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第91話 契約
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マリアと共鳴するように聖剣の輝きが溢れていく。
その光は瞬く間にクリスとマリアを覆っていき結界となった。
「な、なんだ、
一体何が起きている…」
シャルロットも突如の出来事に動揺を隠せない。
しかし二人を包む結界から神々しい光を感じており、きっと悪い状況には陥っていないと認識した。
「クソが!」
バルガスは怒り狂っていた。
殺したはずのクリスが再度復活して邪魔をしている。
しかしバルガスはこの瞬間に閃いてしまう。
守ることができないのであればサリーを喰ってしまおうと考えた。
「し、しまった!」
シャルロットから距離が離れていて間に合わない。
このままではサリーを喰われてしまう。
この場にいる全ての者は、
サリーの最後が脳裏をよぎった。
しかし城の中でもう一人、
必死に守ろうと敵の襲撃を阻止していた者がいる。
それは、カートである。
城の入り口を守りつつも訓練場が襲撃されているのを知らされ駆けつけた。
カートはバルガスのクローを大楯で弾く。
そしてカートに訓練場襲撃を伝えた人物も、
圧倒的なスピードで攻撃を仕掛けていく。
そしてその攻撃は死角から放たれた。
その人物は、アリス・レガードだ。
アリスの魔法剣が再度バルガスを襲った。
魔力が残り少ないクレアから魔力を託され、
更に賢者からこの場所を知らされた。
そして再度バルガスは重度の麻痺を受けている。
「ま、また麻痺だと…
必ず殺す、殺してやる!」
アリスは神速を身体強化で再現できる。
クリスを救うために高速で移動をして、
駆けつけてみせた。
「アリス様…」
ベルもアリスを守るべきだと判断して、
その姿を変えてアリスの元へ駆けつける。
半年の訓練で魔力量も僅かだが増えたのだ。
「お前ら、全員皆殺しにする!」
バルガスは何度も邪魔された事に、
怒り狂っており目が血走っている。
封印魔法もクリスに相殺されて発動できない。
「何としても、
二人が戻るまで持ち堪えるぞ!」
シャルロットはここが正念場だと理解した。
クリスとマリアが戻るまで一人も死なせずに乗り越えるとシャルロットは決意した。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
気づけばクリスとマリアを光の結界が覆う。
目の前にはマリアしかいない。
そしてクリスが生きていると分かったマリアは、喜びが溢れ出てしまいクリスの胸へと飛び込んだ。
「クリス、良かった…
クリスが生きてる…」
クリスの胸に顔をうずめて泣いている。
決してクリスの死を受け入れることはできなかった。
生きていると分かり心の底から安堵と喜びに感情が爆発している。
抱きしめ合う二人…
このまま二人の唇は自然と求め合うのかと思っていた。
「おい、クリス聞こえるか?」
突如、通信機から賢者の声が聞こえてくる。
結界の中でも通信の機能は働いているようだ。
「け、賢者!
無事なのか?」
クリスも旧魔法学園で賢者が倒れたことを通信機器から聞き取っていた。
それだけに心から心配していたのだ。
「リーナに回復魔法をかけてもらったのさ
それに今はクレア達と共に、
城に向かっている」
賢者の無事を知り安心する。
ひとまず生死を彷徨っていたが、一命は取り留めたようだ。
そして賢者は口を開いていく。
「まさかお前達が聖剣に認められるとはね…
この波動、契約の結界だよ」
「契約?」
その瞬間、賢者はニヤリと笑みを浮かべた。
「契約結界さ!
