乙女ゲームで婚約破棄された悪役令嬢が、隣国の王太子との愛に救われるまで

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王太子！？！？

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私は王太子という言葉に反応した。私は彼の顔を見直した。

彼は確かに王太子と呼ばれるにふさわしい美貌をしていた。彼の瞳は深い青色で、まるで海のようだった。

彼は私を見つめて、優しく笑った。

「どうしたの？驚いた顔をしてるけど」

彼は私に尋ねた。私は慌てて答えた。

「あ、あの……すみません。王太子様とお聞きして……」

私は言葉に詰まった。私は彼に何と言えばいいのか分からなかった。

私は隣国の王太子に助けられたということになるのだろうか。でもそれなら、なぜ彼がこんなところにいるのだろうか。

「王太子様はどうしてここに……」

私は思わず聞いてしまった。彼は苦笑した。

「実は僕、この国に視察に来ていたんだ。でも、護衛がうるさくて、ちょっと一人で散歩していたら、君を見つけたんだよ」

彼はそう説明した。私は驚いて口を開けた。

「視察……ですか？」

私は信じられなかった。この国とアドミラル帝国は友好関係にあると聞いていたが、それでも王太子が一人で散歩するなんて危険ではないのだろうか。

「そうだよ。僕はこの国の文化や風景に興味があってね。でも、護衛がつきまとうと自由に動けないからさ」

彼は苦笑しながら言った。

「それで、君はどうしてここにいるの？旅行中？」

彼は私に尋ねた。私は困って目を逸らした。

私は彼に自分の身の上を話せるか迷った。私はこの国の王太子と婚約していたこと、婚約破棄されて国外追放になったこと、隣国に行こうとしていたことを話せばいいのだろうか。

でもそれは危険だと思った。私はこの国の恥部であり、隣国の王太子に知られたらどうなるか分からなかった。

彼は私を助けてくれたけれど、それは偶然だったのだ。彼が私に好意を持ってくれるとは限らない。

もしかしたら、彼は私を捕まえてこの国に引き渡すかもしれない。それなら、私は死ぬよりも辛い目に遭うかもしれない。

だから、私は嘘をつくことにした。私は彼に笑顔を見せた。

「ええ、旅行中です。この国の景色が素敵でしょう？」

私はそう言って、周りを見回した。草原や森や山が広がっており、確かに美しい光景だった。

「そうか。君はこの国の人じゃないのか」

彼は少し驚いたように言った。

「いえ、違います。私は……」

私は適当な国名を口にした。その国はこの国とアドミラル帝国の間にある小さな国であり、あまり知られていなかった。

「ふーん。君は一人で旅行してるの？」

彼は興味深そうに聞いた。

「ええ、そうです」

私は頷いた。実際には一人ではなく、馬と荷物と金があったが、それらは盗賊に奪われてしまった。

「それじゃあ危険じゃないか。君は魔法や剣術が使えるの？」

彼は心配そうに言った。

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