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増す脅威
静けさ
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「だはあ~...!」
そしてまた俺は同好会の中央テーブルに倒れこんだ
しかし今回ばかりは誰も声を掛けてくれない
「おい、皆...?」
まさかもう悪霊の影響にやられて...?
皆自分の席から一向に立とうともこちらを振り向こうともしない
「おい! 皆! しっかりし――」
「うるせえな! この野郎!!」
上田が答えた
「なんだよ...聞こえてるんじゃないか...」
「今、皆集中して役に立つ情報を探してんだよ!
ちなみに俺は清めの塩に使うのはどこの会社のものが良いかだ!
分かったらお前も調査をしろってんだ!」
そう言ってパソコンに向き直ってしまった
その態度にさっきの怒りを少しひきずって声がでかくなる
「な、なんだと! こっちは直接彼女を問い詰めようとして初キスの次は
童貞を失いかけたんだぞ!!」
その発言にすぐ上田と天野が食いついた
「「「なんだって!?」」
二人とも急に詰め寄って来た
「貴様!!一人だけスクールディープラブしおって!!」
「お、お前まさかそんなは、ハレンチなことしてないだろうなっ!?」
「お、落ち着けって二人とも!」
「やめんかっ!」
また部長の叱咤で場が静まった
ここ最近でまるで声を発さない部長から
どれだけ力強いお声を聴いているやら知れない。
「...ふぅ...それで大丈夫だったのか、渡辺...?
怪我などはしていないな...?」
こちらは見ずに作業を続けたまま和田さんは聞く
「は、はい
なんとか大丈夫でした!
教室にバックを置き忘れましたが...
ほら...お前たち二人も私情を挟まず、俺を心配せんか」
こちらを睨んで二人とも自分の席に戻っていった
それと入れ替わりに部長がこちらに歩いて来た
「一旦また私と教室に戻るとしよう」
え? と俺は目を丸くした
「そのバックの中にお前の個人情報についてのことが書いてあるものがあったらどうする?
例えまだ、彼女がいたとしても俺と一緒なら暴走は恐らくしないはずだ...」
部長はゆっくりと真顔で言うが、
本当に心配してくれているようだ
「じゃ、じゃあ...お言葉に甘えて...」
軽くへこへこして同伴を頼んだ
「うむ...では留守を頼むぞお前たち」
「はい、了解で~す」
と、軽い天野。
「なら、自分も...!」
と優しい小島。
「お前は足手まといになるだけなんだから、ここにいろよ」
と喧嘩を売る上田。
また始まった口喧嘩の声が飛び交う部屋のドアをピシャリと閉めて
部長は俺の先を歩いた。
そうして歩き始めたが
...何だか気まずい
俺は部長と一対一でいることはそうない
だから周りに他の部員のいない状況で共にいるというのは初めてだ。
そのため余計に夕日が指してくる時刻の、
この静かな校舎を二人で歩くことは更に気まずさが増した
よくよく前を行く部長の背中を見ていると
改めてこの和田という人がどういう人なのか疑問が出てきた。
この人は天野が入り、上田・小島、そして俺が入るまで
たった一人で同好会活動をしていたということになるが
何を思って活動を続けていて
俺たちを加入させてくれたのか
同好会レベルとなると人も少なく、
担当の先生が入部希望者から入部届を受け取るとまず部長・会長に
話がいく。
その場合部長・会長が人によっては断るケースもあるのだという。
どう考えても上田なんかはオカルトに興味は無さそうだし、
小島も連れて来られて入っただけだ。
俺に関しては部長に挨拶もなしに加入を許されたのだ
一体この人の活動歴には何があったのか
そんなことを考えて少し歩くと部長が口を開いた。
「渡辺...」
「は、はい」
何か語ってくれるのか?
そんな風に勝手に思っていたら
「お前の教室はどっちなんだ...?」
行き先に困っていたらしい
確かに俺が前を行くべきだった
「ああ! すいません...」
すぐさま前に出て先導することになった。
走ればすぐだが歩けばゆっくり感じる自分の教室まで
あと何分この無言で歩き続けるのだろうか...
