転生したら貴族の娘だった ～前世の記憶を持ったまま、豪華な暮らしを楽しむつもりが、政略結婚の話が持ち上がって!?～

第３話

「ミリアムさんは、レオンハルト王子に『神の力を持つ者同士で結ばれるべきだ』と言ったんだ。そして、そのような者がこの国に一人だけいると言った」



父はそう言って、私に見つめた。



「その者とは……」



私は気づいて目を見開いた。



「そう…その者とは…エリザベスだ」



父はそう言って、私に告げた。



「私が……神の力を持つ者？！」



私は驚きと戸惑いと恐怖と色々な感情が入り混じった表情をした。私が神の力を持つ者だなんて、それはまるで嘘のような話だ。私はただの貴族の娘で、前世では平凡なOLだった。私に神の力なんてあるわけがない。



「どうして私が神の力を持つ者なんですか？」



私は疑問に思って尋ねた。



「それはね……エリザベスが生まれたときに起きた奇跡のおかげだよ」



父はそう言って、説明した。エリザベスが生まれたときに、空に虹がかかり、天から光が降り注ぎ、地から花が咲き乱れたという。それは神の祝福の現れだと言われた。そして、エリザベスは神の力を授かったという。



「でも、私は神の力を使ったことなんてありませんよ」



私は反論した。私は魔法を使えるけど、それは普通の人間でもできることだ。神の力というのはもっとすごいものだろう。



「それはね……エリザベスが気づいていないだけだよ」



父はそう言って、続けた。



「エリザベスが使っている回復魔法は、実は神の力なんだ。普通の人間では到底できないような治癒効果を持っている。エリザベスはそのことに気づかずに使っているけど、それは神から授かった特別な力なんだ」



「そうなんですか……」



私は驚きと感心と戸惑いの感情が入り混じった声を発した。私が使っていた回復魔法が神の力だったなんて、それは思いもよらなかった。



「でも、私はレオンハルト王子と婚約したくないです」



私は改めて言った。私はレオンハルト王子に対して何の感情も持っていない。彼は私にとって全く知らない人だ。私は彼と一緒に暮らしたり、子供を作ったりするなんて考えられない。



「エリザベス、わかってくれ。これは国のために必要なことなんだ」



父はそう言って、私に説得しようとした。



「国のため？」



私は疑問に思って尋ねた。



「ええ。レオンハルト王子とエリザベスが結ばれれば、神の力を持つ者同士の絆が強まり、この国の平和と繁栄が保たれるという。それに、レオンハルト王子とエリザベスの子供は、神の力を受け継ぐ可能性が高いという。その子供が将来この国を導くことになるかもしれない」



父はそう言って、私に期待を寄せた。



「私の子供が……」



私は驚きと恐怖と色々な感情が入り混じった表情をした。私はまだ15歳だ。子供なんて考えたこともなかった。それに、レオンハルト王子との子供なんて…。



「エリザベス、どうか承諾してくれ。これは家族や国にとっても大切なことなんだ」



父はそう言って、私に懇願した。母や兄達も同じように私に頼んだ。みんな真剣な表情で私を見ている。



「私は…」



私は迷った。私はレオンハルト王子と婚約したくない。でも、断れば家族や国に迷惑がかかる。どうしたらいいのかわからない。



そんなとき、書斎の扉が開いた。そこに現れたのは……。






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