30 / 50
歪む日常
躁MAXの脅威
しおりを挟む
「お、おはよう」
そう返すとにっこりしてどいてくれた。
立ち上がろうとして手まで差し出してくれた
流石に女の子の手を借りるのは...
と、ためらっているとグイっと力強く手首を引き上げられた。
さっきからあり得ない筋力を目の当たりにして、
この状態の危険度も十分レベル3~4はくだらないように思えてきた。
「紹介します!」
「え?」
何故か俺はクラスメイト全員に彼女から紹介される形を作られた。
「アタシの彼氏です」
その瞬間心臓が止まるかと思った。
「「ええっ!?」」
何十にも重なったクラスメイトの驚愕の声が校内全体に響き渡りそうな大声になった。
もう何もかもが恥ずかしくて堪らない、何も出来ない
意識まで断絶しそうなほどの衝撃に卒倒しそうだ。
その大声の余韻から段々とヒソヒソと声が聞こえてくる
ああ...悪口の嵐だぁ...
どうせ綺麗で可憐な彼女の彼氏があんな男なのか?
とか言われてるに違いない...!
ああ、もう...!!
脱兎のごとく逃げ出した
「ちょ、ちょっと!」
先輩の制止の声も振り切って全力で走った、行くあてなどないというのに...
そして結局、
「またここに来ちまった...」
孤独な男の逃げ場所、屋上だ。
弱気になってしまうから、
あの弱く虚しい日々の俺と同じになってしまうから...
ここには来ないようにしようと決めたのに...
やはり俺はどんなにかっこつけてみても
取り巻く環境が良い方向に変わっても
臆病のままだ
天邪鬼などと自身を語るのは
周りと自分が違うことを、
何かしらの言葉で説明できる
個性として認められたいから自称しているに過ぎない...
ああ...そうだ...こうやって自分が可哀相な奴だと思うと涙が止まらない
悲しいのか...?
悔しいのか...?
寂しいのか...?
答えは分からない。
ただ自分が陰口にも耐えられない
臆病者っていうことだけは確かなんだ...!!
「そんなことないよ」
驚きに動きも激しく後ろを向いた。
そこには黒田さんがいた
「君は勇敢で正しいからこそ、平凡なアイツらとは反りが合わないだけだよ」
ゆっくりと近付いてくる
何故か俺は後ずさってしまう、迫力や圧というものなのだろうか
「その孤独こそが正しさの証拠だよ」
遂にはフェンスに押し当てられるまでに後退させられてしまった。
「でも、もう独りじゃない」
俺の顔に伸ばしてくるその両手が首に掛かってくるような気がして、
さっきまでの涙が彼女への恐怖で流したもののように頬を伝った。
それを落とすまいと彼女の手が俺の涙を拭い、舐めた。
そんな所作にセクシーさなど浮ついた気分は現れず、
その舌で、その口で
丸ごと自身が呑み込まれてしまうような
極めて生命に対する危機を感じた。
そう返すとにっこりしてどいてくれた。
立ち上がろうとして手まで差し出してくれた
流石に女の子の手を借りるのは...
と、ためらっているとグイっと力強く手首を引き上げられた。
さっきからあり得ない筋力を目の当たりにして、
この状態の危険度も十分レベル3~4はくだらないように思えてきた。
「紹介します!」
「え?」
何故か俺はクラスメイト全員に彼女から紹介される形を作られた。
「アタシの彼氏です」
その瞬間心臓が止まるかと思った。
「「ええっ!?」」
何十にも重なったクラスメイトの驚愕の声が校内全体に響き渡りそうな大声になった。
もう何もかもが恥ずかしくて堪らない、何も出来ない
意識まで断絶しそうなほどの衝撃に卒倒しそうだ。
その大声の余韻から段々とヒソヒソと声が聞こえてくる
ああ...悪口の嵐だぁ...
どうせ綺麗で可憐な彼女の彼氏があんな男なのか?
とか言われてるに違いない...!
ああ、もう...!!
脱兎のごとく逃げ出した
「ちょ、ちょっと!」
先輩の制止の声も振り切って全力で走った、行くあてなどないというのに...
そして結局、
「またここに来ちまった...」
孤独な男の逃げ場所、屋上だ。
弱気になってしまうから、
あの弱く虚しい日々の俺と同じになってしまうから...
ここには来ないようにしようと決めたのに...
やはり俺はどんなにかっこつけてみても
取り巻く環境が良い方向に変わっても
臆病のままだ
天邪鬼などと自身を語るのは
周りと自分が違うことを、
何かしらの言葉で説明できる
個性として認められたいから自称しているに過ぎない...
ああ...そうだ...こうやって自分が可哀相な奴だと思うと涙が止まらない
悲しいのか...?
悔しいのか...?
寂しいのか...?
答えは分からない。
ただ自分が陰口にも耐えられない
臆病者っていうことだけは確かなんだ...!!
「そんなことないよ」
驚きに動きも激しく後ろを向いた。
そこには黒田さんがいた
「君は勇敢で正しいからこそ、平凡なアイツらとは反りが合わないだけだよ」
ゆっくりと近付いてくる
何故か俺は後ずさってしまう、迫力や圧というものなのだろうか
「その孤独こそが正しさの証拠だよ」
遂にはフェンスに押し当てられるまでに後退させられてしまった。
「でも、もう独りじゃない」
俺の顔に伸ばしてくるその両手が首に掛かってくるような気がして、
さっきまでの涙が彼女への恐怖で流したもののように頬を伝った。
それを落とすまいと彼女の手が俺の涙を拭い、舐めた。
そんな所作にセクシーさなど浮ついた気分は現れず、
その舌で、その口で
丸ごと自身が呑み込まれてしまうような
極めて生命に対する危機を感じた。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
シチュボ(女性向け)
身喰らう白蛇
恋愛
自発さえしなければ好きに使用してください。
アドリブ、改変、なんでもOKです。
他人を害することだけはお止め下さい。
使用報告は無しで商用でも練習でもなんでもOKです。
Twitterやコメント欄等にリアクションあるとむせながら喜びます✌︎︎(´ °∀︎°`)✌︎︎ゲホゴホ
借金完済のために惚れ薬を第二王子にかけました。そろそろ効果が切れるはずなのですが溺愛が止まりません
石田空
恋愛
王立学園に通うぽやぽや下級貴族のイルザは、ある日実家が借金で破産寸前、破産回避のために年齢差四倍の富豪に身売り同然で後妻に入らないといけない危機に直面する。
「年齢差四倍はない。そうだ、惚れ薬を適当にお金持ちな人にかけて借金肩代わりしてもらおう」
唯一の特技の魔法薬調合で惚れ薬をつくったイルザは、早速金持ちを見繕おうとしたら、それをうっかりとクールなことで有名な第二王子のクリストハルトにかけてしまった。
「私なんかが第二王子のお嫁さんなんて無理ぃー!!」
「そんなこと言わないでおくれ、私のバラ、私の小鳥」
「あなた普段のクールをどこで落としてきたんですかぁー!?」
惚れ薬の効力が切れるまでなんとか逃げ切ろうとするイルザと、クールキャラがすっかりとぶっ壊れてしまったクリストハルトが、必死で追いかけっこをする。
*カクヨム、サイトにて先行公開しております。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ヤンデレ旦那さまに溺愛されてるけど思い出せない
斧名田マニマニ
恋愛
待って待って、どういうこと。
襲い掛かってきた超絶美形が、これから僕たち新婚初夜だよとかいうけれど、全く覚えてない……!
この人本当に旦那さま?
って疑ってたら、なんか病みはじめちゃった……!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる