悪役令嬢として死ぬはずだったのに、なぜか英雄に助けられてしまった

六角

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chapter3

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「よし、では行こう」

ルークが言う。

みんながルークに続いて、城内を進む。魔王軍の兵士や魔物が次々と襲ってくるが、ルークやレオンやカインがそれらを倒す。アリシアや僧侶長は、傷ついた者に回復魔法をかける。私は、ルークの後ろについて、何もできない。

やがて、魔王の間に到着する。それは、広くて暗くて重苦しい部屋だった。その中央には、魔王が待っていた。魔王は、黒いローブに身を包んだ人影だった。その顔は、影に隠れて見えなかった。

「ようこそ、英雄たちよ」

魔王の声が響く。それは、低くて冷たくて、聞いているだけで心が凍る。

「魔王よ、お前の悪行はここまでだ!今すぐこの国から去れ!」

レオンが叫ぶ。

「ふふふ……そう言っても無駄だよ。僕はこの国を滅ぼすまでやめない」

魔王が笑う。

「なぜだ!なぜこんなことをするんだ!」

アリシアが問う。

「それはね……君たちには関係ないことだよ」

魔王が答える。

「関係ないことだと!?何千人もの人々が死んでいるのに!?」

カインが怒る。

「それは仕方ないことだよ。僕の目的を達成するためには、必要な犠牲だ」

魔王が言う。

「お前の目的とは何だ!?」

僧侶長が尋ねる。

「それはね……君たちには教えられないことだよ」

魔王が言う。

「教えられないことだと!?何様だ!?」

ルークが冷笑する。

「僕は……僕は……」

魔王が言葉に詰まる。

「お前は何者なんだ!?」

ルークが迫る。

「僕は……僕は……」

魔王がつぶやく。

すると、突然、魔王のローブが燃え上がった。その下から、魔王の正体が現れた。

それは、私たちの知っている人物だった。

それは、王様だった。

「王様!?」

レオンが驚く。

「父上!?」

アリシアが呆然とする。

「陛下!?」

カインが信じられないという表情で言う。

「閣下!?」

僧侶長が悲鳴を上げる。

「……」

私は無言で見る。

「そうだよ。僕は、この国の王だ。そして、魔王だ」

王様はそう言って、みんなに冷たく笑う。

「なぜだ!なぜこんなことをするんだ!」

レオンが叫ぶ。

「それはね……君たちには教えられないことだよ」

王様はそう言って、ルークに目を向ける。

「ルーク・アスター。君は、僕の息子だ」

王様はそう言って、ルークに微笑みかける。

「……」

ルークは無言で見る。

「そうだよ。君は、僕と亡き妃との間に生まれた子だ。君は、本当の王子だ」

王様はそう言って、ルークに語りかける。

「嘘だ……」

ルークはそう言って、王様を否定する。

「嘘じゃないよ。君は、僕にそっくりだ。君は、僕と同じ銀髪紫眼だ。君は、僕と同じ特殊な魔力を持っている」

王様はそう言って、ルークを説得しようとする。

「特殊な魔力?」

レオンが尋ねる。

「そうだよ。僕とルークは、他人の魔力を奪って自分のものにすることができるんだ。それは、魔王の魔力も例外ではない」

王様はそう言って、ルークに目を向ける。

「ルーク。君は気づいているだろう。君がエリザベスから魔力をもらったとき、その魔力は本当に魔王のものだったか?」

王様はそう言って、私に目を向ける。

「……」

私は無言で見る。

「エリザベスからもらった魔力は、本当は僕のものだったんだ。僕はエリザベスに自分の魔力を送り込んでいたんだ。そして、エリザベスからルークに送られた魔力は、僕のものに戻ったんだ」

王様はそう言って、私に冷たく笑う。

「なぜ……なぜそんなことをするんですか……」

私は涙声で聞く。

「それはね……君たちには教えられないことだよ」

王様はそう言って、ルークに目を向ける。

「ルーク。君は気づいているだろう。君がエリザベスから魔力をもらったとき、その魔力がどうなったか?」

王様はそう言って、ルークに問いかける。

「……」

ルークは無言で見る。







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