休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう

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第41話 決着

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禍々しい炎の渦の中心部で、
炎の精霊王イフリートと対峙する。
何人たりとも入る事を許されない炎の牢獄。
結界のように俺とイフリートのみを覆っている。


「後悔させてやるよ…
 イフリート…」


口から自然と出た言葉だ…
こんな規格外の相手であれば一刻も早く逃げ出そうと考えるはずが全く恐怖を感じない。
それどころか俺自身が戦いたいと願っている



そして姿を変えてバブルバレットを放つ。
魔力は更に強くなり、弾丸の速度も速くなっている。


「なに…」


先程とのギャップに驚いたようだ。
遠距離からの牽制を行った後、
俺はイフリートに向かって一気に加速した。

イフリートの大きな身体に対して、
スピードという点で大きく上回る。
目前まで迫った後に、俺は覇王の固有スキルを繰り出した。



【覇王の一撃】



至近距離からの一撃にイフリートは螺旋の炎で防御のタイミングを合わせる。
覇王の一撃とイフリートの炎が衝突し螺旋の炎が消滅した。


絶対防御が消え去る瞬間、
この時を俺は待っていた。
ありったけの魔力を流し込んで、
バブルバレットを連射する。


至近距離から弱点を突いた攻撃。
流石のイフリートも深傷を負った。
弱っているところを強化格闘術で蹴り飛ばす。



「なるほど、面白い…」


イフリートはこの瞬間に笑みを浮かべ、
炎の出力を上げていく。
それは炎の精霊王の名にかけて意地を見せるかのようだ。


イフリートの雄叫びが森に響き渡り、真の姿へと覚醒する。
外見も、先程は綺麗な彫刻のような肉体だったが、所々で骨が飛び出て硬化している。
そして筋肉も一回り大きくなった。



「いくぞ、まだ楽しませてくれよ…」



イフリートが助走をして加速すると、
今度はイフリートに先手を取られてしまい、
俺は蹴りを受けて弾き飛ばされてしまった。


「消し飛べ」


強力な火柱が俺を襲う。
無詠唱で繰り出されるインフェルノ。
覚醒しているイフリートの魔力は跳ね上がっており、喰らうと無事では済まない。


しかし炎が消えた先には俺がその場にいなくて焦っているようだ。
イフリートは一瞬だが見失ったのだ。


「捕まえたぞ…」


イフリートを背後から掴み、
自分の魔力をイフリートへ流し込んだ。


その行為にイフリートは困惑している。
覇王の魔力は強力な魔力には違いないが、
何故敵である者に魔力を送り込むのか全く理解できない。
更に魔力を流し込んだ事で、
イフリートの螺旋の炎が復活してしまう。



そして俺は身体強化を全力でかけて距離を取ったが、魔力を使い果たし元の姿へ戻ってしまう。


「ふははは、血迷ったかと思えば、
 魔力を使い果たしたか」


イフリートは、魔力を溜めてインフェルノを唱え、トドメを刺しにくる。
しかしその瞬間、俺も休憩スキルを発動する。


「やはりな…
 正直ずるいと思ってるよ…」


俺の足元に強烈な火柱が発生するが、
今度は回避せずにそのまま立ち尽くす。

覚醒したイフリートのインフェルノが当たったことで、イフリートは勝利を確信した。
この直撃は必ず相手を死に至らしめたと笑みがこぼれている。


炎が消えゆく中で、少しずつ、
少しずつだが、炎の中が見えて来ると、
イフリートは自らの目を疑う。



「ま、まさか、その力は…」


インフェルノの炎が消えゆく中で、
俺は、姿を大人へと変えて、
更に周りを螺旋の炎が発生する。




「そう、お前の絶対防御だよ…」




俺が何の意味もなく魔力を、
イフリートに送っていたわけではない。
休憩スキルの中で能力が一つある。
【相手のスキルを取得する】
条件は相手に魔力を送り、
相手が魔力消費系スキル使うと取得できる。


それは、戦闘時においても効果があると予測し、イフリートに試してみたかった。



「貴様、魔力を送ってきたのは、
 そういうことか…」


俺は勝利を確信する笑みを浮かべる。
これで相手の炎を完全に防ぐ手段を得た。



「これでお前だけの、
 固有スキルでは無くなった…」



イフリートは急転してピンチに陥っている。
現状では螺旋の炎を打ち破る手は一つのみ。
イフリートの固有スキル【地獄の業火】だ。
しかし、それを放っても高速で移動するクリスには当たらない。
そして自らが放つ炎は、螺旋の炎で全て防がれてしまう。


「まさか、我がスキルに、
 追い込まれるとはな…」


そして俺は身体強化を施し接近する。
イフリートの目前に迫ったところで、
再度覇王の一撃を放った。


そしてイフリートがその一撃を、螺旋の炎で守った瞬間、防御がガラ空きになる。


【地獄の業火】


俺はイフリートの固有スキル、
地獄の業火をイフリートに炸裂させた。


イフリートは目を見開き、まさかこの瞬間に大技を決められるとは思いもしない。
地獄の業火の強力な一撃は、炎の精霊王であっても無事では済まなかった。
無防備で受けたため倒れ込んでしまう。
覇王の一撃との連続攻撃が勝利へと導いた。



そろそろ母上とユーリが迎えにきてくれる。
きっとイフリートに勝ったなんて言ったら、
どんな顔をするだろうか…
今からその二人の驚く顔を想像すると、
なんだか笑ってしまう。
でも、きっと二人とも笑顔で迎えてくれるだろう。
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