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第3話
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その日は佐久間先生が坂東先生も誘って飲みに連れていってくれた。
「坂東先生と飲みに行くと親子と間違えられる事もあって傷つくんだよな」と佐久間先生が文句を言った。
今日は二人の馴染みの店らしく、間違えられずにすんだようだ。
店の大将に僕を紹介し、ビールを3つ頼んでから「ビールで良かったか?」と聞いてきた。(実は飲めないんです)と言いそびれて「は、はい」と言った。
「あと、ここのキムチは最高なんだ。大将、まずキムチ盛り合わせも!」と注文している。辛いものが苦手なことも、言いそびれた!
◇◇◇
「道川先生、大丈夫ですか?」
僕は坂東先生に支えられながら歩いている。と言うか、抱きかかえられて、移動している。店の前にいるタクシーまでの長い道のりを。
「じゃあ坂東先生、申し訳ないが頼みますね」そう言って佐久間先生は帰っていった。「全くしょうがないな、道川先生、ご自宅はどこですか?住所言えますか?」と聞かれた。
「住所でしゅか、えーと、茨城県のぉ」と実家の住所を答え始めると、「そんな遠くまで送ってられない、今日は俺の家に泊まってください」と言って、タクシーに押し込まれた。
◇◇◇
僕は目覚めた。
朝の光がまぶしい。
「どこだここは?」
横をみると可愛らしい男の子が眠っている。「ん」と言って起き上がると、僕は裸だった。しばらくボーッとしていると、その男の子が起き上がり言った「おはようございます、道川先生」
あっ、思い出した。
昨日会った坂東先生は髪を七三に分けてキチッとしていたが、前髪を下ろしてメガネをしていない坂東先生は高校生そのものだ。かわいい!
一瞬そんなことを考えてじっと見つめていると「道川先生、大丈夫ですか?」と聞かれた。
ハタッと我に返り、昨日はじめて会った坂東先生に恐縮しながら、「お、おはようございます。あの、僕、聞くのが怖いのですけど・・・この状況、、」
と言うと、坂東先生は笑って、「道川先生はお酒飲めなかったのですね、先にそう言ってくだされば良かったのに。気を使わせてしまったみたいですね」と言った。
僕は焦って「いや、言わなかったのは僕が悪いのですが、昨日なにが?」と恐る恐る聞いた。
「キムチを食べて、辛さに目を白黒させてビールをごくごく飲んだら・・・」
そして坂東先生は続けた。
「ご自宅が茨城とお聞きしたので、私の家に来てもらったんです」
そこまで聞くと僕は「ご迷惑かけてすみませんでした」と、平謝りをした。
「それは良いのですが、今日も出勤ですよね、二日目から有休じゃあ誘った佐久間先生と俺が怒られちゃう。行かれそうですか?」と聞かれた。
「は、はい」と答えながら裸の自分を見た。
「あ、あとスーツとワイシャツ、ゲロで汚れてしまったので、脱がせてクリーニングに出しました。なので、今日は俺の服で行ってください。二日目からはラフな格好で構わないでしょ、どうせ白衣着るのだから」と言われた。
俺は真っ青な顔で「す、すみませんでした」と重ねて謝罪した。
「坂東先生と飲みに行くと親子と間違えられる事もあって傷つくんだよな」と佐久間先生が文句を言った。
今日は二人の馴染みの店らしく、間違えられずにすんだようだ。
店の大将に僕を紹介し、ビールを3つ頼んでから「ビールで良かったか?」と聞いてきた。(実は飲めないんです)と言いそびれて「は、はい」と言った。
「あと、ここのキムチは最高なんだ。大将、まずキムチ盛り合わせも!」と注文している。辛いものが苦手なことも、言いそびれた!
◇◇◇
「道川先生、大丈夫ですか?」
僕は坂東先生に支えられながら歩いている。と言うか、抱きかかえられて、移動している。店の前にいるタクシーまでの長い道のりを。
「じゃあ坂東先生、申し訳ないが頼みますね」そう言って佐久間先生は帰っていった。「全くしょうがないな、道川先生、ご自宅はどこですか?住所言えますか?」と聞かれた。
「住所でしゅか、えーと、茨城県のぉ」と実家の住所を答え始めると、「そんな遠くまで送ってられない、今日は俺の家に泊まってください」と言って、タクシーに押し込まれた。
◇◇◇
僕は目覚めた。
朝の光がまぶしい。
「どこだここは?」
横をみると可愛らしい男の子が眠っている。「ん」と言って起き上がると、僕は裸だった。しばらくボーッとしていると、その男の子が起き上がり言った「おはようございます、道川先生」
あっ、思い出した。
昨日会った坂東先生は髪を七三に分けてキチッとしていたが、前髪を下ろしてメガネをしていない坂東先生は高校生そのものだ。かわいい!
一瞬そんなことを考えてじっと見つめていると「道川先生、大丈夫ですか?」と聞かれた。
ハタッと我に返り、昨日はじめて会った坂東先生に恐縮しながら、「お、おはようございます。あの、僕、聞くのが怖いのですけど・・・この状況、、」
と言うと、坂東先生は笑って、「道川先生はお酒飲めなかったのですね、先にそう言ってくだされば良かったのに。気を使わせてしまったみたいですね」と言った。
僕は焦って「いや、言わなかったのは僕が悪いのですが、昨日なにが?」と恐る恐る聞いた。
「キムチを食べて、辛さに目を白黒させてビールをごくごく飲んだら・・・」
そして坂東先生は続けた。
「ご自宅が茨城とお聞きしたので、私の家に来てもらったんです」
そこまで聞くと僕は「ご迷惑かけてすみませんでした」と、平謝りをした。
「それは良いのですが、今日も出勤ですよね、二日目から有休じゃあ誘った佐久間先生と俺が怒られちゃう。行かれそうですか?」と聞かれた。
「は、はい」と答えながら裸の自分を見た。
「あ、あとスーツとワイシャツ、ゲロで汚れてしまったので、脱がせてクリーニングに出しました。なので、今日は俺の服で行ってください。二日目からはラフな格好で構わないでしょ、どうせ白衣着るのだから」と言われた。
俺は真っ青な顔で「す、すみませんでした」と重ねて謝罪した。
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