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歪む日常
異様な空気
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「はあ、はあ...!」
バッグを腕に掛ける余裕もなかったために、
手に掴んで走っていて
腕の筋力の消費もあり余計に疲れる。
そして教室前に着いた。
ドアは閉まっていないがやけに中が静かだ
今日ばかりは遂に担任に先を越されたか...?
担任にバレれば本当に遅刻をしたと書かれてしまう。
例え学校生活にに楽しいことは無くとも続けてきた無欠席無遅刻が...!
そうして恐る恐る中を覗くとクラスメイト全員が席についていた
アウトだったか...!!
うな垂れてバッグを持つ手に力が入りながらもヨロヨロと一番窓側に近く、
一番後ろの席に座ろうとした。
しかしそこには人がいた
「カイリの席は隣でしょ?」
「!?」
思わず悲鳴が出るところだった
そこには黒田さんがいた
そうだ...彼女と俺は同じクラスになってしまっていたんだ!
だから隣の空席を無視して俺は一番窓側で一番後ろの席であったのに...
これで一番後ろで二番目に窓に近い席になってしまった......
いや、なんてそんなことはどうでもいい!
今大変なのは黒田さんの存在自体だ...!
しかもその空席に収まってしまったのか、
だったらせめて席を交換して欲しい!!
ガラガラッ
ドアの開いた音に瞬間的に先生だと悟って急いで座る。
かなり大きな音をさせて座ったがバレずに済んだようだ
「はい、おはよ~っと...よし、皆いるな?」
いつものぬるい挨拶と出席チェックで朝の会が始まる
「それじゃあ日直」
「起立、礼、着席」
いつもの流れで先生の話が始まる
「ええ~ 寒いこの頃ですけど、今日も晴れて体育日和なんではないでしょうか?
ちなみにこういう寒い日の体育は――」
そうして他愛もないスピーチが始まる
大抵うちの担任は校長タイプで話し始めると長い。
そのため移動教室の時間が押すのだ
そして生徒たちも真面目に聞いているかというと
勿論スマホもいじれば結構なボリュームでおしゃべりをし出して
要は誰も聞いてないし、話が聞こえないくらいの喧噪に包まれるのがいつもだ。
しかし今日はやけに静かだ。
それでもそのことに先生は気付かないのだからクラスがどんな状況であろうと、
反応なく朝の会の流れをするのではないかと思ってしまう
思えばこの静けさはやはり俺と彼女のことがあってだろうか...
いたたまれなくなっていつも心を落ち着けてくれる
窓からの景色を見ようとする
今までだってそれが出来るから窓側の席を取ろうとあの手この手を......
しかし今は彼女が、黒田さんがいる
それもこちらをずっと見つめて続けていたようだ
目が合うとニコッとした
ヒエッ
「まあ、それで話を終わろうと思うんだが...」
ああ、話も終わりか...
さて、これからどうしよう机に突っ伏す孤独も
今は彼女のおかげで許されなくなってしまった
屋上にでも逃げようか
しかし毎回、休憩時間の度にそんなことしたくないし...
そう立ち上がろうとした時だった
「最後に新たなクラスの仲間を紹介しよう...では、黒田さん前へ...」
「はい」
それを聞いて立つ黒田さんと入れ替わりで急いで注目の視線が集まる前に座った。
目立つ存在が近くにいるというのはこういう時厄介なものだ...
それと最後に彼女の自己紹介を入れてきた担任の話の
構成なるものを初めて疎んだ。
バッグを腕に掛ける余裕もなかったために、
手に掴んで走っていて
腕の筋力の消費もあり余計に疲れる。
そして教室前に着いた。
ドアは閉まっていないがやけに中が静かだ
今日ばかりは遂に担任に先を越されたか...?
担任にバレれば本当に遅刻をしたと書かれてしまう。
例え学校生活にに楽しいことは無くとも続けてきた無欠席無遅刻が...!
そうして恐る恐る中を覗くとクラスメイト全員が席についていた
アウトだったか...!!
うな垂れてバッグを持つ手に力が入りながらもヨロヨロと一番窓側に近く、
一番後ろの席に座ろうとした。
しかしそこには人がいた
「カイリの席は隣でしょ?」
「!?」
思わず悲鳴が出るところだった
そこには黒田さんがいた
そうだ...彼女と俺は同じクラスになってしまっていたんだ!
だから隣の空席を無視して俺は一番窓側で一番後ろの席であったのに...
これで一番後ろで二番目に窓に近い席になってしまった......
いや、なんてそんなことはどうでもいい!
今大変なのは黒田さんの存在自体だ...!
しかもその空席に収まってしまったのか、
だったらせめて席を交換して欲しい!!
ガラガラッ
ドアの開いた音に瞬間的に先生だと悟って急いで座る。
かなり大きな音をさせて座ったがバレずに済んだようだ
「はい、おはよ~っと...よし、皆いるな?」
いつものぬるい挨拶と出席チェックで朝の会が始まる
「それじゃあ日直」
「起立、礼、着席」
いつもの流れで先生の話が始まる
「ええ~ 寒いこの頃ですけど、今日も晴れて体育日和なんではないでしょうか?
ちなみにこういう寒い日の体育は――」
そうして他愛もないスピーチが始まる
大抵うちの担任は校長タイプで話し始めると長い。
そのため移動教室の時間が押すのだ
そして生徒たちも真面目に聞いているかというと
勿論スマホもいじれば結構なボリュームでおしゃべりをし出して
要は誰も聞いてないし、話が聞こえないくらいの喧噪に包まれるのがいつもだ。
しかし今日はやけに静かだ。
それでもそのことに先生は気付かないのだからクラスがどんな状況であろうと、
反応なく朝の会の流れをするのではないかと思ってしまう
思えばこの静けさはやはり俺と彼女のことがあってだろうか...
いたたまれなくなっていつも心を落ち着けてくれる
窓からの景色を見ようとする
今までだってそれが出来るから窓側の席を取ろうとあの手この手を......
しかし今は彼女が、黒田さんがいる
それもこちらをずっと見つめて続けていたようだ
目が合うとニコッとした
ヒエッ
「まあ、それで話を終わろうと思うんだが...」
ああ、話も終わりか...
さて、これからどうしよう机に突っ伏す孤独も
今は彼女のおかげで許されなくなってしまった
屋上にでも逃げようか
しかし毎回、休憩時間の度にそんなことしたくないし...
そう立ち上がろうとした時だった
「最後に新たなクラスの仲間を紹介しよう...では、黒田さん前へ...」
「はい」
それを聞いて立つ黒田さんと入れ替わりで急いで注目の視線が集まる前に座った。
目立つ存在が近くにいるというのはこういう時厄介なものだ...
それと最後に彼女の自己紹介を入れてきた担任の話の
構成なるものを初めて疎んだ。
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