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第126話 伝説
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次元の結界がクリスとユーリを包み込んだ。
そして、それを見たラグナは必死に女神に命令を送るが叶わない。
「な、何故だ!何故、俺の声が届かない」
「この通信機がないと私も話せないんだ
お前の声が結界の中に届く訳ないだろう」
通信機がないと女神に命令出来ない。
それを知ったラグナはサラに指示するが、
賢者から奪い取れるはずが無い。
「舐められたもんだね……
回復魔法使いに負ける訳ないじゃないか!」
近寄ってきたサラを強化格闘術で気絶させて、
賢者はラグナへと接近する。
ラグナも捕まってしまうと自分の野望が潰えるため、必死に光のカーテンの中を逃げ回る。
「女々しいったらないね…
逃げてるんじゃないよ!」
ラグナは煙の中をひたすら逃げていく。
すると目の前にマリアを発見して邪悪な笑みを浮かべた。
「まだ、俺の運も尽きていなかったようだ」
そのままマリアを人質にしようと近づいたところで、足元に魔法陣が現れる。
「インフェルノ」
突如インフェルノを放った人物がいる。
それは、マリアの姉のシャルロット・ルミナスだ。
「な、何だと…」
強烈な火柱がラグナを襲い、身動きを封じてしまう。
「マリアには、指一本触れさせないわ」
ラグナは死んでこそいないが気絶して、
まともに動けない状態となっていた。
そして、これで一件落着と誰もが安心した時だった……
上階の穴から光ともに新たな人物が現れ、
その人物が放つスキルの光により、
光のカーテンは消え去っていく。
「ま、まさか、この波動は……」
感知した波動に思い当たる人物がいた。
500年前から生きる伝説の存在であり、
以前は力を合わせて協力したこともある。
「久しぶりだな、ロゼ」
茶色の髪に大きな目をした女性。
どことなく日本人のような印象が感じられ、
光の柱から圧倒的な魔力量と威圧感を発している。
「お前とは、
二度と会いたくないと思っていたよ……」
銀の鎧を身に纏う女性は、怪しく笑みを浮かべながら賢者を見つめている。
「勇者カノン、お前だけにはな」
その場に居合わせる者は衝撃を隠せない。
賢者は、新たな来訪者を勇者だと断言した。
おとぎ話に出てきた存在を前に驚愕している。
「ラグナが女神を降ろす計画を察知して、
神殿に来てみれば、この波動……」
カノンは喜びに満ち溢れた笑みを浮かべて言葉を発する。
「ようやく、女神を殺せる!
長く待ち望んだ女神をな!」
長らく待ち焦がれた存在を前に興奮するが、
ふと冷静に見渡してみるとカノンは気付いてしまう。
「よく見てみれば聖剣の契約者が1人しかいないな」
聖剣使いと女神は結界の中にいる。
そうなると今こそ聖剣を奪う絶好の機会だと、カノンは理解した。
「それなら契約者の女を殺して奪ってやろう!」
カノンの周りに圧倒的な魔力が絡まり、
摩擦音が聞こえてくる。
カノンの目的を察知した賢者は即座に警笛を鳴らした。
「全員でマリアを守れ!
奴は、容赦なく聖剣を奪いに来るぞ」
光魔法による身体強化を施したカノンは、
驚異的なスピードで駆け抜ける。
その間にカートが立ち塞がり、
勇者の剣を大楯で弾いた。
その瞬間にアリスが、死角から攻撃を仕掛ける。
雷神剣を繰り出そうとした刹那……
「ホーリーフィールド」
放たれた光魔法により麻痺の効果は無効化されてしまう。
アリスの剣も受け止められ、強烈な蹴りによって弾き飛ばされてしまった。
「消え失せろ」
勇者の強烈な斬撃にカートは倒れてしまい、
クレアの悲鳴にも近い声が儀式の間に響く。
カートはその場に倒れてしまい反応がない。
そして、怒りに震えるクレアに光のオーラが溢れていく。
「勇者だろうと、関係ない!
