちは驚愕する。
「恋人!?それは……国王陛下、それはどういうことですか!?」
「どういうことって、そのままのことだよ。僕はレイナが好きで、レイナも僕が好きなんだ。僕たちは一緒に旅をしているんだ」
「でも国王陛下、あなたには婚約者がいらっしゃるではありませんか!第一王子様の元婚約者であるレイナ・ファルコンハート伯爵令嬢ですよね!」
兵士たちは私の正体に気付く。私は涙目になる。
「そうだよ、レイナはリオンの元婚約者だったけど、リオンが浮気して婚約破棄したんだ。それでレイナは辺境の地に逃げ込んでいたんだけど、僕が偶然出会って恋に落ちたんだ」
アルトはそう言って私を抱きしめる。私は彼にすがる。
「国王陛下、それは……とんでもないことです!あなたはリオン様の元婚約者と恋仲になられたというのですか!?それは国王としても父親としても許されません!」
兵士たちは憤る。アルトは冷静に言う。
「僕は国王としても父親としても、レイナを愛していることに変わりはない。レイナはリオンの浮気相手であるエリカよりもずっと素敵な女性だ。僕はレイナを妻にしたい」
「妻!?国王陛下、それはあり得ません!あなたにはすでに婚約者がいらっしゃるのですから!」
兵士たちは驚く。アルトは苦笑する。
「僕に婚約者がいる?誰だよ?」
「それは……」
兵士たちは言葉に詰まる。アルトは続ける。
「僕に婚約者がいるのは、王宮や貴族や敵国の都合で決められたことだ。僕はその人を愛していないし、会ったこともない。僕が本当に愛しているのはレイナだけだ」
「でも国王陛下、それではあなたの立場や責任や義務を無視することになります!あなたはこの国の象徴であり、平和と秩序を守るべき存在です!あなたの個人的な感情よりも、国民の幸福や安全が優先されるべきです!」
兵士たちは訴える。アルトは真剣に言う。
「僕はそのことをよく分かっている。僕はこの国の国王であり、国民の幸福や安全を守るべき存在だ。でも僕は同時に一人の人間でもある。僕にも感情や欲望や夢がある。僕はレイナを愛していて、レイナと一緒に幸せになりたい」
「国王陛下……」
兵士たちは言葉を失う。アルトは決意する。
「だから僕はこうする。僕はレイナと結婚する。そして僕は国王を辞める。代わりにリオンに譲る。リオンならエリカと一緒に幸せになれるだろうし、この国を上手く治められるだろう」
「それでは……」
兵士たちは驚く。アルトは続ける。
「僕とレイナはこの国を離れる。僕たちは旅人として自由に暮らす。僕たちは愛し合う」
「国王陛下……」
兵士たちは涙ぐむ。アルトは微笑む。
「ありがとう、みんな。僕はあなたたちに感謝している。でもこれが僕の選択だ。どうか僕を許してくれ」
アルトはそう言って馬車を走らせる。私も彼について馬車に乗る。
「それでは行きましょう、レイナ」
「はい、行きましょう、アルト」
二人は手を握って笑顔で見送られる。私はこの選択が正しいと信じる。
こうして私とアルトの旅は終わった。
それから数年後、私とアルトは幸せに暮らしていた。私たちは色々な国や地域を巡り、様々な文化や風習に触れ、様々な人々と交流した。私たちは互いに学び合い、支え合い、愛し合った。
私たちは時々エメラルド王国のことを思い出した。リオンやエリカやジェフリーや兵士たちや……そして国王陛下だった頃のアルトのことを。
私たちは彼らに会いたいと思ったが、会えなかった。私たちは彼らに手紙を書いたが、届かなかった。私たちは彼らに祈ったが、聞こえなかった。
私たちは彼らを忘れなかったが、諦めた。私たちは彼らを恨まなかったが、許した。私たちは彼らを愛していたが、離れた。
私たちは自分たちの幸せを選んだ。私たちは自分たちの道を歩んだ。私たちは自分たちの夢を叶えた。
私はアルトと一緒にいることが幸せだと思った。彼は私の全てを受け入れてくれた。彼は私の国王陛下でもあり、旅人でもあり、恋人でもあった。
「レイナ、僕はあなたが大好きです」
「アルト、私もあなたが大好きです」
二人は何度もそう言ってキスした。二人は何度もそう言って抱き合った。二人は何度もそう言って愛し合った。
そして、二人は幸せになった。
【完】
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