そう思っていた時だった
「あれは...」
部長が前触れもなく口を開いた
「一年ほど前の時だった...」
唐突にして部長の語りが始まった。
そしてまた俺は同好会の中央テーブルに倒れこんだ
しかし今回ばかりは誰も声を掛けてくれない
「おい、皆...?」
まさかもう悪霊の影響にやられて...?
皆自分の席から一向に立とうともこちらを振り向こうともしない
「おい! 皆! しっかりし――」
「うるせえな! この野郎!!」
上田が答えた
「なんだよ...聞こえてるんじゃないか...」
「今、皆集中して役に立つ情報を探してんだよ!
ちなみに俺は清めの塩に使うのはどこの会社のものが良いかだ!
分かったらお前も調査をしろってんだ!」
そう言ってパソコンに向き直ってしまった
その態度にさっきの怒りを少しひきずって声がでかくなる
「な、なんだと! こっちは直接彼女を問い詰めようとして初キスの次は
童貞を失いかけたんだぞ!!」
その発言にすぐ上田と天野が食いついた
「「「なんだって!?」」
二人とも急に詰め寄って来た
「貴様!!一人だけスクールディープラブしおって!!」
「お、お前まさかそんなは、ハレンチなことしてないだろうなっ!?」
「お、落ち着けって二人とも!」
「やめんかっ!」
また部長の叱咤で場が静まった
ここ最近でまるで声を発さない部長から
どれだけ力強いお声を聴いているやら知れない。
「...ふぅ...それで大丈夫だったのか、渡辺...?
怪我などはしていないな...?」
こちらは見ずに作業を続けたまま和田さんは聞く
「は、はい
なんとか大丈夫でした!
教室にバックを置き忘れましたが...
ほら...お前たち二人も私情を挟まず、俺を心配せんか」
こちらを睨んで二人とも自分の席に戻っていった
それと入れ替わりに部長がこちらに歩いて来た
「一旦また私と教室に戻るとしよう」
え? と俺は目を丸くした
「そのバックの中にお前の個人情報についてのことが書いてあるものがあったらどうする?
例えまだ、彼女がいたとしても俺と一緒なら暴走は恐らくしないはずだ...」
部長はゆっくりと真顔で言うが、
本当に心配してくれているようだ
「じゃ、じゃあ...お言葉に甘えて...」
軽くへこへこして同伴を頼んだ
「うむ...では留守を頼むぞお前たち」
「はい、了解で~す」
と、軽い天野。
「なら、自分も...!」
と優しい小島。
「お前は足手まといになるだけなんだから、ここにいろよ」
と喧嘩を売る上田。
また始まった口喧嘩の声が飛び交う部屋のドアをピシャリと閉めて
部長は俺の先を歩いた。
そうして歩き始めたが
...何だか気まずい
俺は部長と一対一でいることはそうない
だから周りに他の部員のいない状況で共にいるというのは初めてだ。
そのため余計に夕日が指してくる時刻の、
この静かな校舎を二人で歩くことは更に気まずさが増した
よくよく前を行く部長の背中を見ていると
改めてこの和田という人がどういう人なのか疑問が出てきた。
この人は天野が入り、上田・小島、そして俺が入るまで
たった一人で同好会活動をしていたということになるが
何を思って活動を続けていて
俺たちを加入させてくれたのか
同好会レベルとなると人も少なく、
担当の先生が入部希望者から入部届を受け取るとまず部長・会長に
話がいく。
その場合部長・会長が人によっては断るケースもあるのだという。
どう考えても上田なんかはオカルトに興味は無さそうだし、
小島も連れて来られて入っただけだ。
俺に関しては部長に挨拶もなしに加入を許されたのだ
一体この人の活動歴には何があったのか
そんなことを考えて少し歩くと部長が口を開いた。
「渡辺...」
「は、はい」
何か語ってくれるのか?
そんな風に勝手に思っていたら
「お前の教室はどっちなんだ...?」
行き先に困っていたらしい
確かに俺が前を行くべきだった
「ああ! すいません...」
すぐさま前に出て先導することになった。
走ればすぐだが歩けばゆっくり感じる自分の教室まで
あと何分この無言で歩き続けるのだろうか...
そう思っていた時だった
「あれは...」
部長が前触れもなく口を開いた
「一年ほど前の時だった...」
唐突にして部長の語りが始まった。
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