聖剣が二人を認めたんだよ…
これからお前達二人を、
聖剣の使い手として契約する」
そして賢者がそのように伝えると辺りの景色が少しずつ変わっていく。
その景色は城だったはずだが岬の上に二人は立ち、前方に教会が建っている。
「賢者、俺たちに何が…」
二人とも驚愕している。
辺りの景色が変わり世界が変わっていった。
その景色は二人とも見たことも訪れたこともない。
「契約の教会…
古の時代の教会を再現している。
まずは、その礼拝堂に行くんだ」
そしてクリスとマリアは教会の入り口に到着する。
外観は古の教会と思えないほどに美しい。
更に上部には黄金に輝く鐘が取り付けられている。
白を基調とした建物は前世でも見たことがある教会を連想させた。
「マリア、行こう!」
マリアと手を繋ぎ、教会へと足を踏み入れる。
その中の様子を見ると驚きに目を見開いてしまった。
「中央に聖剣が刺さっている」
礼拝堂の内部、中央の台座に剣が突き刺さっている。
そしてそれはセシルとの戦いで見た聖剣に間違いない。
「賢者、これは?」
通信機越しに賢者に礼拝堂まで到着したことを伝え、台座に突き刺さる聖剣について問う。
すると賢者はその答えを口にした。
「契約の聖剣だよ」
そもそも契約とは何なのか、
それが二人には分からない。
その疑問を賢者に聞いてみる事にした。
「契約とはね…」
聖剣の持ち主として認められた場合、
男女の二人を契約者として手の甲に刻印が刻まれる。
そしてその刻印を持ったものが聖剣の力を発動するとその力は強さを増していく。
500年前に行われた儀式だが、
現代では契約できる者が現れなかった。
「覇王持ちが現れなかったから、
契約できなかったんだよ…」
「賢者、これから何をすれば?」
賢者はこれから行う儀式の説明をしていく。
そしてそれが二人にとって忘れられない出来事となった。
「台座の前で誓いの言葉を口にするのさ
その後に、誓いの儀式をする。
聖剣がそれを認めると契約は完了する」
「あの、誓いの言葉と儀式って何?」
賢者は通信機器越しに呆れたような、
ため息を吐いた。
クリスはそのため息に少し焦ってしまう。
「馬鹿者!
教会で誓いの言葉と儀式といったら、
愛の言葉と口付けに決まっているだろう」
「はい?」
クリスは賢者から誓いの儀式について説明を受けて驚愕していた。
ここからマリアとの儀式が始まる。
その儀式により二人の絆は更に強固になるだろう。
そして、その儀式を聖剣は優しく見つめるのであった。
その光は瞬く間にクリスとマリアを覆っていき結界となった。
「な、なんだ、
一体何が起きている…」
シャルロットも突如の出来事に動揺を隠せない。
しかし二人を包む結界から神々しい光を感じており、きっと悪い状況には陥っていないと認識した。
「クソが!」
バルガスは怒り狂っていた。
殺したはずのクリスが再度復活して邪魔をしている。
しかしバルガスはこの瞬間に閃いてしまう。
守ることができないのであればサリーを喰ってしまおうと考えた。
「し、しまった!」
シャルロットから距離が離れていて間に合わない。
このままではサリーを喰われてしまう。
この場にいる全ての者は、
サリーの最後が脳裏をよぎった。
しかし城の中でもう一人、
必死に守ろうと敵の襲撃を阻止していた者がいる。
それは、カートである。
城の入り口を守りつつも訓練場が襲撃されているのを知らされ駆けつけた。
カートはバルガスのクローを大楯で弾く。
そしてカートに訓練場襲撃を伝えた人物も、
圧倒的なスピードで攻撃を仕掛けていく。
そしてその攻撃は死角から放たれた。
その人物は、アリス・レガードだ。
アリスの魔法剣が再度バルガスを襲った。
魔力が残り少ないクレアから魔力を託され、
更に賢者からこの場所を知らされた。
そして再度バルガスは重度の麻痺を受けている。
「ま、また麻痺だと…
必ず殺す、殺してやる!」
アリスは神速を身体強化で再現できる。
クリスを救うために高速で移動をして、
駆けつけてみせた。
「アリス様…」
ベルもアリスを守るべきだと判断して、
その姿を変えてアリスの元へ駆けつける。
半年の訓練で魔力量も僅かだが増えたのだ。
「お前ら、全員皆殺しにする!」
バルガスは何度も邪魔された事に、
怒り狂っており目が血走っている。
封印魔法もクリスに相殺されて発動できない。
「何としても、
二人が戻るまで持ち堪えるぞ!」
シャルロットはここが正念場だと理解した。
クリスとマリアが戻るまで一人も死なせずに乗り越えるとシャルロットは決意した。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
気づけばクリスとマリアを光の結界が覆う。
目の前にはマリアしかいない。
そしてクリスが生きていると分かったマリアは、喜びが溢れ出てしまいクリスの胸へと飛び込んだ。
「クリス、良かった…
クリスが生きてる…」
クリスの胸に顔をうずめて泣いている。
決してクリスの死を受け入れることはできなかった。
生きていると分かり心の底から安堵と喜びに感情が爆発している。
抱きしめ合う二人…
このまま二人の唇は自然と求め合うのかと思っていた。
「おい、クリス聞こえるか?」
突如、通信機から賢者の声が聞こえてくる。
結界の中でも通信の機能は働いているようだ。
「け、賢者!