私の仲間を傷つける者は容赦しない!」
カノンの周りを光の剣が覆い尽くし、何処にも逃げ場のない状況を作ってみせた。
その魔法を初めて見たカノンは言葉を発する。
「素晴らしい魔法だ……
だが私は、光の勇者だ」
手を振り下ろすと光の剣が降り注くが、
カノンの周りに光の障壁が生まれた。
「相性が悪かったな……
良い魔法だが、私なら半減できる」
そして魔法を防いだと同時に、カノンは、
圧倒的なスピードで迫り斬撃を繰り出した。
クレアは、衝突の瞬間に神速スキルで回避するが、カノンの強烈な回し蹴りにより弾き飛ばされてしまう。
ついに賢者の元に勇者が辿り着く。
その先にはシャルロットとマリアしかいない。
「ロゼ、ようやくお前の最後が見れるな」
「ふん!昔から生意気だと思ってたんだ…
私の拳で目を覚まさせてやるよ!」
突如として現れた伝説の存在、勇者カノン。
光の勇者の実力は想像を遥かに超えるものだった。
しかし試練を乗り越えたのは、クリスだけではない。
その人物の新たに目覚めた力が、危機的状況を切り開いていく……
そして、それを見たラグナは必死に女神に命令を送るが叶わない。
「な、何故だ!何故、俺の声が届かない」
「この通信機がないと私も話せないんだ
お前の声が結界の中に届く訳ないだろう」
通信機がないと女神に命令出来ない。
それを知ったラグナはサラに指示するが、
賢者から奪い取れるはずが無い。
「舐められたもんだね……
回復魔法使いに負ける訳ないじゃないか!」
近寄ってきたサラを強化格闘術で気絶させて、
賢者はラグナへと接近する。
ラグナも捕まってしまうと自分の野望が潰えるため、必死に光のカーテンの中を逃げ回る。
「女々しいったらないね…
逃げてるんじゃないよ!」
ラグナは煙の中をひたすら逃げていく。
すると目の前にマリアを発見して邪悪な笑みを浮かべた。
「まだ、俺の運も尽きていなかったようだ」
そのままマリアを人質にしようと近づいたところで、足元に魔法陣が現れる。
「インフェルノ」
突如インフェルノを放った人物がいる。
それは、マリアの姉のシャルロット・ルミナスだ。
「な、何だと…」
強烈な火柱がラグナを襲い、身動きを封じてしまう。
「マリアには、指一本触れさせないわ」
ラグナは死んでこそいないが気絶して、
まともに動けない状態となっていた。
そして、これで一件落着と誰もが安心した時だった……
上階の穴から光ともに新たな人物が現れ、
その人物が放つスキルの光により、
光のカーテンは消え去っていく。
「ま、まさか、この波動は……」
感知した波動に思い当たる人物がいた。
500年前から生きる伝説の存在であり、
以前は力を合わせて協力したこともある。
「久しぶりだな、ロゼ」
茶色の髪に大きな目をした女性。
どことなく日本人のような印象が感じられ、
光の柱から圧倒的な魔力量と威圧感を発している。
「お前とは、
二度と会いたくないと思っていたよ……」
銀の鎧を身に纏う女性は、怪しく笑みを浮かべながら賢者を見つめている。
「勇者カノン、お前だけにはな」
その場に居合わせる者は衝撃を隠せない。
賢者は、新たな来訪者を勇者だと断言した。
おとぎ話に出てきた存在を前に驚愕している。
「ラグナが女神を降ろす計画を察知して、
神殿に来てみれば、この波動……」
カノンは喜びに満ち溢れた笑みを浮かべて言葉を発する。
「ようやく、女神を殺せる!
長く待ち望んだ女神をな!」
長らく待ち焦がれた存在を前に興奮するが、
ふと冷静に見渡してみるとカノンは気付いてしまう。
「よく見てみれば聖剣の契約者が1人しかいないな」
聖剣使いと女神は結界の中にいる。
そうなると今こそ聖剣を奪う絶好の機会だと、カノンは理解した。
「それなら契約者の女を殺して奪ってやろう!」
カノンの周りに圧倒的な魔力が絡まり、
摩擦音が聞こえてくる。
カノンの目的を察知した賢者は即座に警笛を鳴らした。
「全員でマリアを守れ!
奴は、容赦なく聖剣を奪いに来るぞ」
光魔法による身体強化を施したカノンは、
驚異的なスピードで駆け抜ける。
その間にカートが立ち塞がり、
勇者の剣を大楯で弾いた。
その瞬間にアリスが、死角から攻撃を仕掛ける。
雷神剣を繰り出そうとした刹那……
「ホーリーフィールド」
放たれた光魔法により麻痺の効果は無効化されてしまう。
アリスの剣も受け止められ、強烈な蹴りによって弾き飛ばされてしまった。
「消え失せろ」
勇者の強烈な斬撃にカートは倒れてしまい、
クレアの悲鳴にも近い声が儀式の間に響く。
カートはその場に倒れてしまい反応がない。
そして、怒りに震えるクレアに光のオーラが溢れていく。
「勇者だろうと、関係ない!
私の仲間を傷つける者は容赦しない!」
カノンの周りを光の剣が覆い尽くし、何処にも逃げ場のない状況を作ってみせた。
その魔法を初めて見たカノンは言葉を発する。
「素晴らしい魔法だ……
だが私は、光の勇者だ」
手を振り下ろすと光の剣が降り注くが、
カノンの周りに光の障壁が生まれた。
「相性が悪かったな……
良い魔法だが、私なら半減できる」
そして魔法を防いだと同時に、カノンは、
圧倒的なスピードで迫り斬撃を繰り出した。
クレアは、衝突の瞬間に神速スキルで回避するが、カノンの強烈な回し蹴りにより弾き飛ばされてしまう。
ついに賢者の元に勇者が辿り着く。
その先にはシャルロットとマリアしかいない。
「ロゼ、ようやくお前の最後が見れるな」
「ふん!昔から生意気だと思ってたんだ…
私の拳で目を覚まさせてやるよ!」
突如として現れた伝説の存在、勇者カノン。
光の勇者の実力は想像を遥かに超えるものだった。
しかし試練を乗り越えたのは、クリスだけではない。
その人物の新たに目覚めた力が、危機的状況を切り開いていく……
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