無事なのか?」
クリスも旧魔法学園で賢者が倒れたことを通信機器から聞き取っていた。
それだけに心から心配していたのだ。
「リーナに回復魔法をかけてもらったのさ
それに今はクレア達と共に、
城に向かっている」
賢者の無事を知り安心する。
ひとまず生死を彷徨っていたが、一命は取り留めたようだ。
そして賢者は口を開いていく。
「まさかお前達が聖剣に認められるとはね…
この波動、契約の結界だよ」
「契約?」
その瞬間、賢者はニヤリと笑みを浮かべた。
「契約結界さ!
聖剣が二人を認めたんだよ…
これからお前達二人を、
聖剣の使い手として契約する」
そして賢者がそのように伝えると辺りの景色が少しずつ変わっていく。
その景色は城だったはずだが岬の上に二人は立ち、前方に教会が建っている。
「賢者、俺たちに何が…」
二人とも驚愕している。
辺りの景色が変わり世界が変わっていった。
その景色は二人とも見たことも訪れたこともない。
「契約の教会…
古の時代の教会を再現している。
まずは、その礼拝堂に行くんだ」
そしてクリスとマリアは教会の入り口に到着する。
外観は古の教会と思えないほどに美しい。
更に上部には黄金に輝く鐘が取り付けられている。
白を基調とした建物は前世でも見たことがある教会を連想させた。
「マリア、行こう!」
マリアと手を繋ぎ、教会へと足を踏み入れる。
その中の様子を見ると驚きに目を見開いてしまった。
「中央に聖剣が刺さっている」
礼拝堂の内部、中央の台座に剣が突き刺さっている。
そしてそれはセシルとの戦いで見た聖剣に間違いない。
「賢者、これは?」
通信機越しに賢者に礼拝堂まで到着したことを伝え、台座に突き刺さる聖剣について問う。
すると賢者はその答えを口にした。
「契約の聖剣だよ」
そもそも契約とは何なのか、
それが二人には分からない。
その疑問を賢者に聞いてみる事にした。
「契約とはね…」
聖剣の持ち主として認められた場合、
男女の二人を契約者として手の甲に刻印が刻まれる。
そしてその刻印を持ったものが聖剣の力を発動するとその力は強さを増していく。
500年前に行われた儀式だが、
現代では契約できる者が現れなかった。
「覇王持ちが現れなかったから、
契約できなかったんだよ…」
「賢者、これから何をすれば?」
賢者はこれから行う儀式の説明をしていく。
そしてそれが二人にとって忘れられない出来事となった。
「台座の前で誓いの言葉を口にするのさ
その後に、誓いの儀式をする。
聖剣がそれを認めると契約は完了する」
「あの、誓いの言葉と儀式って何?」
賢者は通信機器越しに呆れたような、
ため息を吐いた。
クリスはそのため息に少し焦ってしまう。
「馬鹿者!
教会で誓いの言葉と儀式といったら、
愛の言葉と口付けに決まっているだろう」
「はい?」
クリスは賢者から誓いの儀式について説明を受けて驚愕していた。
ここからマリアとの儀式が始まる。
その儀式により二人の絆は更に強固になるだろう。
そして、その儀式を聖剣は優しく見つめるのであった。
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